平均的少年少女のゲーム日記

蜩 輪廻

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第二歩

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四月二十八日


ヤバイ、ハマった
結局あの興奮は抑えきれずそのまま徹夜という形で迎えた

今日は放課後に真昼と一緒に帰り、真昼のアバターを借りて遊んだ

相変わらずの近未来の危険臭がする部屋に俺の脳は早くも「ここは女子の部屋ではない」と認識し始めたのか最初にあった抵抗感も少し緩和していた
(一応書いておくが、悲しい意味が混じっている)

そもそも、真昼は昔からお転婆が過ぎていてその当時はそんなサバサバ系女子がよくモテていた傾向もあったせいなのかどうかは知らんが真昼のそれもエスカレートしていき……

(中略)

そして、とんだ驚いたことを聞いた
そういえばあいつの親父さんには、俺は一度もあったことがない
昔の記憶を掘り返してみれば確かに真昼の親父さんは入学式にも、はたまた卒業式にもみたことがなかった
そのかわりアイツの母親は、なにかしらの学校行事があるごとに来ていたのを思い出した

そういうことを考えると、真昼の家って結構大変だったんだなと思った(小並感)
正直、真昼の話を聞いて俺はなんていえばいいのか表現のしようがない感情が渦巻いている気がする

父親の職業が珍しい人ってそんないない……って俺はそう思った
俺の親父は普通の社会人だからな
最近、中間管理職的地位にいるらしくて苦労が他人よりも多く掛かっているとかなんとか……

……ここまで書いておいてアレだが、なんでゲームの内容を書こうとしてるのに真昼の話や父親の話ばっか書いているんだ?あ、でも最後に。真昼のお父さんマジで頑張れ……

『青年の記録本2ページから一部抜粋』



 あのゲームに触れて、一日が経った。
徹夜したこともあって目がしばしばする
身体全体が徹夜特有の怠さを被っているのにもかかわらず、動きはそこまで重くはなかった

不意に手を見つめグーパーを繰り返す
あの時コントローラーと共に握った感覚は今もそこに残っている。
目を閉じれば、昨日の興奮が眠気を抑えあの世界の景色が浮かび上がった。

あれは夢ではない
現実でも無いが、夢ではないのだ
摩訶不思議な感覚に今にも溺れてしまいそうになった
ふと目を開き、時間を確認すればそろそろ学校の支度をしなければならなかった。
倦怠感ある身体を動かしたのだった
うおお……背中の骨がなりそうだぜ。なーんてな、まだそこまでジジイじゃあねーっての



支度を整えて、まだ桜散る通学路を歩いていく
いつも通りの変わらない普通の道だ。多少コンクリートの凸凹があるだけだし、特に変わった事はなさそうだった。

「……あ」
 
特に意味はないが下を向いて歩いていると、道端で名も知らない花が咲いていた。しかも、その花は通行路とガードレールの隙間にできたコンクリートが削られた所に咲いていた。

……これじゃあ、来年は咲かないのでは?タンポポでもないし。でも、案外もつのか?一年花なのか?
枯れたらここにはもう咲く事はないのか?

何時もならどうでもいいと頭から離れていくであろう事なのに、今日は変に考え込んでしまった。
なんでだろうか……徹夜したせいで、疲れているのか?

何故だか、あの花の先の事が気になっていた

しばらく考え込んで歩いていたせいか、気がつけば学校が見えてきた。
学校にも桜が植えられていて、そこでも花は散っていた
春ならば当然だが虫もよく見かける。なんならミミズも先ほどの通学路で見かけたし今いる学校では蜜蜂が飛んでいた。別に、虫なんてどうでも……

「ぎゃあぁぁ!?!?」

よくない。よくなかったよ。いや、俺はさ、ね?男だからさ、虫はどうでもよかったんだけど……
今飛んでいる蜜蜂を見かけた生徒の一人の悲鳴が大問題だった。うん、もう本当、ね

女子じゃない、さっきの悲鳴は決して女子が、華の女子高生が出した声じゃない。知っている人間の声じゃない!!いいか、俺。落ち着くんだ、あの悲鳴は他人だ。決して知り合いなどではない!特にアイツなどでは!!

「っ!あ~もう、ほんっと、ビックリしたなぁ
なんで学校に蜂いるかな……馬鹿じゃないのかな」

「……………………」

かなしきかな 何故事実突きつける 我が幼馴染……字余り過ぎ
って、違う違う。いいか?俺。アイツがまだあの悲鳴を上げた野郎とは限らないんだぞ?冷静になれよこんにゃろ

「あ、嶺~おはよ~」
「ヤァ、オハヨ、マヒル」

朝に弱い真昼の間の抜けた挨拶。俺の理由も分からないカタコト挨拶。ははっ、俺ってば何してんだ?カタコトニナル理由ガナイジャナイカ~ハハッ……

「あ、聞いてくれよ。嶺
さっきさ蜂が私の前に急に出てきてさ、思わず驚いて声あげちゃったんだよ~」

ズブリ
物理ではない。精神的な大きなダメージが俺に刺さった。もう俺のライフポイントはゼロだぜ、幼馴染よ……

「まったく、困ったもんだよね~ミミズはともかく蜂だなんてさ。この学校、蜂の巣でもどっかにあるんじゃね……って、どうしたんだよ嶺」
「もう……もう、俺に言うな。わかった、から……うん……本当」
「え、なにが?」

ダメだコイツ、早くなんとかしないと……
俺は人知れずに。いや、幼馴染知れず溜息を思いっきり吐いた
朝から幼馴染が濃すぎる。授業ちゃんと受けれるかな……俺

ちなみに、俺と真昼のクラスは違う。なんなら、3クラス分離れている。
俺は4階で、アイツは3階に教室がある
俺がもう一つ上の階に上がろうとする時に漸く別れ、教室に着いて自身の席に着く時にまた深い溜息を吐いたのだった。

「おはよう、高谷君」
「おはよう……」

このクラスのカーストの高いところにいるであろう女子に挨拶をされ、俺も返した。
直ぐに離れるだろうと思っていたのに、まだ俺の席の前にいた彼女に疑問を持ち、なんだと問いかけてみると彼女は
「高谷君、なんだか今日は疲れてる?」
と、返してきたのだ。

思わずにヒュッと息を呑んだ。というのも、俺はなかなか体調が悪くとも顔には出ないタイプらしくに気付くのはいつも家族か幼馴染の二択だけだった。
それが今日、見事に壊された。勿論いい意味で。
昨日はよく眠れなくてさ。と取り敢えず当たり障りのない事を伝えた。

「あーうん、分かるかも。私も昨日はよく眠れなくてさ。ちょっと眠いや」
「そうなんだ」

ここまでで俺と彼女の会話は終わった。
というのも、彼女の友人であろう女子が彼女の名前を呼んでそれに彼女が応じてそれじゃあ、と俺の席の前から離れたからだ。

……驚いた。まさかちゃんとした異性から話しかけられるとは思いもしなかったぞ

そして、先程話した女子をみてみる。
彼女は複数の女子と何気ない会話をしていて、あぁあれこそ本当の女子高生というものだと幼馴染によって狂った女子高生の存在が正された気分を味わった。

どうして真昼はあんなに女子高生らしくしないのだろう。見た目もだが、それでも態度をもっと女子らしくすれば恋の可能性だってあるんじゃないか?

いつのまにか、俺は真昼の将来を心配する父親みたいな思考をしていた。
気づいたのはホームルームが始まるチャイムの音によってだった




午後の授業が終れば、放課後を告げる鐘がしばらくしてから鳴る。そそくさと俺は帰る支度をして屋上に向かった。理由は特にない。愚痴をこぼしたい事も無い……いや、あるかも。って、そんなことどうでもいい!屋上は立ち入り禁止だって?今のところお叱りを喰らったわけじゃないからいいよね、別に
さ。

真昼とは一緒に帰る約束をしたわけじゃないけれど、大体一緒帰るときは俺がここにいる時だった。確証はないけれど、多分アイツは今日もここにきてくれる。
言わなくても長年の付き合いを通して分かる事だってあるさ。だなーんて、幼馴染のいない奴にはコレは皮肉だなぁと笑った

屋上の扉の近くで鞄を枕にしブレザーを布団代わりに横たわりながら耳を澄ませばほらやっぱり、と別の笑いが込み上がってきた。想像が容易いや、やっぱ幼馴染ってそんなもんだよな

「やっほい、嶺。一緒に帰ろ~!」
「はいはい」

上体だけ起き上がってみれば笑顔の真昼がいた
なんだかそれが子供ぽくって、でも、それがいつでも変わらなくて安心感のある真昼の笑顔で、自然と心がほっこりとする。本当、変わらなさすぎだろ、俺ら

「あ、うちん家でゲームするっ?」
「……うん!」

真昼の一人称が自然と昔の頃に戻っていて、なんだか俺自身も昔に戻った気分になり昔みたいな返答をしてしまった。これは後できっと恥ずかしいって思うんだろうなぁって他人事みたく思いながらブレザーを羽織り、鞄を持って歩き出した。
昨日が嘘みたい思えた。こんなに足が軽やかなのも、こんな気分になったのも何時ぶりなんだろう
あれ、世界ってこんなに綺麗だったっけーー?

そして、こんな気分が早くも消え去ったのは真昼の家に着いてからだった。余談だが、今日は真昼の母親もおり笑顔で俺をもてなしてくれた。真昼の母さんも変わらないんだなって思った。

俺はすっかり忘れてしまっていた。あまりに昔の時みたいに自然と足が動いて真昼の部屋に入ってしまったのだから。いや、だからこそ仕方がなかったんだ……!!心の中で四つん這いになり床を叩いた。

部屋は昨日と変わらず、残念すぎる中身だった。

その中身を見た瞬間、水を、滝修行をしたかの様に当てられ、頭の中の丁度良い温度が一気に氷点下へと下がる。目から暖かい何かが零れそうになる。

「……あぁ。そうだった」

俺の幼馴染は、本当どうしてこう、成長してしまったんだろう。どこをどう間違えたんだろうか

きっと、この疑問は「ん?」とアホみたいに首を傾げているのを見ている限りどんな数学学者であろうが解けないのだろうよ。

もう、考えるのはよそう。そうして、ゲームの方に疑問はあったかと思考を移せば昨夜生まれた疑問を思い出した。

「そーいや、真昼
お前のそのゲーム機ってさ、まだ日本にはあんまり普及してないんだろ?なんで、それをお前が持ってんだ?」
「んー?そんなの決まってるじゃん。嶺」
「は?」

当然の様に話す真昼に俺はさらに疑問符が飛んだ。なんだ、なにか真昼についてなにか見落としといたことがあったか?真昼の家は普通の一軒家だ。真昼の母さんは専業主婦、なのか?いやいや……

……あれ?そういえば、さ

「あれ、言ってなかったっけ?」
「言うって、なにが」

真昼は俺の反応を見て、「あぁなんか言ってなさそうだね」と笑っていた。
いや、まさか、その、まさか、なのか?

「うちのお父さん、このゲームの開発者の一人なんだよ。んで、プレゼントって形でくれたんだよ」
「………………はぇ?」

たっぷりと間を置いて、間抜けな声を出してしまった。ちなみに真昼は納得した顔してやっぱ言ってなかったか~と笑っていた

「え、お前の父さんってクリエイターとか?そんなんだったの!?」
「え?うん、そうだけど?」

幼馴染として十何年の付き合いだが、初めて聞いたぞんな事。
そういえば、そういえばで真昼の父さんに会ったことがない。リビングに置いてあった家族写真でしかみたことがなかった。
でも、それは俺たちが遊びの終わりの夕方5時になれば帰っていたから、そのせいかと思っていた。

まさかの、クリエイター系だったとは……つーか、収入とか大丈夫なのか!?

「それなりに稼いでるっぽいよ?お陰で我が家は安泰です!」
「マジかよ……」
「ははは。ウケる~」
「ウケるじゃねーよ、コノヤロウ……」

ハハハハ、と笑う真昼に軽いチョップをかましてやるとごめんごめんとやはり笑いながらでも謝った。

「はぁ、なんか今日はもう色々突っ込みどころが多すぎだろ……
んで、なんで二機もあるのさ?」
「え、それはね、お母さん用だったんだけどそのご本人様が「え、いや私そういうの苦手だからパス。やっぱ、モンクエが1番だろ~」との一言で呆気なくお蔵入りとなったんだよ。いや~電話越しとはいえあれはお父さんに同情しちゃったよ。あの時ちょっと寂しげな声で「そっか……」って言ってたし」

まさかの真昼のお母さん、夫が開発に携わったゲームに興味を持たずにスルー!挙げ句の果てには、某有名ゲームを支持しちゃったの!?いえ、わかりますよ、面白いですよね、モンクエ!!でも、そこは空気読んであげてやってあげましょうよ!グラフィック最高でしたよ!?

ダメだ、この家族。大丈夫かなぁ……つーか、本当真昼のお父さんいい人っぽさそうで良かったよ。普通だったらその会話で離婚の危機まで発展してたんじゃないのコレ……

「でも、ま、お父さん
海外にばっかいるけど、たまーに日本に帰ってくるときはお母さんにベッタリだよ?」
「そ、そうなんか……」
「なんでも、プロポーズの言葉が「君に、最高の人生をあげるゲームをさせてくれ」らしいよ?
いや~クサすぎて笑っちゃうよねぇ~」
「お父さん……」

娘にプロポーズの言葉を笑われて、何故だか俺が悲しくなってきた。男という生き物はどんな形であれ女性に振り回されるのが運命なのか……くっ、ドラマだとかアニメとかだと俺たちの方が主導権ありそうなのに!

「んでさ、そん時にお母さんが返した言葉がね「私がハッピーエンドルートに導いてみせるから、そのゲームやろうよ」って言ったらしくてね、いや~流石うちのお母さんだよねー!」

あ、違う。綾坂家の女子が強すぎるんだ。男よりもカッコよすぎる台詞を言うとか。ちょっと、俺にもドキッときちゃったわ。その返事

「まま、うちん家のことはともかくとして!さっさっとゲームしようよ!」
「そーだな」

話を切り替えた真昼は早速ゲーム機を持ち出してきた。そういや、これ一人一つなんだよな……その間真昼はどうするんだろうとそちらを見やれば、古き良き時代のゲーム機を持ち出してテレビに接続していた。うわっ、懐かしいなその赤白黄色のコード……

「今度こそ、三ピン上がりすればいいなぁ……」

カセットを見れば、某人気戦術ゲームのファから始まりムで終わるタイトルでそのゲーム作品の1番有名であろう青い髪の王子の時代編だった。

これまた懐かしい……つーか、間違いなく俺達の世代の物ではないよな。良くてキューブだよ。どうせやるならアプリの方をやればいいのに……お前の推しキャラは3Dの携帯ゲームに登場した主人公のデフォルトなんだろ?分かってるからな?それで前に俺の家で対戦した時にそいつばっか使ってたの俺は覚えているからな!?

というか、プレイ時間とターン数がエゲツない数字を表示しているんだけど?一体どれだけの時間を捧げ、敵の部隊を半殺しにしては増援を出してまたいたぶっての繰り返しをしたんだよ……

プレイヤーとしての天性の才能はなくとも、こいつはプレイ時間努力がエゲツない。だからこそこういう育成に強い時がある。真昼の本気は恐ろしいものだ……

まぁ、ともかく。俺が真昼のことを心配してゲームをする必要はなかったわけだ。現に今も「違う!そこをあげて欲しいんじゃない!というかさ、今速さなんて上がっても君ってば意味ないでしょ!?馬乗ってんだから!」とかなんとか騒いでいるし。うん、気にしたら負けだな!

ゲーム機の電源をつけてから被り、コントローラーを握る。

ロードを済ませて、瞬きをすればすぐに俺は『異世界』に飛んだ。やっぱり、このゲームってグラフィック最高だろう……めっちゃ空綺麗だぞ……
今は真昼のアバターを借りているので、女の姿をしているわけだが、まぁ、別に姿さえ見えなきゃそんなの意味ないよな。あまり水辺のところや鏡のあるところには行かないようにしよう。

そうして、俺は中世ヨーロッパ風の街を歩いていった。

開けた場所に行きこの街の全貌をみてみると、城があり、ここは城下町だと知る。
俺以外にも沢山のプレイヤーがいる。でも、その殆どが外国人だ。英語は苦手で話しかける勇気など俺にはない
まだ日本には輸入されたばっかだから。ちゃんと売り出されるには時間が掛かるもんだろう。でも、売り出されたら即座に売り切れるだろうと、俺の中で確信めいたものがあった。こんなにいいゲームなのに、話題にならないのがおかしい。まぁ、一人いたが……しかも、開発者の奥さん
ま、まぁ、それでも、こんなに素晴らしいものなんだからいいじゃないか!とかぶりを振る

よし、と俺はこの世界をひたすら走りながら観光していた。
街から出れば、初心者の為であろう草原の世界
眼を凝らせば青い兎の様なモンスターがいた。すかさず近づきアバターが所持していた片手剣で斬り伏せる。
モンスターはいとも容易く煙となって消えて、宝箱を落とした。
中身を確かめようと開けるとコマンドが表示された

『ブルーラビットの毛皮を手に入れました』

……おお、まさにこれこそゲームだよな

謎の感動が生まれ、手持ちに加えますか?の選択ではい、を押す

『このアイテムは所持数を超えています』

……一体、どれだけこのモンスターを狩ったんだ真昼アイツは。
どれどれとアイテム欄を開くと、ブルーラビットの毛皮は99個と表示されていた……在りし日の真昼アイツに程のいい経験値にされたんだろう。憐れ、ブルーラビット。多分、俺もお世話になると思う。そん時はよろしくな……

拾えないものは仕方ないと、宝箱をそっと閉じてそのまま放置しておく。勝手に殺しておきながら済まないことをしてしまったなとそう思った俺は今日の戦闘はやめにしようとその場を去ったのだった。

そして、俺は気づけなかった。俺のことを、いや、真昼のアバターを見ていた外国人プレイヤーがいたということに……



『なぁ、あの黒髪の女のアバター……もしかして、最近噂のじゃあねーのか?』
『日本人っぽい顔のアバターだな?どうせならもうちっといいのがあっただろうによ!』
『やめとけよ、お前
もし噂が本当で、アイツがそのアバターなら……』
『でもよ、そしたらなんでこんなとこにいるんだ?噂が本当なら、もっと全然上の難易度のフィールドにいるだろうによ?』
『そんなの、俺が知る筈ないだろうが
ま、ホンモノだったら即スカウトするな俺達のギルドによ!』
『……んじゃあ、お前はホンモノじゃねぇって思ってたんだ!』
『おっと、バレちまったか?
いやいや、だってよ?アレはねぇだろうよ』
『ま、そーだな!俺もそう思うぜ!
よく考えてみりゃあ、今このゲームワールドで噂の“黒ノ剣士”サマだったらあんな筈ねぇよな!』
『だよな!今一番ノッテきてるらしいギルド“白銀核”の長であるファルガードよりも強いって話もあるもんだ!』
『ま、ファルガードより俺達のトコのギルド“円卓竜騎士”の長であらせられるライオハント様の方が強いしな!』


後のとある青年の記録本によると、ファルガードとライオハントのギルドはその後も高みを目指し誰にも手が出せない程の二大ギルドとなる。

そして、その二大ギルドから何度もスカウトを受けていたアバターこそが先程の彼等の話にあった“黒ノ剣士”であった。

ちなみにそのアバターのプレイヤーに実際にその通り名について尋ねると
「厨二病拗らせた人間がつけそうなよく有り気な通り名だね。ちなみに自分はそんな通り名認めていないから、非公式だから」

とのことだった
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