255 / 267
第二部 第八章
4 やきもち。
しおりを挟む
「…………」
佐知子はどうしたんだろう……と思いつつも、セロ経由でヨウが自分を恋愛の意味で好きでいるらしいことを思い出し、え? もしかして……やきもち? と思ったが、いやいやいや……と打消し、どうしていいかわからず静かに元の席に座りながら携帯器を置いた。
「…………」
三人の間に気まずい沈黙が流れる。
「あーあ! まったく! 女神様が他の男と少し仲良くなったからって、そんなにやきもち焼くなよ! めんどくさいなー!」
するとセロが両手を背後について顔を上に向けながら、大きな声でめんどくさそうに言う。
「……別に……そんなんじゃ……」
ヨウはまだ不機嫌さのある表情で視線を横に向けた。
「……ふーん……じゃあ俺がサッちゃんにこんなことしてもいいんだー!?」
セロは突然、横からぎゅっと佐知子を抱きしめた。
「!」
セロからはいつぞやの柑橘系のいい香りがした。
佐知子が突然のことに硬直していると、
「…………」
次の瞬間の、ヨウの物凄い目に、二人とも硬直した。
「わー! 怖い! 怖いよー!! 怖すぎだよ!!」
慌ててセロは佐知子から離れる。
「サッちゃん、こんな嫉妬深くて束縛しそうでちょっと病んでる男なんてやめときな?」
セロは聞こえるように佐知子に耳打ちする。
「違う!!」
ヨウは色々なことにストレスが許容量を越えたのか、下を向きながら珍しく大きな声で叫んだ。
「何が違うんだよ! お前、ほんと危ないからな? 少しサッちゃんのことに寛容になったほうがいいからな?」
「うるさい! 俺はもう行く!!」
「あ! 逃げるなよ!!」
「…………」
立ち上がり部屋を去って行こうとするヨウを追いかけるセロ、目の前の、いつもとは少し違う言い方とやり取りに佐知子は呆然としながらも、
「タカハシ様、カップをお持ち致しました」
この状況で冷静なファティマがやってきて、佐知子はファティマをまだ少し呆然としたままで見ながら、
「あ、ありがとう……」
と、つぶやくように言い、二人がバタバタと出ていきミンが静かに閉めた扉を、佐知子はしばらく見つめていた。
佐知子はどうしたんだろう……と思いつつも、セロ経由でヨウが自分を恋愛の意味で好きでいるらしいことを思い出し、え? もしかして……やきもち? と思ったが、いやいやいや……と打消し、どうしていいかわからず静かに元の席に座りながら携帯器を置いた。
「…………」
三人の間に気まずい沈黙が流れる。
「あーあ! まったく! 女神様が他の男と少し仲良くなったからって、そんなにやきもち焼くなよ! めんどくさいなー!」
するとセロが両手を背後について顔を上に向けながら、大きな声でめんどくさそうに言う。
「……別に……そんなんじゃ……」
ヨウはまだ不機嫌さのある表情で視線を横に向けた。
「……ふーん……じゃあ俺がサッちゃんにこんなことしてもいいんだー!?」
セロは突然、横からぎゅっと佐知子を抱きしめた。
「!」
セロからはいつぞやの柑橘系のいい香りがした。
佐知子が突然のことに硬直していると、
「…………」
次の瞬間の、ヨウの物凄い目に、二人とも硬直した。
「わー! 怖い! 怖いよー!! 怖すぎだよ!!」
慌ててセロは佐知子から離れる。
「サッちゃん、こんな嫉妬深くて束縛しそうでちょっと病んでる男なんてやめときな?」
セロは聞こえるように佐知子に耳打ちする。
「違う!!」
ヨウは色々なことにストレスが許容量を越えたのか、下を向きながら珍しく大きな声で叫んだ。
「何が違うんだよ! お前、ほんと危ないからな? 少しサッちゃんのことに寛容になったほうがいいからな?」
「うるさい! 俺はもう行く!!」
「あ! 逃げるなよ!!」
「…………」
立ち上がり部屋を去って行こうとするヨウを追いかけるセロ、目の前の、いつもとは少し違う言い方とやり取りに佐知子は呆然としながらも、
「タカハシ様、カップをお持ち致しました」
この状況で冷静なファティマがやってきて、佐知子はファティマをまだ少し呆然としたままで見ながら、
「あ、ありがとう……」
と、つぶやくように言い、二人がバタバタと出ていきミンが静かに閉めた扉を、佐知子はしばらく見つめていた。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜
京
恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。
右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。
そんな乙女ゲームのようなお話。
喪女なのに狼さんたちに溺愛されています
和泉
恋愛
もふもふの狼がイケメンなんて反則です!
聖女召喚の儀で異世界に呼ばれたのはOL・大学生・高校生の3人。
ズボンを履いていた大学生のヒナは男だと勘違いされ、説明もないまま城を追い出された。
森で怪我をした子供の狼と出会ったヒナは狼族の国へ。私は喪女なのに狼族の王太子、No.1ホストのような武官、真面目な文官が近づいてくるのはなぜ?
ヒナとつがいになりたい狼達の恋愛の行方は?聖女の力で国同士の争いは無くすことができるのか。
気がつけば異世界
蝋梅
恋愛
芹沢 ゆら(27)は、いつものように事務仕事を終え帰宅してみれば、母に小さい段ボールの箱を渡される。
それは、つい最近亡くなった骨董屋を営んでいた叔父からの品だった。
その段ボールから最後に取り出した小さなオルゴールの箱の中には指輪が1つ。やっと合う小指にはめてみたら、部屋にいたはずが円柱のてっぺんにいた。
これは現実なのだろうか?
私は、まだ事の重大さに気づいていなかった。
疎遠だった叔父の遺産が500億円分のビットコインだった件。使い道がないので、隣の部屋の塩対応な美少女に赤スパ投げまくってる件
月下花音
恋愛
貧乏大学生の成瀬翔は、疎遠だった叔父から500億円相当のビットコインが入ったUSBメモリを相続する。使い道に困った彼が目をつけたのは、ボロアパートの薄い壁の向こうから聞こえる「声」だった。隣人は、大学で「氷の令嬢」と呼ばれる塩対応な美少女・如月玲奈。しかしその正体は、同接15人の極貧底辺VTuber「ルナ・ナイトメア」だったのだ!
『今月ももやし生活だよぉ……ひもじい……』
壁越しに聞こえる悲痛な叫び。翔は決意する。この500億で、彼女を最強の配信者に育て上げようと。謎の大富豪アカウント『Apollo(アポロ)』として、5万円の赤スパを投げ、高級機材を即配し、彼女の生活を神の視点で「最適化」していく。しかし彼はまだ知らなかった。「金で買えるのは生活水準だけで、孤独は埋められない」ということに。500億を持った「見えない神様」が、神の座を捨てて、地上の女の子の手を握るまでの救済ラブコメディ。
残念女子高生、実は伝説の白猫族でした。
具なっしー
恋愛
高校2年生!葉山空が一妻多夫制の男女比が20:1の世界に召喚される話。そしてなんやかんやあって自分が伝説の存在だったことが判明して…て!そんなことしるかぁ!残念女子高生がイケメンに甘やかされながらマイペースにだらだら生きてついでに世界を救っちゃう話。シリアス嫌いです。
※表紙はAI画像です
男女比バグった世界で美女チート無双〜それでも私は冒険がしたい!〜
具なっしー
恋愛
日本で暮らしていた23歳喪女だった女の子が交通事故で死んで、神様にチートを貰い、獣人の世界に転生させられた!!気づいたらそこは森の中で体は15歳くらいの女の子だった!ステータスを開いてみるとなんと白鳥兎獣人という幻の種族で、白いふわふわのウサ耳と、神秘的な白鳥の羽が生えていた。そしてなんとなんと、そこは男女比が10:1の偏った世界で、一妻多夫が普通の世界!そんな世界で、せっかく転生したんだし、旅をする!と決意した主人公は絶世の美女で…だんだん彼女を囲う男達が増えていく話。
主人公は見た目に反してめちゃくちゃ強いand地球の知識があるのでチートしまくります。
みたいなはなし
※表紙はAIです
『異世界転生してカフェを開いたら、庭が王宮より人気になってしまいました』
ヤオサカ
恋愛
申し訳ありません、物語の内容を確認しているため、一部非公開にしています
この物語は完結しました。
前世では小さな庭付きカフェを営んでいた主人公。事故により命を落とし、気がつけば異世界の貧しい村に転生していた。
「何もないなら、自分で作ればいいじゃない」
そう言って始めたのは、イングリッシュガーデン風の庭とカフェづくり。花々に囲まれた癒しの空間は次第に評判を呼び、貴族や騎士まで足を運ぶように。
そんな中、無愛想な青年が何度も訪れるようになり――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる