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イラン
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イラン
中東の産油国。
イラン・イラク戦争で有名。
~*~*~
「お~い、みぱぱ」
「なんですか? また、海外ですか? 今度はどこですか?」
上司が「お~い」から始めると、どこかに行かされるの学んだみぱぱはすぐに場所を聞きます。
さすがに海外慣れしてきたみぱぱでした。
「今度はイランだ」
「ああ、新婚初夜のベッドにまいておく奴ですね」
「それはイランイランで、フィリピンやインドネシアの花だな。あれはすごく良い匂いで、香水にも使われる……ってそうじゃない。砂漠大好きイランだよ。もう、何を言わせるんだ!」
「え~そんなにイランイランしちゃイラ~ン」
上司に尻を蹴っ飛ばされて、イランへ向かうみぱぱでした。
今回の仕事は調査です。
装置の購入は決まっているのですが、設置など図面を描くために現地調査が必要になりました。
お隣、イラクの戦争が終結して、それほど経っておらず、イラン・イラク戦争でしかよく知らない国なので、飛行機の中でドキドキしながら、ぐっすり熟睡していました。まあ、現地にはお客さんの日本人スタッフもいるし、危険な場所には派遣しないという会社のスタンスがあるので、あまり気にしていませんでした。
飛行機から降りて、空港を出て、まず感じたのが砂。そしてすぐ近くに山が見えるのですが、緑がほとんど見られません。映画で見る火星のような雰囲気です。砂色の背の低い建物がおおく見られます。車で現場まで行く間、ずっとそのような風景でした。
みぱぱが行った場所はイランの中でも都会でないため、高い建物は特に見られないため、なんとなく一昔前の世界に迷い込んだ気持ちになりました。
みぱぱは現場に着くと、色黒でサングラスを付けたおじさんが出迎えてくれました。
「こんにちは、鈴木と申します」
「初めまして、みぱぱです。よろしくお願いします」
「中東は初めてですか?」
「いいえ、アブダビとサウジには行ったことがあります。ただ、イランは初めてです」
「そうですか。それではアルコールと豚肉は厳禁などの注意事項は大丈夫ですね」
「はい。それに今回は調査だけなので、長くいないので大丈夫です」
みぱぱはまず現場を見て、寸法をノートに記入していきます。
かなり大きな広場で使えるスペースも十分足りそうです。
サクサクとお仕事終了。
ホテルに向かうタクシーの中で、鈴木さんが話しかけてくれます。
「みぱぱさん、食事はホテルで取ってもらうんだけど、そのあと街に行ってみるかい?」
「行ってみたいです。買いたいお土産もあるので」
「アザンクロックです」
「アザンクロック? アザンの時計か~。聖鉄鎖騎士団の副団長の時計ってイランで売ってるかな?」
「いえいえ、ベルセルクの鉄棍鬼アザンじゃなくて、礼拝の合図のアザンですよ。目覚ましでコーランが流れる時計が売っていないですかね」
「そんな、時計あったかな? まあ、後で行って見ましょう」
そんな話をしながらタクシーはホテルに着きました。
ホテルの入口にはゲートがあり、係の人が出てきます。
係の人は鏡がついた長い棒で車の底を確認します。
そのあと、運転手は慣れた感じでトランクを開けて、係の人が確認します。
「みぱぱさん、バッグを開けてください」
みぱぱは車の中からバッグを開けて係の人に見せます。
そうしてやっとゲートの中に入ってホテルに到着。
「鈴木さん、さっきのは何だったんですか?」
「爆弾が仕掛けられていないか確認していたんだよ」
やっぱりここはイランです。
車の底に爆弾がセットされているなんて、スパイ映画でしか聞いたことがないみぱぱにはショックでした。
しかし、まあ、何の問題もなく、ホテルにチェックインして、食事をした後、街へ買い物に行きます。
街は湾の対岸にあります。
車でぐるっと湾を回って街に着きました。
街の市場はテントが多く並び、衣服やお皿などの小物、食べ物も多く売っています。
みぱぱは中東っぽい小物にも心を引かれますが、まずは時計を探します。
鈴木さんがお店の人に時計を置いているところがないか聞いてくれます。
そして時計が多くある店に行くとありました。
モスクの形をして、真ん中が時計になっています。
「これはアザンですか?」
「なに、アザンが欲しいのか? ちょっと待ってろ」
店のおじさんが、足下のかごをみぱぱに見せてくれます。
その中には白黒の蛇がいました。
「これは蛇じゃないですか?」
「そうだよ。欲しがってるのはセイブシシバナヘビのアザンだろう?」
「それはアザンティックでしょう。確かに日本では六百万円くらいする珍しい蛇ですが、そんなの日本に持ち込めませんよ。私が欲しいのはアザンクロックですよ」
「ああ、それならそれだよ。日本人だからそんな安物じゃなくて高価な物を探しているのかと思ったじゃないか」
みぱぱは目的の物を購入して帰ろうとして、ふと気がつきました。
ある物を手にしている人が多いのです。
それは毛布。
暖かいイメージのイランでなんで毛布をみんな買っているでしょうか?
みぱぱは鈴木さんに聞いてみます。
「こんなに暖かいのに毛布を買ってるんですね」
「ああ、乾燥地帯だから夜になると結構冷えるんだと。だからみんな寝るときは毛布ひとつで寝るから、結構売ってるみたいだね」
確かに砂漠の夜は寒かったです。住んでみないと分からないことは一杯あります。
さて、調査を終えたみぱぱは帰国しまして、上司と報告会です。
「それで、今回のお土産はなんだ?」
「今日、持ってくるのを忘れたので、写真だけでも先に見ますか?
みぱぱは携帯の写真を見せます。
「ひぇ! なんで、蛇がお土産なんだ!?」
「ああ、間違えました。こっちのアザンじゃなくて、こっちのアザンクロックです」
出発の時にお尻を蹴っ飛ばされたみぱぱは、蛇嫌いな上司に可愛い仕返しをしたのでした。
中東の産油国。
イラン・イラク戦争で有名。
~*~*~
「お~い、みぱぱ」
「なんですか? また、海外ですか? 今度はどこですか?」
上司が「お~い」から始めると、どこかに行かされるの学んだみぱぱはすぐに場所を聞きます。
さすがに海外慣れしてきたみぱぱでした。
「今度はイランだ」
「ああ、新婚初夜のベッドにまいておく奴ですね」
「それはイランイランで、フィリピンやインドネシアの花だな。あれはすごく良い匂いで、香水にも使われる……ってそうじゃない。砂漠大好きイランだよ。もう、何を言わせるんだ!」
「え~そんなにイランイランしちゃイラ~ン」
上司に尻を蹴っ飛ばされて、イランへ向かうみぱぱでした。
今回の仕事は調査です。
装置の購入は決まっているのですが、設置など図面を描くために現地調査が必要になりました。
お隣、イラクの戦争が終結して、それほど経っておらず、イラン・イラク戦争でしかよく知らない国なので、飛行機の中でドキドキしながら、ぐっすり熟睡していました。まあ、現地にはお客さんの日本人スタッフもいるし、危険な場所には派遣しないという会社のスタンスがあるので、あまり気にしていませんでした。
飛行機から降りて、空港を出て、まず感じたのが砂。そしてすぐ近くに山が見えるのですが、緑がほとんど見られません。映画で見る火星のような雰囲気です。砂色の背の低い建物がおおく見られます。車で現場まで行く間、ずっとそのような風景でした。
みぱぱが行った場所はイランの中でも都会でないため、高い建物は特に見られないため、なんとなく一昔前の世界に迷い込んだ気持ちになりました。
みぱぱは現場に着くと、色黒でサングラスを付けたおじさんが出迎えてくれました。
「こんにちは、鈴木と申します」
「初めまして、みぱぱです。よろしくお願いします」
「中東は初めてですか?」
「いいえ、アブダビとサウジには行ったことがあります。ただ、イランは初めてです」
「そうですか。それではアルコールと豚肉は厳禁などの注意事項は大丈夫ですね」
「はい。それに今回は調査だけなので、長くいないので大丈夫です」
みぱぱはまず現場を見て、寸法をノートに記入していきます。
かなり大きな広場で使えるスペースも十分足りそうです。
サクサクとお仕事終了。
ホテルに向かうタクシーの中で、鈴木さんが話しかけてくれます。
「みぱぱさん、食事はホテルで取ってもらうんだけど、そのあと街に行ってみるかい?」
「行ってみたいです。買いたいお土産もあるので」
「アザンクロックです」
「アザンクロック? アザンの時計か~。聖鉄鎖騎士団の副団長の時計ってイランで売ってるかな?」
「いえいえ、ベルセルクの鉄棍鬼アザンじゃなくて、礼拝の合図のアザンですよ。目覚ましでコーランが流れる時計が売っていないですかね」
「そんな、時計あったかな? まあ、後で行って見ましょう」
そんな話をしながらタクシーはホテルに着きました。
ホテルの入口にはゲートがあり、係の人が出てきます。
係の人は鏡がついた長い棒で車の底を確認します。
そのあと、運転手は慣れた感じでトランクを開けて、係の人が確認します。
「みぱぱさん、バッグを開けてください」
みぱぱは車の中からバッグを開けて係の人に見せます。
そうしてやっとゲートの中に入ってホテルに到着。
「鈴木さん、さっきのは何だったんですか?」
「爆弾が仕掛けられていないか確認していたんだよ」
やっぱりここはイランです。
車の底に爆弾がセットされているなんて、スパイ映画でしか聞いたことがないみぱぱにはショックでした。
しかし、まあ、何の問題もなく、ホテルにチェックインして、食事をした後、街へ買い物に行きます。
街は湾の対岸にあります。
車でぐるっと湾を回って街に着きました。
街の市場はテントが多く並び、衣服やお皿などの小物、食べ物も多く売っています。
みぱぱは中東っぽい小物にも心を引かれますが、まずは時計を探します。
鈴木さんがお店の人に時計を置いているところがないか聞いてくれます。
そして時計が多くある店に行くとありました。
モスクの形をして、真ん中が時計になっています。
「これはアザンですか?」
「なに、アザンが欲しいのか? ちょっと待ってろ」
店のおじさんが、足下のかごをみぱぱに見せてくれます。
その中には白黒の蛇がいました。
「これは蛇じゃないですか?」
「そうだよ。欲しがってるのはセイブシシバナヘビのアザンだろう?」
「それはアザンティックでしょう。確かに日本では六百万円くらいする珍しい蛇ですが、そんなの日本に持ち込めませんよ。私が欲しいのはアザンクロックですよ」
「ああ、それならそれだよ。日本人だからそんな安物じゃなくて高価な物を探しているのかと思ったじゃないか」
みぱぱは目的の物を購入して帰ろうとして、ふと気がつきました。
ある物を手にしている人が多いのです。
それは毛布。
暖かいイメージのイランでなんで毛布をみんな買っているでしょうか?
みぱぱは鈴木さんに聞いてみます。
「こんなに暖かいのに毛布を買ってるんですね」
「ああ、乾燥地帯だから夜になると結構冷えるんだと。だからみんな寝るときは毛布ひとつで寝るから、結構売ってるみたいだね」
確かに砂漠の夜は寒かったです。住んでみないと分からないことは一杯あります。
さて、調査を終えたみぱぱは帰国しまして、上司と報告会です。
「それで、今回のお土産はなんだ?」
「今日、持ってくるのを忘れたので、写真だけでも先に見ますか?
みぱぱは携帯の写真を見せます。
「ひぇ! なんで、蛇がお土産なんだ!?」
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出発の時にお尻を蹴っ飛ばされたみぱぱは、蛇嫌いな上司に可愛い仕返しをしたのでした。
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