【R18】元悪役令嬢の青春

やまだ

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戻ってきた元悪役令嬢

2



抱っこされてベッドにボスンとおろされる。
馬乗りになったダートが私の制服のボタンを一個ずつ外していく。

シーツを掴んで体を隠そうとしたけど、息を荒く吐いて熱に浮かされたような顔をしたダートに阻止された。

「、っ」

首筋を舐められてゾワっとする。

下着丸見えで、恥ずかしい。けど、ここでそんなこと言ったらさっき頑張ったの台無しだ。

ボタンを外し終わったダートの手が止まったので、起き上がって自分で下着を脱いだ。

「ディアナ」
「何も言わないで」

目が合わせられなくて、下を向く。うぅ、シーツを頭からかぶりたい。




ドキドキしながら固まってたら、しばらくしてダートから何の反応もないことに気付いた。
何も言わないでとは言ったけど、何かしてくれないとここから先どうしたらいいかわかんないんだけど。

チラッと上を向いたら、手を血塗れにして顔をおさえてるダートが居た。

「えっ?!何それ」

「し、刺激が強すぎて」

あわててタオルを手渡して、手の浄化をする。

「……鼻血」
「すんませんごめんなさい」

決死の覚悟で脱いだら鼻血出された。

ダートはタオルを顔に当てて上を向いて、そのまま目を合わさずゆっくり体を起こした。

「大丈夫?」

「大丈夫くない、心臓苦しい、これオレ死ぬ」

こっちだって恥ずかしくて心臓バクバクなってたんだけど。


「…っはー、とまったぽい。びっくりした」

こっちの台詞だわ、まさかの鼻血って。


ごろんとダートが仰向けになったので、上掛けを引っ張って寄せて起き上がる。

「なぁ、ディアナもーちょい色気抑えらんねぇ?」

「出来るわけないじゃんそんなこと。何よものすごく恥ずかしかったのに」

上掛けを口元まで引き上げて睨んだら、へにゃって笑ったダートがうつ伏せで真横ギリギリまで転がってきた。
背を向けてコソコソと上掛けの中で脱いだ服を着ていると、長いため息が聞こえた。顔出して見たらダートが両手で顔全体を覆ってる。

「あ~、無理。これはアレだな、慣らすために慣れないとダメだな。指南本の出番はまだ先だわ」

前準備の前準備?

「もーさー、オレディアナ教の狂信者だからさー、まずは女神から人間に降りてきてくんねぇと」

「へんな宗教つくんないでよ…どーすりゃいいの」

「死にそうなんないちゅーとデートからかな。学生らしく青春ぽいことしよーか」

「青春」

どんなのだ?毎回制服着て街歩きすればいーのかな。

「オレもお前も戦ってばっかだったもんなぁ…オレらが買うべきなのはセックスの指南本じゃなくてデートスポット特集だったんじゃね?また今度本屋いこ」

「ふ、清く正しいお付き合い?」

「正しいお付き合いはいーけど清いのは既に無理だろこの状況で。目標は濃厚で正しいお付き合いだな」

何だそれ。


ダートは服を着直した私に抱き付いて、ボソボソと喋りだす。

「今日はごめん…最初から最後まで」

「んー、まぁ、お互い様?私もごめん。自信はついた?」

「そんなすぐつかねぇけど…でも我慢する。あんま男の友達つくんないでね」

「アンタの中で私がどんだけ良い女に見えてるのか知らないけど、初見終わったらほとんどの男は遠巻きになるから心配いらないんだよ」

「その分残った男は厄介だ、オレみたいなストーカーみたいなんばっかだきっと」

「自分で言うなよ…あれ、今何時?学校終わった?」

結構な時間経ってる気がする。

「後1時間くらいで終わる。もー明日いこーぜ」

「初日から早退…いいのかなこれ」

「いんじゃね、どうにかなるだろ。まだ日が暮れるまで時間あるしどっかで鍛錬しねぇ?ちょっと落ち着きたいわ」

「暴れたい気分だから狩る方がいいなぁ」

めっちゃ恥ずかしかったから頭にまだ熱たまってる、スッキリして冷ましたい。


「んじゃ適当にいこ」

制服から着替えて、二人でいつものギルドへ転移した。



***



次の日教室に入ったら、一瞬空気が固まった。席に向かう途中わざとらしく目を逸らされてるのが分かって、ため息が出る。

「これさぁ、半分ダートのせいじゃん」

小さく呟くと、「わりぃ」とかって軽く謝られた。

遠巻きにされながら授業を受けてそのまま帰宅が数日続いたあと、お昼休みにやたら綺麗な女の子に声をかけられた。


「突然のお声掛け申し訳ありません、ノギーク連邦スルド国のコーデリアと申します。宿泊学習で同じ班になりましたのでご挨拶と、親睦を深めるためにも昼食をご一緒させていただけませんでしょうか」

びっくりしてダートと顔を見合わせる。

返事をする前に同じ席に食事を置いた彼女が椅子に腰掛けた。

「えっと」

「コーデリアですわ、ディー様とお呼びしても?」

めっちゃにこにこ距離詰めてくるな。

「スルド国…コーデリア第三王女」
「えっ、王女様」

「すごく小さな田舎の国です、王族なんて名ばかりですわ」

ダート、助けて。これ何て呼べばいいの?

「…皇国と比較したら公爵のちょっと下くらい、爵位持ってるお前のが上。つか一応学園内平等だから誰が相手でも何も問題ねぇ」

冷や汗を流す私に気付いたダートがこっそり教えてくれた。いつもの感じでいいのかな。


「コーデリアさん?えっと、よろしくお願いします」

「むぅ、呼び捨てにしていただきたかったのですけれど…まぁそれは追々ね。敬語はすぐに外して欲しいです」

お上品に食事しながらコーデリアさんがサラッと口にしたけど、追々呼び捨てさせられるのか。

「本当はもっと早くご挨拶したかったのだけど、しばらく風邪でお休みしていたので遅れてしまいました。あの日お二人が帰ったあと、すぐに元の班を抜けて同じ班が良いと希望しましたの」

「はぁ」

アレで引かなかったんだ。そんでもって全くダートの方見ないんだけど引き抜きかなんかかな?コレ。
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