【R18】元悪役令嬢の青春

やまだ

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戻ってきた元悪役令嬢

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そのままベッドの上でダラダラしてたら夕方になったので、明日の依頼をどうするか話し合いをしつつご飯を食べた。

食べ終わった後、ソファに座ってダートにも作ってもらった指輪を渡す。

「なにこれ?」

「えっとね、前に貰ったの嬉しかったから私もダートにあげたかった。石とかよくわかんないから店員さんのお勧めで、デザインは揃えてもらったんだ」

改まって渡すの照れるな。
でもダートはいつも笑顔と言葉で嬉しいを表してくれるから、私がしたことで喜んでもらえるなら色々頑張りたくなる。


「嬉しい、ありがと。つけて?」

両手を差し出されたので、左利きのダートの邪魔になりにくいよう私と反対の指に嵌めた。嵌めたあとゴツゴツしたでっかい手に自分の手を合わせて、お互いの指に嵌った指輪を合わせて見る。

「……その行動が死ぬほどかわいーんだけど」


合わせていた手を絡められて、上からダートが被さってきた。

「ごめん、キスだけさせて。いっぱい」

ギシ、とソファから少し軋んだ音が聞こえた。下ろした髪の中に指を入れられて、大きな手に頭と頬を覆われて、目の前が暗くなる。

何度も唇を食まれて、ドキドキしながら口を開く。


「っ」

上顎の方を舐められて、そのあと舌の下?裏側?を舐められて、びっくりして口を離してしまった。

「気持ち悪かった?」
「悪くはなかった…と思う」

「どっちのがい?」

言いながらもう一度上と下を舌で柔らかく往復された。

「気持ちいいとかはねぇ感じ?」

「うーん…上は何かゾワゾワきて、下はえろい感じだった」

「よくわからんな…オレにもしてみて?」

口を開けて待つダートに顔を近付けて、されたように下唇を口に含んだ。何度か場所を変えて食んでいると、肩に手を置かれてそのまま離された。

「っごめんギブ。これ以上危険、ディアナにしてもらうのまだまだ無理だわ。口ん中舐められたら暴発するかも」

そう言ってダートは私の唇を指で挟む。

「…予想以上にこれにクるもんがあったんだけど、ディアナはどう?何もねぇ?」

「いや、なんかこう…ぐあっと迫り上がるような」

ドキドキして、ふわふわして、この先にいきたくなるような。


「もーやめとこ、キスだけで終わんなくなるし。指輪ありがと、死ぬまで外さねぇ」

ダートは私のこめかみに一度だけキスをして、そのままソファから立ち上がった。

「今週寝不足だし、明日朝から体動かすし、寝るかぁー」

「一緒に寝れる?」


ダートの服の裾を掴んで、目を見ながらお願いする。

「……今日のディアナの可愛さ爆発してんの何なの?すげぇ嬉しいけど」

上目遣いで頼めばダートなんてイチコロよ!ってリアが言ってたので、効果あるかはわかんないけど使えるもんは使う。


一週間ほとんど一緒に居れなかったから、もうちょっと一緒に居たい。

そう言ったら抱き抱えられて、そのままベッドに連行された。眠いから大丈夫、ってことで向かい合って抱きしめられて、ダートの心臓の音を聞きながら、ゆっくりと目を閉じた。



***



夏休みに入って、溜まってためんどくさい依頼を片付けて行く。転入前に戻ったような日々。

たまの休みにダートと色んなところに出掛けるけど、夜のお勉強はあまり進展がない。私が体を震わせるたびすぐにダートが切り上げるから。



大体の依頼を片付けて、夏休みが終わる前に漁港リベンジを敢行して、前と同じ宿にお泊りの日。


「怖いわけじゃないんだけど」

またもあっさり途中でやめたダートが服を直そうとした時に声を掛けた。

「え?」

「前は確かにちょっと怖いって言ったけどさ、あれから言ってないのにすぐやめるじゃん」

「だって初回と同じよーにビクってなるから」

「それは多分ただの反応だと思うんだよね」

ダートの手や口で触れられると、自分の体温と全然違う熱さに一瞬体が驚く。


「怖くねぇの?」

「怖くないよ」

「……もうちょっとする?」

頷いて、半端にはだけていた服と下着を脱いだ。
じっと見られて恥ずかしい。


「毎回私だけじゃん、ダートも脱いで」
「え」

「上だけでいーから」

そう言ったら、渋々ではあるものの脱いでくれた。
野宿の時とかたまに見たことあったけど、こーゆー時に見ると全然違うんだな。自分と全然違う硬い体に抱きしめられて、いつもよりドキドキする。

「スベスベして気持ちいーね」

ダートの体温が私に移ってきてるような気がする。


手を絡められて、キスをされて、ドキドキしながら唇を食む。体もくっついてるからダートの心臓の脈動が伝わって、ダートもドキドキしてるんだろうなって分かると少し落ち着く。


「ここ、跡つけていい?キスマーク」

心臓の上らへんを指差されて頷いた。
舐められて、吸われてるのは分かるけど痛いとかはないもんなんだな。


「……なんか、すぐ消えそう」

胸元を見ると、起きたら消えてるだろうなって程度に赤みがかってるだけだった。

「これ跡ついてねぇよな。もっと強くしたら痛くね?」

「どうだろ、さっきのは全然痛くなかったけど」

「さっきの倍にしてもつきそうにない薄さじゃん。同じ所何回もすりゃいーんかな…わからん」
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