34 / 35
戻ってきた元悪役令嬢
25
しおりを挟むいっぱい溢れてくるからあんまり意味ないけど、ダートの涙を下から親指で拭いながら、気持ちが伝わる様に精一杯笑う。
「––––––じゃあ、ディアナはオレが死ぬまで幸せだ」
「そうね、長生きしてね?」
「死ねねぇな…ばーさんになったお前看取ってすぐオレもついてくわ」
「ふ、死んだ後もついてくるの?」
「当たり前、お前一人にしたら黄泉でも男が寄ってきそう」
私が居なくても生きてねって言わないといけないんだろうけど、言いたくない。どこまでもついてくるって言ってくれるダートがいい。
「オレはずっとディアナのだから、オレの全てはディアナのだから、要らなくなったらちゃんと処分してな」
泣き止まないダートの首に腕をまわして、抱き締める。
全身全部くっついて、離れてるところなんてない。
「ディアナ、そんなんされたらとまんね…こんなんちんこ突っ込んでやる話じゃねぇのに萎えないオレおそろし」
「要らなくなんてならない、私の全部もダートにあげる。」
ダートが両手を突っ張って、涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった顔で私を見つめる。
ダートの顔を拭きながら、ああこの全部見せてくれるダートに惚れたんだなぁって思った。
体ごとおりてきて、顔中にキスを贈られる。
唇と唇が触れたとき、私から口を開いて舌を絡めとった。
ダートは一瞬ビクッと肩を震わせたけど、そのままお互い絡ませ合う。飲み込めなかった唾液が合わせた口から溢れるのも気にならない。
何度も角度を変えて夢中でキスを交わしながら、少しずつダートが腰を動かしだす。
「––––––っ、痛くねぇ?」
「全然へーき」
流石に気持ちいいとかはないけど、馴染んだのか痛みはない。
「……オレだけ気持ちいーのはヤダな」
そう言いながらダートの手が下半身に伸びて、そのままいつもの様に敏感なところへ愛撫される。
「ぅあ…」
「やべ、締まった。やっぱ中だけで良くなんのなんかまだまだ先だよな…気持ちい?ディアナ」
ダートの指に擦られるところが熱い。ゆっくりした動きが熱さを倍増させる。
「ぁ、んっ、…あっ」
「あぁ、かわいー…好きディアナ。可愛い、ディアナ…オレのディアナ」
「ふぁ––––…っんん、っ!」
グリッて潰された瞬間にぶぁって鳥肌が立って、達したのに気付いたダートの抽送が少しだけ速くなる。
「は、んっ」
「ディアナ、ディアナ」
目を開けたら目の前にまた泣いてるダートの顔があって、二人で必死に唇を合わせる。
合間合間に私の名前だけを呼んで、瞬きする度に落ちてくる涙さえ愛おしい。
「–––––––っ、ふ」
強く突かれて押し付けられて、しばらく動きがとまったあとずるりと抜けていった。
ダートはそのまま倒れ込んできて、私の背中に手を回したと同時にぐるんと上下を入れ替える。
「ぅわ」
「っはぁ––––~、ごめんすっげ気持ちいかった、最後痛くねかった?」
「…そーゆー感想いらない。痛くなかった。」
「なんでよ、事後の甘いトークを展開しようぜ」
ぎゅうぎゅう抱きこまれて、ダートが私の胸に顔を埋める。
「あー、こんなエロくない気持ちでディアナの胸に挟まる日がくるとは」
「ダート子供みたい」
髪の毛に手を入れて梳かしながら撫でて、頭のてっぺんにキスをする。
「子供…うん、いつか子供ほしーな。ディアナ、オレの嫁になってくんね」
「えぇ?」
「全部くれんだろ。夫婦になってちっせぇ家で死ぬまで幸せに暮らすの」
また泣きそうな顔で下から覗き込まれて、キュンとくる。ダートでっかいから上目遣いとか超貴重。
「まだ早くない?学生なのに」
「早くねぇよ、そのへんの学生と違ってオレらちゃんと自分で稼いで生活してんじゃん。オレお前と会ってから家の金使ったことねぇわ、権力は使ったけど」
「あはは、権力は使ったんだ」
「どっかの勇者様が次から次に男引き寄せるからな~、使えるもん何でも使って牽制してたわ」
「そんなことしてたの?」
「オレと組んで複数回口説いてくるヤツ居なくなったろ?ぜーんぶオレの仕業だ」
そう言えばしつこいの居なかった気がする。
「ただでさえ望み薄だったのに選択肢増やしてたまるかってな。奇跡起きてからは尚更だし」
「ふぅん。でも学生で夫婦になっちゃったらもう青春じゃなくない?卒業してからでいいじゃん」
「……じゃあ、卒業前にちゃんとプロポーズするわ。それまでディアナ婚約者ね、第二の王子様現れても困るし」
婚約者ね。元婚約者との縁も流石に切れただろうし、いいかもしれない。
にまにま笑う私をとびきり優しい目で見つめるダートと目が合って、思いっきり抱きついた。
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております
紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。
二年後にはリリスと交代しなければならない。
そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。
普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…
悪役令嬢のビフォーアフター
すけさん
恋愛
婚約者に断罪され修道院に行く途中に山賊に襲われた悪役令嬢だが、何故か死ぬことはなく、気がつくと断罪から3年前の自分に逆行していた。
腹黒ヒロインと戦う逆行の転生悪役令嬢カナ!
とりあえずダイエットしなきゃ!
そんな中、
あれ?婚約者も何か昔と態度が違う気がするんだけど・・・
そんな私に新たに出会いが!!
婚約者さん何気に嫉妬してない?
包帯妻の素顔は。
サイコちゃん
恋愛
顔を包帯でぐるぐる巻きにした妻アデラインは夫ベイジルから離縁を突きつける手紙を受け取る。手柄を立てた夫は戦地で出会った聖女見習いのミアと結婚したいらしく、妻の悪評をでっち上げて離縁を突きつけたのだ。一方、アデラインは離縁を受け入れて、包帯を取って見せた。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる