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矜持
しおりを挟む勢いよく扉をあけて、そんままラナちゃんご一行の前まで行った。
「遅くなってごめん、ハランセレクトの服着たー。どうしたの?」
チラッと見る。
おお、ラナちゃん結構可愛いな。流石大体学校のヤツにイイなって言われた女。
「……遅かったね、おかえり。かわい」
「ちょっと着るのに手間取ってね。ねー可愛いよね私、めっちゃ似合う」
ラナちゃんたちの目線ガンガン感じる。好きなだけ見ろ、完璧だから。そんでさっさと帰れ。
「………うわ、可愛い。お姫様みたい」
「ハランくん、その人彼女?」
被せてきやがったなラナちゃん。
「………ちがう、けど」
「なぁんだ、ビックリしちゃった!でもハランくんでも可愛いとか言うんだね、初めて聞いたよ。わ~、本当に凄い美人さんだ!」
「ハランいっつも隙あらば可愛いぶっ込んでくるよね」
「うん、かわいい。凛全部かわいい」
ハラン、そこはラナちゃんも可愛いを要求されてんだよ。気付け。先に壊したの私だけど。
「なぁハラン、こんなお姫様みたいな可愛い子どっから連れてきたの?この辺で見たことないよな」
「ちょっとヴァン、失礼だよ。ねぇジーン」
「え、でもラナちゃん気にならない?ハランの知り合い?何ちゃん?はじめまして~ハランの友達のジーンです」
「………凛」
「何でハランが返事すんの。ども、はじめまして。凛です」
とりあえず挨拶しとく。
「俺らさっきみんなでお喋り出来る店に行こうって言ってたんだ。凛ちゃんも来ない?」
それさっきハラン断ってたやつだろ?
「行かないよー、デート中だし。てなわけでもう良いかな?ハラン、お腹へった。お昼食べたい」
「うん、いこ」
「え、ご飯ならみんなで行こうよ」
デートだっつってんじゃん。
「ハランくんの彼女じゃないんですよね?じゃあ良いじゃないですか、みんなでご飯いきませんか?ハランくんの昔のお話とか教えてあげたいです、学生時代みんなで遊んだりして楽しかったんですよ~」
いかないっての。ラナちゃんマウント下手くそだな、異世界だとこれで女の戦いを制せるの?
「んー、会ったばっかだから彼氏じゃないけど、彼氏候補だから?誘ってもらって悪いけどやっぱ二人で行くよ。ハラン、さっきみたいに手つないでこ」
「ゎ、うれしい、凛。かわいい。すき」
「ハラン凛ちゃんの彼氏候補なの?!どうやったの!それ、俺も入れてもらえません?結構尽くすよ」
「ジーン」
「だってこんな別次元に可愛い子見たことない!物言う花って初めて言うけど、凛ちゃんのためにある言葉みたいにピッタリだ」
「あはは、ありがと。候補二人もいらないからごめんねー。えーと、ジーンくんとヴァンくん、ラナちゃん?また会ったらお話しようね!」
ニコニコ手を振って逃げる。
あ、ラナちゃんとジーンくんが喧嘩してら。もうちょっと後でやれよ。
「マジ疲れた、お腹へったー。ガッツリ食べたい」
「ガッツリ…肉かな」
「肉いいね!いこいこ!」
***
お昼はステーキの店にした。
今日いっぱい歩いたし、帰りも歩くからガッツリでも平気だろう。ポテトサラダ追加しよっかな。
「ポテトサラダ追加してい?さっき、ラナちゃんめんどくさかったねー。ハラン絡まれてご愁傷様」
「ん、ならオレも食う。あいつらいつもあんな感じ。話したくない、けどジーンたちが一緒だから」
「ふーん、めんどいけど男利用して近寄ってくんのか。あの子ちょっとハラン狙い入ってたね」
まー、ハラン顔良いもんな。料理男子だし、中身も悪くないし。
「…利用」
「されてたじゃん。近寄る口実もだし、私モテるアピールとか」
「わかんなかった」
「あんたボーッとしてるもんね、まあ他のにチヤホヤされてたからいいんじゃん。チヤホヤ女ウザいからあんま近寄りたくないけど」
「…凛も、チヤホヤされるの好きって」
「そーね、チヤホヤされて生きてきたね。でも私あんな構ってチャンしないから」
そんなことしなくても勝手に構ってくる男が溢れてたからね。
「要求しないと取り巻きを維持出来ない女は大人しく解体しとけってゆーか。どうせそのうち内部崩壊だし」
「でも凛、結構オレに要求する」
「やって欲しいこと言ってるだけじゃん。あーゆー子はねぇ、『重い~』って言ってチラッチラすんの。さっきも太って服が~とか言ってたでしょ。私は持ってって言うし、買ってって言うし、おっぱいおっきいのなんか見るだけでわかる」
取り巻きとは一定の距離を保つべし。居なくなったって困んない相手なんだし。
「その気にさせるのは常に一人よ、期待させるとか馬鹿らしい。今日一人剥いでやったの感謝されてもいーくらい」
「……その気にさせるのは一人なの?」
「そーよ、私誠実なビッチなんだから。彼氏にするかはその先次第だけど同時進行で期待持たせたことなんか一度もないもん」
「いまは、オレ?」
「うん、とりあえずだけどハランだよ。他の男をその気にさせるのはハラン捨てたあと」
「そっか。捨てられないように、頑張る…」
今のままでずっと続きゃそれでいんだけどねー。
「はー、お腹いっぱい。ごちそうさま。靴見にいこっかー」
「家帰りたい。凛がかわいい」
「まだ下着も買ってないからダメ。ねー下着屋ハラン入る?」
ハランなら平気で入ってきそうだなー。
「……入口で待ってるから、はやく戻ってきて」
入らないのか。意外。
ホント疲れちゃったし、サクサク選んでサクサクかえろー。
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