19 / 21
第19話
しおりを挟む
近頃は寝付きが悪い日々が続いていたけど、昨日は勅使河原さんが隣にいてくれたお陰で幸せな気分でいつの間にか眠りに就いていた。
目が覚めた時にはなんだか美味そうな匂いがしていて、まさかと思いつつ起き上がってみたら、勅使河原さんはエプロン姿でキッチンに立っていた。
「おはよう」
「おはようございます」
「ご飯食べてかない?」
「食べたいです」
その誘いには思わず即答したけど、俺の知る限りでは勅使河原さんは自炊はしないはずだ。もしかしたら俺はまだ夢の中にいるんじゃないかと疑いたくなった。
「料理苦手って言ってませんでしたっけ」
「最近ちょっと練習してて。失敗したらごめんね」
「勅使河原さんが作ってくれた時点で俺の中ではもう百点満点です」
「あははっ、採点甘過ぎるよ」
勅使河原さんが俺のために手料理を振る舞ってくれるなんて、小躍りしたくなるくらい嬉しい。たとえ真っ黒焦げの料理を出されたとしても完食しようと決意した。
「もうちょっとでできるから歯磨きとかしててね」
「はい」
「あ、健太郎くんの服、洗濯しといたから」
「何から何までありがとうございます」
お言葉に甘えて洗面所で顔を洗った後、歯磨きしながらぼんやりと昨日のことを思い返していた。これは本当に現実なのかと未だに半信半疑でいる。
歯磨きと着替えを終えて戻った時にはもうテーブルの上に料理が並んでいた。さっき想像したような真っ黒焦げの料理はなかった。
「けんちん汁作ってみたんだ」
「具沢山で美味しそうです」
「あと焼いただけだけど、鮭と目玉焼き」
「最高ですね」
二人で「いただきます」と手を合わせたけど、勅使河原さんは料理に手を付けずに俺の方をじっと見ていた。
「味、大丈夫かな?」
窺うような表情が可愛いなと思いながら、けんちん汁を口にしてみる。料理初心者が作ったとは思えないくらい味に深みがあって驚いた。
「一生これでいいくらい美味しいです」
「そんなに褒められたら調子乗っちゃいそう」
「乗っちゃってください。絶対才能ありますよ」
「わー、ありがとう」
褒めちぎったら勅使河原さんは嬉しそうに笑って、ようやく食事を始めた。思い返せば誰かの手料理を食べるなんて久し振りで、なんだかほっとする。
「おばあちゃんにレシピ聞いたら目分量らしくてわかんなかったんだよね」
「このためにわざわざ聞いてくれたんですか」
「うん。お味噌とかお野菜とか色々送ってくれたの使ったんだけど、なんかこれじゃない感じしてて」
「おばあちゃんのけんちん汁どんだけ美味いんですか」
「もうちょっと研究しとくからまた食べに来てね」
「もちろんです」
勅使河原さんが本気を出したらそんじょそこらの店では太刀打ちできないくらいの料理ができるようになるかもしれない。
「ご馳走様でした」
「美味しそうに食べてくれてありがとう」
「こちらこそ、美味しいご飯をありがとうございました」
食器を片付けようとしたら「健太郎くんはゆっくりしててね」と言われてしまった。お茶まで淹れてもらって一服した後、勅使河原さんはおずおずとこう尋ねた。
「まだ時間大丈夫?」
「はい」
「よかったらちょっと勉強会しない?」
「それは是非」
そういえば先週は俺が逃げ帰ったせいで何もできていなかった。
「ステアは形になってきたことだし、今日はメジャーカップの使い方を練習しよっか」
「よろしくお願いします」
やっと次のステップに進めることを嬉しく思いながらキッチンに移動した。勅使河原さんは空き瓶に水を入れて、手本を見せながら説明してくれた。
「一連で言うと、ボトルのラベルがお客様に見えるように持って蓋を開けて、メジャーカップを水平に保ちつつお酒を注いで、液垂れしないようにボトルをちょっと捻るような感じで持ち上げつつ、メジャーカップを持ってる側の手首を返してグラスなりシェーカーなりに注いで、ボトルの蓋を閉めるっていう」
「数秒でそんな色々やってるんですね」
かなりゆっくり見せてもらっても頭がこんがらがって、勅使河原さんにもう一度一つ一つ丁寧に教えてもらってようやく理解できた。
「これをマスターしたらステアやビルドで作るカクテルはできるってことだから頑張ろうね」
「はいっ」
バーテンダーとしてのスタートラインが見えてきたと思うと気合いが入る。ただ、いざやってみると手が震えて全然上手く計量できなかった。まだまだ先は長そうだ。
「結構いい時間になっちゃったね。どうせなら晩ご飯も食べてく?」
「いや、そこまでお世話になるのはちょっと」
「遠慮しないでよ。もうちょっと一緒にいたいし……ダメ?」
「ダメなわけないです」
「わーい」
昨日からお世話になり過ぎて申し訳なかったけど、寂しそうな顔をされると帰りたくなくなって、結局夕飯までご馳走になってしまった。
そうこうしているうちに、あともう少しで勅使河原さんが家を出る時間になっていた。
「なんかもう、仕事行かずにずっと二人でいたいです」
すぐにまた会えるけど名残惜しくてそんなことを言ってみた。喜んでくれるかと思ったら、勅使河原さんの表情は暗くなった。
「健太郎くんは仕事嫌い?」
俺が伝えたかったのは後半の部分だったのに、前半のせいで余計な心配をさせてしまったらしい。
「そういう意味じゃなくて、この時間が終わらなきゃいいのにってことです」
「それは嬉しいな」
慌てて弁解したら朗らかに笑ってくれて安心した。
「できたら毎日会いたいくらいですよ」
重いかもしれないと思いつつ素直な気持ちを伝えると、勅使河原さんは笑みを深くしてこう言った。
「じゃあ、毎日一緒に晩ご飯食べる?」
「えっ、いいんですか」
「もちろん」
「休みの日も?」
「うん」
「めちゃくちゃ嬉しいです」
こんなに簡単に毎日会えることになるなんて思っていなくて舞い上がってしまった。
「あ、でも、来週の定休日は予定入っちゃってて」
「そうなんですね」
「ごめんね」
「いや、大丈夫です」
両手を合わせて謝られたから首を横に振った。予定がなんなのかは気になったけど、そこまで干渉するのはどうかと思って言葉を呑んだ。
「そろそろ行かなくちゃ」
「店まで送ります」
「ありがとう」
店は勅使河原さんの家と俺の家の間にあるし、どうせ通り道だなんて勅使河原さんもわかっているだろうに、無邪気に笑ってくれて本当に可愛い。
夢みたいな時間から現実に戻らないといけないのか。そんなことを考えながら勅使河原さんの家を出た。
「明日は俺がなんか作りますよ」
「ホントに?」
「食べたいものあったら教えてください」
「健太郎くんの得意料理、食べてみたいな」
勅使河原さんの頼みならなんでも作るつもりだったのに、予想外のリクエストだったから答えに迷った。
「得意っていうか、よく作るのは生姜焼きです」
「生姜焼き大好き」
「期待はしないでください」
今まで生姜焼きで失敗したことは一度もないけど、もしもに備えて二食分は食材を買っておこうと思った。
「また後でね」
「はい」
俺の出勤時間までは少し時間があるから、勅使河原さんと店の前で別れて一旦家に帰った。
昨日今日と幸せな時間を過ごした分、一人でいると反動で寂しくなってきて、じわじわと憂鬱が襲ってきた。
勅使河原さんといる時は目の前のことに必死で考える余裕もなかったけど、店長ともあんなことをしているのかと思うと耐えがたいものがある。
仮にまだだったとしてもいつかはするんだろうし、これまでは漠然としていたあれこれも今なら生々しく想像できて反吐が出そうになった。
あの日「店長のことも好きなままでいいから」なんて言ったけど、本音を言えば俺だけ見てほしい。そのためには相当頑張らないといけないことは確かだ。
思い悩んでいるうちに気付けば出勤時間が迫っていて、急いで身支度をして店に向かった。
仕事中は嫌でも勅使河原さんと店長のツーショットが視界に入るし、改めて見ても、やっぱり店長との方がお似合いだよなと思えてしまう。ドラマだったらきっと店長が主人公で俺は当て馬に違いない。
店長と比べたら至らないところだらけなのに、勅使河原さんは一体、俺のどこが好きで付き合ってくれているんだろう。
目が覚めた時にはなんだか美味そうな匂いがしていて、まさかと思いつつ起き上がってみたら、勅使河原さんはエプロン姿でキッチンに立っていた。
「おはよう」
「おはようございます」
「ご飯食べてかない?」
「食べたいです」
その誘いには思わず即答したけど、俺の知る限りでは勅使河原さんは自炊はしないはずだ。もしかしたら俺はまだ夢の中にいるんじゃないかと疑いたくなった。
「料理苦手って言ってませんでしたっけ」
「最近ちょっと練習してて。失敗したらごめんね」
「勅使河原さんが作ってくれた時点で俺の中ではもう百点満点です」
「あははっ、採点甘過ぎるよ」
勅使河原さんが俺のために手料理を振る舞ってくれるなんて、小躍りしたくなるくらい嬉しい。たとえ真っ黒焦げの料理を出されたとしても完食しようと決意した。
「もうちょっとでできるから歯磨きとかしててね」
「はい」
「あ、健太郎くんの服、洗濯しといたから」
「何から何までありがとうございます」
お言葉に甘えて洗面所で顔を洗った後、歯磨きしながらぼんやりと昨日のことを思い返していた。これは本当に現実なのかと未だに半信半疑でいる。
歯磨きと着替えを終えて戻った時にはもうテーブルの上に料理が並んでいた。さっき想像したような真っ黒焦げの料理はなかった。
「けんちん汁作ってみたんだ」
「具沢山で美味しそうです」
「あと焼いただけだけど、鮭と目玉焼き」
「最高ですね」
二人で「いただきます」と手を合わせたけど、勅使河原さんは料理に手を付けずに俺の方をじっと見ていた。
「味、大丈夫かな?」
窺うような表情が可愛いなと思いながら、けんちん汁を口にしてみる。料理初心者が作ったとは思えないくらい味に深みがあって驚いた。
「一生これでいいくらい美味しいです」
「そんなに褒められたら調子乗っちゃいそう」
「乗っちゃってください。絶対才能ありますよ」
「わー、ありがとう」
褒めちぎったら勅使河原さんは嬉しそうに笑って、ようやく食事を始めた。思い返せば誰かの手料理を食べるなんて久し振りで、なんだかほっとする。
「おばあちゃんにレシピ聞いたら目分量らしくてわかんなかったんだよね」
「このためにわざわざ聞いてくれたんですか」
「うん。お味噌とかお野菜とか色々送ってくれたの使ったんだけど、なんかこれじゃない感じしてて」
「おばあちゃんのけんちん汁どんだけ美味いんですか」
「もうちょっと研究しとくからまた食べに来てね」
「もちろんです」
勅使河原さんが本気を出したらそんじょそこらの店では太刀打ちできないくらいの料理ができるようになるかもしれない。
「ご馳走様でした」
「美味しそうに食べてくれてありがとう」
「こちらこそ、美味しいご飯をありがとうございました」
食器を片付けようとしたら「健太郎くんはゆっくりしててね」と言われてしまった。お茶まで淹れてもらって一服した後、勅使河原さんはおずおずとこう尋ねた。
「まだ時間大丈夫?」
「はい」
「よかったらちょっと勉強会しない?」
「それは是非」
そういえば先週は俺が逃げ帰ったせいで何もできていなかった。
「ステアは形になってきたことだし、今日はメジャーカップの使い方を練習しよっか」
「よろしくお願いします」
やっと次のステップに進めることを嬉しく思いながらキッチンに移動した。勅使河原さんは空き瓶に水を入れて、手本を見せながら説明してくれた。
「一連で言うと、ボトルのラベルがお客様に見えるように持って蓋を開けて、メジャーカップを水平に保ちつつお酒を注いで、液垂れしないようにボトルをちょっと捻るような感じで持ち上げつつ、メジャーカップを持ってる側の手首を返してグラスなりシェーカーなりに注いで、ボトルの蓋を閉めるっていう」
「数秒でそんな色々やってるんですね」
かなりゆっくり見せてもらっても頭がこんがらがって、勅使河原さんにもう一度一つ一つ丁寧に教えてもらってようやく理解できた。
「これをマスターしたらステアやビルドで作るカクテルはできるってことだから頑張ろうね」
「はいっ」
バーテンダーとしてのスタートラインが見えてきたと思うと気合いが入る。ただ、いざやってみると手が震えて全然上手く計量できなかった。まだまだ先は長そうだ。
「結構いい時間になっちゃったね。どうせなら晩ご飯も食べてく?」
「いや、そこまでお世話になるのはちょっと」
「遠慮しないでよ。もうちょっと一緒にいたいし……ダメ?」
「ダメなわけないです」
「わーい」
昨日からお世話になり過ぎて申し訳なかったけど、寂しそうな顔をされると帰りたくなくなって、結局夕飯までご馳走になってしまった。
そうこうしているうちに、あともう少しで勅使河原さんが家を出る時間になっていた。
「なんかもう、仕事行かずにずっと二人でいたいです」
すぐにまた会えるけど名残惜しくてそんなことを言ってみた。喜んでくれるかと思ったら、勅使河原さんの表情は暗くなった。
「健太郎くんは仕事嫌い?」
俺が伝えたかったのは後半の部分だったのに、前半のせいで余計な心配をさせてしまったらしい。
「そういう意味じゃなくて、この時間が終わらなきゃいいのにってことです」
「それは嬉しいな」
慌てて弁解したら朗らかに笑ってくれて安心した。
「できたら毎日会いたいくらいですよ」
重いかもしれないと思いつつ素直な気持ちを伝えると、勅使河原さんは笑みを深くしてこう言った。
「じゃあ、毎日一緒に晩ご飯食べる?」
「えっ、いいんですか」
「もちろん」
「休みの日も?」
「うん」
「めちゃくちゃ嬉しいです」
こんなに簡単に毎日会えることになるなんて思っていなくて舞い上がってしまった。
「あ、でも、来週の定休日は予定入っちゃってて」
「そうなんですね」
「ごめんね」
「いや、大丈夫です」
両手を合わせて謝られたから首を横に振った。予定がなんなのかは気になったけど、そこまで干渉するのはどうかと思って言葉を呑んだ。
「そろそろ行かなくちゃ」
「店まで送ります」
「ありがとう」
店は勅使河原さんの家と俺の家の間にあるし、どうせ通り道だなんて勅使河原さんもわかっているだろうに、無邪気に笑ってくれて本当に可愛い。
夢みたいな時間から現実に戻らないといけないのか。そんなことを考えながら勅使河原さんの家を出た。
「明日は俺がなんか作りますよ」
「ホントに?」
「食べたいものあったら教えてください」
「健太郎くんの得意料理、食べてみたいな」
勅使河原さんの頼みならなんでも作るつもりだったのに、予想外のリクエストだったから答えに迷った。
「得意っていうか、よく作るのは生姜焼きです」
「生姜焼き大好き」
「期待はしないでください」
今まで生姜焼きで失敗したことは一度もないけど、もしもに備えて二食分は食材を買っておこうと思った。
「また後でね」
「はい」
俺の出勤時間までは少し時間があるから、勅使河原さんと店の前で別れて一旦家に帰った。
昨日今日と幸せな時間を過ごした分、一人でいると反動で寂しくなってきて、じわじわと憂鬱が襲ってきた。
勅使河原さんといる時は目の前のことに必死で考える余裕もなかったけど、店長ともあんなことをしているのかと思うと耐えがたいものがある。
仮にまだだったとしてもいつかはするんだろうし、これまでは漠然としていたあれこれも今なら生々しく想像できて反吐が出そうになった。
あの日「店長のことも好きなままでいいから」なんて言ったけど、本音を言えば俺だけ見てほしい。そのためには相当頑張らないといけないことは確かだ。
思い悩んでいるうちに気付けば出勤時間が迫っていて、急いで身支度をして店に向かった。
仕事中は嫌でも勅使河原さんと店長のツーショットが視界に入るし、改めて見ても、やっぱり店長との方がお似合いだよなと思えてしまう。ドラマだったらきっと店長が主人公で俺は当て馬に違いない。
店長と比べたら至らないところだらけなのに、勅使河原さんは一体、俺のどこが好きで付き合ってくれているんだろう。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】トワイライト
古都まとい
BL
競泳のスポーツ推薦で大学へ入学したばかりの十束旭陽(とつかあさひ)は、入学前のある出来事をきっかけに自身の才能のなさを実感し、競泳の世界から身を引きたいと考えていた。
しかし進学のために一人暮らしをはじめたアパートで、旭陽は夜中に突然叫び出す奇妙な隣人、小野碧(おのみどり)と出会う。碧は旭陽の通う大学の三年生で、在学中に小説家としてデビューするも、二作目のオファーがない「売れない作家」だった。
「勝負をしよう、十束くん。僕が二作目を出すのが先か、君が競泳の大会で入賞するのが先か」
碧から気の乗らない勝負を持ちかけられた旭陽は、六月の大会に出た時点で部活を辞めようとするが――。
才能を呪い、すべてを諦めようとしている旭陽。天才の背中を追い続け、這いずり回る碧。
二人の青年が、夢と恋の先でなにかを見つける青春BL。
※この作品はフィクションです。実在の人物・団体は関係ありません。
完結|好きから一番遠いはずだった
七角@書籍化進行中!
BL
大学生の石田陽は、石ころみたいな自分に自信がない。酒の力を借りて恋愛のきっかけをつかもうと意気込む。
しかしサークル歴代最高イケメン・星川叶斗が邪魔してくる。恋愛なんて簡単そうなこの後輩、ずるいし、好きじゃない。
なのにあれこれ世話を焼かれる。いや利用されてるだけだ。恋愛相手として最も遠い後輩に、勘違いしない。
…はずだった。
イケメンモデルと新人マネージャーが結ばれるまでの話
タタミ
BL
新坂真澄…27歳。トップモデル。端正な顔立ちと抜群のスタイルでブレイク中。瀬戸のことが好きだが、隠している。
瀬戸幸人…24歳。マネージャー。最近新坂の担当になった社会人2年目。新坂に仲良くしてもらって懐いているが、好意には気付いていない。
笹川尚也…27歳。チーフマネージャー。新坂とは学生時代からの友人関係。新坂のことは大抵なんでも分かる。
染まらない花
煙々茸
BL
――六年前、突然兄弟が増えた。
その中で、四歳年上のあなたに恋をした。
戸籍上では兄だったとしても、
俺の中では赤の他人で、
好きになった人。
かわいくて、綺麗で、優しくて、
その辺にいる女より魅力的に映る。
どんなにライバルがいても、
あなたが他の色に染まることはない。
経理部の美人チーフは、イケメン新人営業に口説かれています――「凛さん、俺だけに甘くないですか?」年下の猛攻にツンデレ先輩が陥落寸前!
中岡 始
BL
社内一の“整いすぎた男”、阿波座凛(あわざりん)は経理部のチーフ。
無表情・無駄のない所作・隙のない資料――
完璧主義で知られる凛に、誰もが一歩距離を置いている。
けれど、新卒営業の谷町光だけは違った。
イケメン・人懐こい・書類はギリギリ不備、でも笑顔は無敵。
毎日のように経費精算の修正を理由に現れる彼は、
凛にだけ距離感がおかしい――そしてやたら甘い。
「また会えて嬉しいです。…書類ミスった甲斐ありました」
戸惑う凛をよそに、光の“攻略”は着実に進行中。
けれど凛は、自分だけに見せる光の視線に、
どこか“計算”を感じ始めていて……?
狙って懐くイケメン新人営業×こじらせツンデレ美人経理チーフ
業務上のやりとりから始まる、じわじわ甘くてときどき切ない“再計算不能”なオフィスラブ!
恋人ごっこはおしまい
秋臣
BL
「男同士で観たらヤっちゃうらしいよ」
そう言って大学の友達・曽川から渡されたDVD。
そんなことあるわけないと、俺と京佐は鼻で笑ってバカにしていたが、どうしてこうなった……俺は京佐を抱いていた。
それどころか嵌って抜け出せなくなった俺はどんどん拗らせいく。
ある日、そんな俺に京佐は予想外の提案をしてきた。
友達か、それ以上か、もしくは破綻か。二人が出した答えは……
悩み多き大学生同士の拗らせBL。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる