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第17話(R18)
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浮き足立った状態で一週間を過ごして、とうとう約束の日がやって来た。期待と不安でほとんど寝れなかったのに不思議と眠気は感じていない。
コンドームとローションだけ持っていくのもどうかと思って、飲み物や勅使河原さんが好きそうなお菓子も一緒に袋に入れた。
勅使河原さんから『今日、シャワー浴びてから来てね』とメッセージが届いていたから、過剰なくらい全身をくまなく洗ってから勅使河原さんの家に向かった。
「いらっしゃいませ」
「お邪魔します」
玄関を開けてくれた勅使河原さんはまさかのバスローブ姿で、本当にこれからエッチするのかと思えて息が詰まりそうになる。
「緊張してる?」
「めちゃくちゃしてます」
「取って食うわけじゃないから安心してよ」
笑いながら両手で頬をむにむにと揉まれて少しは肩の力が抜けたけど、はだけた胸元が気になって動悸が収まらない。脱がせるにはまだ早過ぎることくらいはわかる。
「手、洗おっか」
「あ、はい」
洗面台で手を洗おうとしたら、勅使河原さんは自分の手にハンドソープをつけて俺の手を洗い始めた。普段ならなんてことない動作なのに勅使河原さんの手だとゾクゾクする。
お互い何を言うでもなく手洗いを終えた後、二人でベッドに腰掛けた。
「一応、色々持ってきました」
「お気遣いありがとね」
とりあえず準備してきたものをサイドテーブルに置かせてもらったら、コンドームを見た勅使河原さんは目を丸くしていた。
「そんなにおっきいの?」
「えっと……まあ……」
「わー、すごいね」
嫌がられたり怖がられたりしないか心配だったから好意的に受け止めてもらえてほっとした。
「優しくしてくれる?」
「それはもう、はい」
いたずらっぽく問い掛けられてそう答えたけど、何から始めればいいかわからない。動けずにいたら勅使河原さんは優しくハグしてくれた。
「上手にしようと思わなくて大丈夫だからね」
「ありがとうございます」
風呂上がりだからか、勅使河原さんからはいつもに増していい匂いがしている。心拍数は上がっていく一方で、浅い呼吸しかできない。
「健太郎くんはどんなことしたい?」
耳元でそんな風に囁かれるともう頭が回らなくて「わかんないです」としか答えられなかった。
「キス、してみる?」
その提案にはかろうじて頷くことができた。今日までに調べてきたことなんてすっかり飛んでしまって、目を閉じた方がいいか迷っている間に唇が重なった。
初めてのキスはほんの束の間で、興奮よりも感動の方が遥かに大きかった。勝手に滲んできた涙を堪えていたら心配そうな顔をされてしまった。
「大丈夫? やだった?」
「そんなことないです」
嫌ではないと態度でも示したくて、今度は俺の方から口付けた。さっきはそんなことを感じる余裕もなかったけど、勅使河原さんの唇の柔らかさが心地いい。
触れるだけのキスを何度か繰り返した後、よくわからないなりに舌を入れてみたら勅使河原さんはそれに応じてくれた。
最初は不思議な感触だと思っていたのに段々気持ち良くなってきて、気付けば夢中で舌を絡め合っていた。
深いキスをしていると愛されていることを感じられて、興奮しているのに落ち着くような、ちぐはぐな感覚が渦巻いていた。
ずっとこうしていたいくらいだけど早く先に進みたくもある。一旦唇を離した途端、勅使河原さんのとろんとした表情が目に入って理性が飛びそうになった。
「あのっ、脱がせてもいいですか」
「もちろん」
一応許可を得てから腰紐を解いてみると、勅使河原さんの身体には無駄毛が一切なかったから驚いて凝視してしまった。
「そんなにじっくり見ないでよ」
「すみません」
照れた様子で注意されて、慌てて目を逸らしながら謝った。意外と初々しいリアクションに胸がキュンとする。
「健太郎くんも脱ご?」
勅使河原さんと違って何も手入れしていない自分の身体を晒すのは気が引けたけど、脱がしに掛かられたら抵抗するわけにもいかない。
「健太郎くんの、ホントにおっきいね。びっくりしちゃった」
そう言われてもどう答えたらいいかわからなくて照れ笑いしかできなかった。現段階でもういっぱいいっぱいなのに、これから一体どうなってしまうんだろう。
テンパっているくせにリードしたい気持ちはあるから、勅使河原さんを押し倒して覆い被さるような体勢になった。
「えっと……触ってもいいですか」
「健太郎くんの好きにしてくれていいよ」
いちいち許可を取るのもおかしいとわかっているのになんとなく聞いてしまう。
ローションを手に取って胸の突起に触れると、勅使河原さんの身体がピクッと反応した。指先でくるくる撫でていたら勅使河原さんの呼吸が徐々に荒くなっていって、次第に小さく声を漏らすようになった。
「はぁ……あ、んっ……」
「可愛い……大好きです」
「俺も大好きだよ」
勅使河原さんからそう言われて舞い上がって、また深いキスをした。気付いたら無意識に下半身を勅使河原さんに擦り付けてしまっていて、我に返って唇を離した。
「すみません」
「なんで謝るの?」
「なんか、あの、興奮し過ぎてわけわかんなくなってます」
「俺ももう、中、うずうずしちゃって……健太郎くんの、入れてほしいな」
「よっ、喜んで」
そんなことをねだられたら動揺して居酒屋みたいな返事をしてしまった。
股を開いてもらって露わになったそこを見ると、こんなところに本当に入れられるのかと疑わしく思えた。
どうにかネットに載っていた情報を呼び起こして、ローションを塗って入り口を揉みほぐしていく。
「指、入れてくれてもいいよ」
そう言われたから「はい」と応えて、ゆっくり指を差し込んで前立腺を探ってみた。他のところと感触が違うところを見つけて刺激していると、勅使河原さんは「んっ」と声を上げた。
「ここ、気持ちいいですか」
「うん」
俺の指で感じてくれているのが嬉しくて、そこを責めると勅使河原さんはさっきよりも激しく喘ぎ始めた。
「あっ、あっ、あっ……」
反応が可愛いから中ばかりいじってしまったけど、ちゃんと拡げないと入れられない。早く入れたい気持ちを抑えつつ、じっくりほぐしていった。
コンドームとローションだけ持っていくのもどうかと思って、飲み物や勅使河原さんが好きそうなお菓子も一緒に袋に入れた。
勅使河原さんから『今日、シャワー浴びてから来てね』とメッセージが届いていたから、過剰なくらい全身をくまなく洗ってから勅使河原さんの家に向かった。
「いらっしゃいませ」
「お邪魔します」
玄関を開けてくれた勅使河原さんはまさかのバスローブ姿で、本当にこれからエッチするのかと思えて息が詰まりそうになる。
「緊張してる?」
「めちゃくちゃしてます」
「取って食うわけじゃないから安心してよ」
笑いながら両手で頬をむにむにと揉まれて少しは肩の力が抜けたけど、はだけた胸元が気になって動悸が収まらない。脱がせるにはまだ早過ぎることくらいはわかる。
「手、洗おっか」
「あ、はい」
洗面台で手を洗おうとしたら、勅使河原さんは自分の手にハンドソープをつけて俺の手を洗い始めた。普段ならなんてことない動作なのに勅使河原さんの手だとゾクゾクする。
お互い何を言うでもなく手洗いを終えた後、二人でベッドに腰掛けた。
「一応、色々持ってきました」
「お気遣いありがとね」
とりあえず準備してきたものをサイドテーブルに置かせてもらったら、コンドームを見た勅使河原さんは目を丸くしていた。
「そんなにおっきいの?」
「えっと……まあ……」
「わー、すごいね」
嫌がられたり怖がられたりしないか心配だったから好意的に受け止めてもらえてほっとした。
「優しくしてくれる?」
「それはもう、はい」
いたずらっぽく問い掛けられてそう答えたけど、何から始めればいいかわからない。動けずにいたら勅使河原さんは優しくハグしてくれた。
「上手にしようと思わなくて大丈夫だからね」
「ありがとうございます」
風呂上がりだからか、勅使河原さんからはいつもに増していい匂いがしている。心拍数は上がっていく一方で、浅い呼吸しかできない。
「健太郎くんはどんなことしたい?」
耳元でそんな風に囁かれるともう頭が回らなくて「わかんないです」としか答えられなかった。
「キス、してみる?」
その提案にはかろうじて頷くことができた。今日までに調べてきたことなんてすっかり飛んでしまって、目を閉じた方がいいか迷っている間に唇が重なった。
初めてのキスはほんの束の間で、興奮よりも感動の方が遥かに大きかった。勝手に滲んできた涙を堪えていたら心配そうな顔をされてしまった。
「大丈夫? やだった?」
「そんなことないです」
嫌ではないと態度でも示したくて、今度は俺の方から口付けた。さっきはそんなことを感じる余裕もなかったけど、勅使河原さんの唇の柔らかさが心地いい。
触れるだけのキスを何度か繰り返した後、よくわからないなりに舌を入れてみたら勅使河原さんはそれに応じてくれた。
最初は不思議な感触だと思っていたのに段々気持ち良くなってきて、気付けば夢中で舌を絡め合っていた。
深いキスをしていると愛されていることを感じられて、興奮しているのに落ち着くような、ちぐはぐな感覚が渦巻いていた。
ずっとこうしていたいくらいだけど早く先に進みたくもある。一旦唇を離した途端、勅使河原さんのとろんとした表情が目に入って理性が飛びそうになった。
「あのっ、脱がせてもいいですか」
「もちろん」
一応許可を得てから腰紐を解いてみると、勅使河原さんの身体には無駄毛が一切なかったから驚いて凝視してしまった。
「そんなにじっくり見ないでよ」
「すみません」
照れた様子で注意されて、慌てて目を逸らしながら謝った。意外と初々しいリアクションに胸がキュンとする。
「健太郎くんも脱ご?」
勅使河原さんと違って何も手入れしていない自分の身体を晒すのは気が引けたけど、脱がしに掛かられたら抵抗するわけにもいかない。
「健太郎くんの、ホントにおっきいね。びっくりしちゃった」
そう言われてもどう答えたらいいかわからなくて照れ笑いしかできなかった。現段階でもういっぱいいっぱいなのに、これから一体どうなってしまうんだろう。
テンパっているくせにリードしたい気持ちはあるから、勅使河原さんを押し倒して覆い被さるような体勢になった。
「えっと……触ってもいいですか」
「健太郎くんの好きにしてくれていいよ」
いちいち許可を取るのもおかしいとわかっているのになんとなく聞いてしまう。
ローションを手に取って胸の突起に触れると、勅使河原さんの身体がピクッと反応した。指先でくるくる撫でていたら勅使河原さんの呼吸が徐々に荒くなっていって、次第に小さく声を漏らすようになった。
「はぁ……あ、んっ……」
「可愛い……大好きです」
「俺も大好きだよ」
勅使河原さんからそう言われて舞い上がって、また深いキスをした。気付いたら無意識に下半身を勅使河原さんに擦り付けてしまっていて、我に返って唇を離した。
「すみません」
「なんで謝るの?」
「なんか、あの、興奮し過ぎてわけわかんなくなってます」
「俺ももう、中、うずうずしちゃって……健太郎くんの、入れてほしいな」
「よっ、喜んで」
そんなことをねだられたら動揺して居酒屋みたいな返事をしてしまった。
股を開いてもらって露わになったそこを見ると、こんなところに本当に入れられるのかと疑わしく思えた。
どうにかネットに載っていた情報を呼び起こして、ローションを塗って入り口を揉みほぐしていく。
「指、入れてくれてもいいよ」
そう言われたから「はい」と応えて、ゆっくり指を差し込んで前立腺を探ってみた。他のところと感触が違うところを見つけて刺激していると、勅使河原さんは「んっ」と声を上げた。
「ここ、気持ちいいですか」
「うん」
俺の指で感じてくれているのが嬉しくて、そこを責めると勅使河原さんはさっきよりも激しく喘ぎ始めた。
「あっ、あっ、あっ……」
反応が可愛いから中ばかりいじってしまったけど、ちゃんと拡げないと入れられない。早く入れたい気持ちを抑えつつ、じっくりほぐしていった。
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