28 / 32
白豹の泣き言
しおりを挟む
甘くて美味(うま)そうな匂いだと、最初はそう思った。
それが俺の忍耐と痩せ我慢の始まりだった。
「エタン!髪やってー!」
「……あぁ、ほら座れ」
元気に俺の戻にやってきたクリスはキラキラと輝く蜂蜜色の瞳を俺に向けていた。
風呂上がりの甘やかな少女の香りだ。
そう自覚すると途端に酷い喉の渇きを覚えた。
けれど気にするなと言い聞かせ俺の胡座をかいた膝の中でちょこんと座るクリスの頭を無心で布で拭き、風魔法で水分を飛ばしクシで髪を梳いてやる。
「気持ちいい~」
少し甘える様に俺の中で力を抜いてこちらを時折見上げてくる少女を見ていると息が乱れ息苦しさを感じた。
サラサラと肩下で揺れる金の髪は触れれば触れるほどいい匂いが漂ってくる。
この匂いを、もっとクリスの匂いを嗅ぎたい。
そんな欲求が膨らみ、俺は自分のそんな気持ちに驚き自分の腕に攻撃を加えどうにかクリスから離れた。
「ありがとう~うわぁ、しっとりサラサラだ!」
信じ難い事に俺は欲情していた。目の前の、まだ子供の柔い肌をした少女に。
「エタン、お酒に酔ったの?」
俺の顔が欲に濡れ赤くなっていたのだろう。
「ああ、そうかもしれない。でも、大丈夫だ。」
幼さを残すクリスの反応に張り詰めた想いがふわりと慈しむ様な想いに変化したのがわかって、俺は安堵する。
そうだ。クリスはまだまだ幼い少女だ。確かにいい匂いだったが俺は幼い少女を抱きたいなどと思う様な趣向は持ち合わせていない。
そんはずは無い。
これは気の迷いだ。
なのに…日々、クリスから香る甘い匂いが濃くなってくる。俺の中でどうしようも無いほどの熱が溜まっていく。
「ありがとう~女将さん!どうしたらいいか分からなくて。すごく助かります!」
朝起きるとクリスがいなかった。
胸がざわめき俺は慌ててクリスの匂いを辿った。そうして見つけたクリスは宿の女将に手を合わせて不思議な体勢で礼を言っていた。
初めは「なんだ?」と疑問に思った。クリスが人を頼るのは珍しかったから。
けれど、俺は直ぐに今のクリスの状態を察する事が出来た。
獣の嗅覚故か。クリスは一応大人の女性になったらしい。あんなに幼げな彼女が大人の仲間入りをしたのか。獣人の性交渉はメスに初潮が来たらやる。だが、幼い少女をそんな目で見るなんて野蛮だ。ありえない。彼女をそんな目で…
クリスは獣人だ。狐の匂いがする。
いい匂いが、甘くていい匂いが俺を誘っている。
紙袋を手にした女の匂いを纏うクリスがこちらに気が付きサッと頬を染めた。そして少し恥ずかしそうに俺を見ている。
息が苦しい。何かをやらかしそうで強く拳を握りしめ耐える。
しかし心を落ち着けたくて深く吸い込むと頭が酩酊する様にぐらりと世界が揺れた。
薄く開いた唇は果実の様だ。きっと舐めたら甘いのだろう。そんな考えが頭を占める。
潤んで見える瞳から目が離せなかった。
「私だってもう大人の仲間入りなんだぞ!」
なんて言って逃げていった。その後ろ姿を見て呆然とした。
ならばもう喰っても良いはずだ。
クリスが欲しい。
「ダメだ」俺は慌てて脳内で叫んでいた。
俺は今何を考えていた。ありえないだろう。俺はクリスの兄だ。
子供を、妹の様なクリスを抱きたいなんておかしいだろ。
「俺は変態ではない」
なのに心の中をあの甘い匂いが俺を嘲笑う様に蹂躙する。
クリスが他のオスを見ただけで魔力が漏れる。クリスが攻撃されたのを見た瞬間理性が消えて全力で魔獣を攻撃していた。
クリスが他のオスに撫でられただけで怒りと焦りに狂いそうだった。
このままだと不味い。
「エタン」
俺の名を呼ぶクリスが薄く舌を見せて俺を誘ってくる。
まるで自分を俺に捧げる様に、ベッドに座って俺を見ている。
緊張した面持ちにクリスが自分の欲をもしかしたら知ってしまったのかと焦った。
その小さな唇がまるで俺を誘惑する様に俺を誘ってくる。
無理をするな。まだお前は子供だ。
そう言っている俺がクリスを単なる女として、メスとして、見ていると気づきもせず。
抗い難い程に甘く、俺を呼んだクリスの唇を気付けば自分の唇で塞いでいた。
口付けたクリスの唇は想像以上に甘く俺はあっさりと理性を手放してしまった。
クリスが小さな唇を塞がれて苦しげに口を開いた。その隙を逃さず口内を蹂躙した。飢えを満たす様に、貪る様に口付けた。
─────────
案の定飲んでいたマッシモさんを見つけた俺は彼の隣に無言で座った。
「どうしたんだ?お前。こんな時間にクリス君のそばを離れるなんて珍しいじゃねぇか………って、お前その耳。」
目を白黒したマッシモさんが立ち上がった。
「ついに幻の種族が覚醒かぁ~。って事は、、はっはぁ~ん、ついに発情期に入ったのか。いや、入っただけならこうはならないな。魔力が盛れすぎだ。…って事は、、番か…」
おーい!こいつにさっさと酒やってくれ!とマッシモさんのドデカい声が酒場に響く。
項垂れて酒場のカウンターにゴスっと突っ伏すると既に少し離れたカウンター席で飲んでいたイチイさんが少し目を見開いて寄ってきた。他にもメンバーの姿が見えるが一様に青ざめてこちらを見ない。
「クリスを襲った。口付けだけでなんとか離れられたが。次は抵抗されても無理やり抱いてしまいそうだ。……クリスは、まだ子供だ。まだあいつはガキだ。抱いたり出来るはず無いのに」
俺がそう泣き言を言ってでっかいため息を吐くと、隣りにどっかりと座ったマッシモさんと、イチイさんがニヤリと笑った。
「悩める青年よ。仕方ねぇから俺が一杯奢ってやるよ」
「エタンさんもこんな事で悩むんだな」
失礼なイチイさんをじろりと睨むと彼は両手を顔の横に上げて降参する様に「すいません。俺が悪かった!でも悪気はねぇんだ」と言った。
「やっぱり番だったんだろ?クリス君が。まぁ、アレだ。覚醒した瞬間、番を襲うのはよくあるパターンだな。あとは番だと気付かないまま襲って覚醒ってパターンも。お前がそうなったのは獣の本能と悲しき性ってヤツだよ。」
なんだそれは。
「番に出会ったオスは獣の本能が強く働くんだってさ。
俺はまだ番なんかには出会ってないからわかんねぇげど。
番のメスとヤル事しか考えられなくなるらしい。ヤったら次は番を抱き潰して他のオスから隔離する様に監禁だって聞くし。猛獣種ってのは皆そんなもんらしいぜ?」
イチイさんが眠そうな顔で他人事の様にそう言ったが、あんたも猛獣種だろが!と言ってやりたい。
イタチの魔獣だ、幻獣だ、聖獣だと一時騒がれていた幻の上位種である鎌鼬のイチイさん。
なんでこの人こんなに眠そうなんだって感じだが、実際に戦いの場に立つと圧倒される強者のオーラを纏っていた。
「まぁ、クリス君は綺麗だしエタンが焦るのも無理ねぇけど。それにしてもよく我慢したな!」
「…大嫌いだと言われたんだ。」
「………あー、それは、まぁ、なぁ?いきなり襲われたお子ちゃまのクリス君が怒り任せに言った言葉だろ?」
「………生きて行けない。」
「んー、じゃ、ちとクリスちゃんが育って自分で判断できるまで離れるとか?」
「そのつもりだ。」
俺はクリスから離れるべきだろう。だが。
「いくつか気がかりな事がある。離れるとしたらそれを片付けてからだ。」
クリスが住むこの地を阻もうとする不安の種を。
クリスが追われる事の無いように。あの腐った軍を。
クリスの幸せに影を落とす不安要素全てを。
一掃しなければならない。
それが俺の忍耐と痩せ我慢の始まりだった。
「エタン!髪やってー!」
「……あぁ、ほら座れ」
元気に俺の戻にやってきたクリスはキラキラと輝く蜂蜜色の瞳を俺に向けていた。
風呂上がりの甘やかな少女の香りだ。
そう自覚すると途端に酷い喉の渇きを覚えた。
けれど気にするなと言い聞かせ俺の胡座をかいた膝の中でちょこんと座るクリスの頭を無心で布で拭き、風魔法で水分を飛ばしクシで髪を梳いてやる。
「気持ちいい~」
少し甘える様に俺の中で力を抜いてこちらを時折見上げてくる少女を見ていると息が乱れ息苦しさを感じた。
サラサラと肩下で揺れる金の髪は触れれば触れるほどいい匂いが漂ってくる。
この匂いを、もっとクリスの匂いを嗅ぎたい。
そんな欲求が膨らみ、俺は自分のそんな気持ちに驚き自分の腕に攻撃を加えどうにかクリスから離れた。
「ありがとう~うわぁ、しっとりサラサラだ!」
信じ難い事に俺は欲情していた。目の前の、まだ子供の柔い肌をした少女に。
「エタン、お酒に酔ったの?」
俺の顔が欲に濡れ赤くなっていたのだろう。
「ああ、そうかもしれない。でも、大丈夫だ。」
幼さを残すクリスの反応に張り詰めた想いがふわりと慈しむ様な想いに変化したのがわかって、俺は安堵する。
そうだ。クリスはまだまだ幼い少女だ。確かにいい匂いだったが俺は幼い少女を抱きたいなどと思う様な趣向は持ち合わせていない。
そんはずは無い。
これは気の迷いだ。
なのに…日々、クリスから香る甘い匂いが濃くなってくる。俺の中でどうしようも無いほどの熱が溜まっていく。
「ありがとう~女将さん!どうしたらいいか分からなくて。すごく助かります!」
朝起きるとクリスがいなかった。
胸がざわめき俺は慌ててクリスの匂いを辿った。そうして見つけたクリスは宿の女将に手を合わせて不思議な体勢で礼を言っていた。
初めは「なんだ?」と疑問に思った。クリスが人を頼るのは珍しかったから。
けれど、俺は直ぐに今のクリスの状態を察する事が出来た。
獣の嗅覚故か。クリスは一応大人の女性になったらしい。あんなに幼げな彼女が大人の仲間入りをしたのか。獣人の性交渉はメスに初潮が来たらやる。だが、幼い少女をそんな目で見るなんて野蛮だ。ありえない。彼女をそんな目で…
クリスは獣人だ。狐の匂いがする。
いい匂いが、甘くていい匂いが俺を誘っている。
紙袋を手にした女の匂いを纏うクリスがこちらに気が付きサッと頬を染めた。そして少し恥ずかしそうに俺を見ている。
息が苦しい。何かをやらかしそうで強く拳を握りしめ耐える。
しかし心を落ち着けたくて深く吸い込むと頭が酩酊する様にぐらりと世界が揺れた。
薄く開いた唇は果実の様だ。きっと舐めたら甘いのだろう。そんな考えが頭を占める。
潤んで見える瞳から目が離せなかった。
「私だってもう大人の仲間入りなんだぞ!」
なんて言って逃げていった。その後ろ姿を見て呆然とした。
ならばもう喰っても良いはずだ。
クリスが欲しい。
「ダメだ」俺は慌てて脳内で叫んでいた。
俺は今何を考えていた。ありえないだろう。俺はクリスの兄だ。
子供を、妹の様なクリスを抱きたいなんておかしいだろ。
「俺は変態ではない」
なのに心の中をあの甘い匂いが俺を嘲笑う様に蹂躙する。
クリスが他のオスを見ただけで魔力が漏れる。クリスが攻撃されたのを見た瞬間理性が消えて全力で魔獣を攻撃していた。
クリスが他のオスに撫でられただけで怒りと焦りに狂いそうだった。
このままだと不味い。
「エタン」
俺の名を呼ぶクリスが薄く舌を見せて俺を誘ってくる。
まるで自分を俺に捧げる様に、ベッドに座って俺を見ている。
緊張した面持ちにクリスが自分の欲をもしかしたら知ってしまったのかと焦った。
その小さな唇がまるで俺を誘惑する様に俺を誘ってくる。
無理をするな。まだお前は子供だ。
そう言っている俺がクリスを単なる女として、メスとして、見ていると気づきもせず。
抗い難い程に甘く、俺を呼んだクリスの唇を気付けば自分の唇で塞いでいた。
口付けたクリスの唇は想像以上に甘く俺はあっさりと理性を手放してしまった。
クリスが小さな唇を塞がれて苦しげに口を開いた。その隙を逃さず口内を蹂躙した。飢えを満たす様に、貪る様に口付けた。
─────────
案の定飲んでいたマッシモさんを見つけた俺は彼の隣に無言で座った。
「どうしたんだ?お前。こんな時間にクリス君のそばを離れるなんて珍しいじゃねぇか………って、お前その耳。」
目を白黒したマッシモさんが立ち上がった。
「ついに幻の種族が覚醒かぁ~。って事は、、はっはぁ~ん、ついに発情期に入ったのか。いや、入っただけならこうはならないな。魔力が盛れすぎだ。…って事は、、番か…」
おーい!こいつにさっさと酒やってくれ!とマッシモさんのドデカい声が酒場に響く。
項垂れて酒場のカウンターにゴスっと突っ伏すると既に少し離れたカウンター席で飲んでいたイチイさんが少し目を見開いて寄ってきた。他にもメンバーの姿が見えるが一様に青ざめてこちらを見ない。
「クリスを襲った。口付けだけでなんとか離れられたが。次は抵抗されても無理やり抱いてしまいそうだ。……クリスは、まだ子供だ。まだあいつはガキだ。抱いたり出来るはず無いのに」
俺がそう泣き言を言ってでっかいため息を吐くと、隣りにどっかりと座ったマッシモさんと、イチイさんがニヤリと笑った。
「悩める青年よ。仕方ねぇから俺が一杯奢ってやるよ」
「エタンさんもこんな事で悩むんだな」
失礼なイチイさんをじろりと睨むと彼は両手を顔の横に上げて降参する様に「すいません。俺が悪かった!でも悪気はねぇんだ」と言った。
「やっぱり番だったんだろ?クリス君が。まぁ、アレだ。覚醒した瞬間、番を襲うのはよくあるパターンだな。あとは番だと気付かないまま襲って覚醒ってパターンも。お前がそうなったのは獣の本能と悲しき性ってヤツだよ。」
なんだそれは。
「番に出会ったオスは獣の本能が強く働くんだってさ。
俺はまだ番なんかには出会ってないからわかんねぇげど。
番のメスとヤル事しか考えられなくなるらしい。ヤったら次は番を抱き潰して他のオスから隔離する様に監禁だって聞くし。猛獣種ってのは皆そんなもんらしいぜ?」
イチイさんが眠そうな顔で他人事の様にそう言ったが、あんたも猛獣種だろが!と言ってやりたい。
イタチの魔獣だ、幻獣だ、聖獣だと一時騒がれていた幻の上位種である鎌鼬のイチイさん。
なんでこの人こんなに眠そうなんだって感じだが、実際に戦いの場に立つと圧倒される強者のオーラを纏っていた。
「まぁ、クリス君は綺麗だしエタンが焦るのも無理ねぇけど。それにしてもよく我慢したな!」
「…大嫌いだと言われたんだ。」
「………あー、それは、まぁ、なぁ?いきなり襲われたお子ちゃまのクリス君が怒り任せに言った言葉だろ?」
「………生きて行けない。」
「んー、じゃ、ちとクリスちゃんが育って自分で判断できるまで離れるとか?」
「そのつもりだ。」
俺はクリスから離れるべきだろう。だが。
「いくつか気がかりな事がある。離れるとしたらそれを片付けてからだ。」
クリスが住むこの地を阻もうとする不安の種を。
クリスが追われる事の無いように。あの腐った軍を。
クリスの幸せに影を落とす不安要素全てを。
一掃しなければならない。
20
あなたにおすすめの小説
身代わりで呪いの公爵に嫁ぎましたが、聖女の力で浄化したら離縁どころか国一番の溺愛妻になりました〜実家が泣きついてももう遅い〜
しょくぱん
恋愛
「お前のような無能は、死神の生贄にでもなっていろ」
魔力なしの無能と蔑まれ、家族に虐げられてきた伯爵令嬢レティシア。 彼女に命じられたのは、近づく者すべてを病ませるという『呪いの公爵』アレクシスへの身代わり結婚だった。
鉄格子の馬車で運ばれ、たどり着いたのは瘴気に満ちた死の城。 恐ろしい怪物のような男に殺される――。 そう覚悟していたレティシアだったが、目の前の光景に絶望よりも先に別の感情が湧き上がる。
(な、何これ……汚すぎるわ! 雑巾とブラシはどこ!?)
実は、彼女が「無能」と言われていたのは、その力が『洗浄』と『浄化』に特化した特殊な聖女の魔力だったから。
レティシアが掃除をすれば、呪いの瘴気は消え去り、枯れた大地には花が咲き、不気味だった公爵城はまたたく間にピカピカの聖域に塗り替えられていく。 さらには、呪いで苦しんでいたアレクシスの素顔は、見惚れるほどの美青年で――。
「レティシア、君は一体何者なんだ……? 体が、こんなに軽いのは初めてだ」
冷酷だったはずの公爵様から、まさかの執着と溺愛。 さらには、呪いが解けたことで領地は国一番の豊かさを取り戻していく。
一方で、レティシアを捨てた実家は、彼女の『浄化』を失ったことで災厄に見舞われ、今さら「戻ってきてくれ」と泣きついてくるが……。
「私は今、お城の掃除と旦那様のお世話で忙しいんです。お引き取りくださいませ」
これは、掃除を愛する薄幸令嬢が、その愛と魔力で死神公爵を救い、最高に幸せな居場所を手に入れるまでのお話。
虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました
たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
【完結】番(つがい)でした ~美しき竜人の王様の元を去った番の私が、再び彼に囚われるまでのお話~
tea
恋愛
かつて私を妻として番として乞い願ってくれたのは、宝石の様に美しい青い目をし冒険者に扮した、美しき竜人の王様でした。
番に選ばれたものの、一度は辛くて彼の元を去ったレーアが、番であるエーヴェルトラーシュと再び結ばれるまでのお話です。
ヒーローは普段穏やかですが、スイッチ入るとややドS。
そして安定のヤンデレさん☆
ちょっぴり切ない、でもちょっとした剣と魔法の冒険ありの(私とヒロイン的には)ハッピーエンド(執着心むき出しのヒーローに囚われてしまったので、見ようによってはメリバ?)のお話です。
別サイトに公開済の小説を編集し直して掲載しています。
【完結】2番目の番とどうぞお幸せに〜聖女は竜人に溺愛される〜
雨香
恋愛
★新作ホットランキングありがとうございます!
眷属神の花嫁〜四当主の花嫁争奪譚〜をどうぞよろしくお願いします!
美しく優しい狼獣人の彼に自分とは違うもう一人の番が現れる。
彼と同じ獣人である彼女は、自ら身を引くと言う。
自ら身を引くと言ってくれた2番目の番に心を砕く狼の彼。
「辛い選択をさせてしまった彼女の最後の願いを叶えてやりたい。彼女は、私との思い出が欲しいそうだ」
異世界に召喚されて狼獣人の番になった主人公の溺愛逆ハーレム風話です。
異世界激甘溺愛ばなしをお楽しみいただければ。
二度目の子育て~我が子を可愛がったら溺愛されました
三園 七詩
恋愛
私は一人娘の優里亜の母親だった。
優里亜は幼い頃から体が弱く病院でほとんどの時間を過ごしていた。
優里亜は本が好きでよく私にも本の話をしてくれた。
そんな優里亜の病状が悪化して幼くして亡くなってしまう。
絶望に打ちひしがれている時事件に巻き込まれ私も命を落とした。
そして気がつくと娘の優里亜が大好きだった本の世界に入り込んでいた。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
【完結】転生したら悪役継母でした
入魚ひえん@発売中◆巻き戻り冤罪令嬢◆
恋愛
聖女を優先する夫に避けられていたアルージュ。
その夜、夫が初めて寝室にやってきて命じたのは「聖女の隠し子を匿え」という理不尽なものだった。
しかも隠し子は、夫と同じ髪の色。
絶望するアルージュはよろめいて鏡にぶつかり、前世に読んだウェブ小説の悪妻に転生していることを思い出す。
記憶を取り戻すと、七年間も苦しんだ夫への愛は綺麗さっぱり消えた。
夫に奪われていたもの、不正の事実を着々と精算していく。
◆愛されない悪妻が前世を思い出して転身したら、可愛い継子や最強の旦那様ができて、転生前の知識でスイーツやグルメ、家電を再現していく、異世界転生ファンタジー!◆
*旧題:転生したら悪妻でした
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる