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ボス戦
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グワァァァァ!
「来るぞ!」
不気味な咆哮をあげ頭と体内にある核、魔石を青白く光らせた岩の悪魔がグワッと口を開けて攻撃魔法を放つ。
巨大な岩の悪魔と俺達の後ろにいた冒険者達方向へと青白い色の攻撃魔法が撃ち込まれた。
足を踏み入れた直後だったがなんとか防御魔法を構える。
「光のシールド!!」
「風のシールド!!」
防御率を上げる為の重ねがけ。
これを破るのは容易ではないはずだ。
だが、シールドなど意に返さない程あっさりと岩の悪魔の攻撃魔法は貫通して行った。
なぜだと俺は魔力をセーブするのを諦めヤツを鑑定する。
しまった!!
「土の壁!!」
焦りを滲ませた俺の声にマッシモさんが構える。
ロックゴーレムの属性は火だ。
ならばその最終進化体である岩の悪魔も同じ属性だと思っていた。だが、実際は氷と炎の二属性になる様だ。
俺の出した土の壁を見たマッシモさんがもう一つの属性を理解し、その結果マッシモさんが構えたとなれば出てくる魔法は火属性の魔法だろう。
「火舞」
マッシモさんが冒険者達へ手を翳した。
岩の悪魔が撃ち込んだ魔法は氷魔法だ。
水属性の上位、その為俺は弱点属性の土魔法で壁を作った。その事に直ぐに気付いた事に流石、養成所の教官だななんて感心した。
ピキンと音を立てて周辺が冒険者達を巻き込み足元から凍結していく。
逃げ惑う冒険者達が絶望の表情でマッシモさんが放った火の魔法を見ている。
「……氷漬けの後は火炙りかよー!」
か細い声にマッシモさんが呆れた顔で両手を下ろした。
「怪我はねぇか?」
「…………?あ、あれ?」
「魔物相手じゃねぇんだから手加減するに決まってるだろ」
なぜ自分達は燃えてないのかと言いたげにマッシモさんを見る冒険者達だったが、あの悪魔に再度狙われない様にと各々シールドを張っている。
だが、それはもう必要ない。
『無敵』スキルを使い岩の悪魔からの攻撃を全て無効にし走る。
素早く走り岩の悪魔の目前に躍り出た。
シールドを張る為に俺は盾を地に付け、ここに着くまで、ひたすら、ために溜めた込んだ魔力を盾へと流し入れた。
たちまち盾は眩く輝き出す。神聖なる護りを発動する様に。
その光に岩の悪魔が反応し、グワァァァァ!とまたもや不気味な咆哮を上げた。
だが、まだだ。
「『盾に眠りし光の神獣よ。神聖なる護りを我らに与えん』」
通常ならただ魔力を流しながら意志と思考を固めるだけで発動する神聖なるシールドだが、この神武器シリーズには神が宿した神獣が眠っている。
神獣に呼びかけ、更に言葉を乗せ明確なイメージを思い浮かべる事で、神武器の力を極限まで出し切ることが出来る。
グングンと魔力が持っていかれる。だが俺の魔力量はまだまだこれしきではどうと言うことも無い。
「必ず全て消してやる」
溢れる瘴気と岩の悪魔から、俺が知る人間の魔力が微かに感じられた。
あのクズ達に騙され、更には悪魔に食わせる餌にする為に、ここに来てこの世を去ったあの少年を思い浮かべ……俺は拳を握りしめた。
獣人だと判明した見習いの少年兵と気晴らし部隊と呼ばれる隊の数人が生きた状態で餌をばら撒く運び屋としてこのダンジョンに連れてこられている。
この国の獣人を攫い、殺した挙句肉片にし禁忌の術をかけた禍々しい餌を。
少年兵達にはこの大仕事が終わったら自由と金を与えると言って従わせた。
しかし、彼らは最高の餌になる様に禁忌の魔法を得意とする大佐によって何重にも禍々しい禁忌の術をかけられ魔物や魔獣が彼等を殺した瞬間に術が完成する様に仕掛けを施していたのだ。
魔物や魔獣を『狂暴化』させる為だけに無残に殺された彼等の姿を、残留思念を通し、あの時見た瞬間から、俺は彼等の死によって『狂暴化』した魔物達を全て消しさろうと決めていた。
その為にこの盾の真の力を解放する。
グン、と盾から透明なシールドが現れる。
「おら、ぼーっとしてんな!今のうちにやるぞ!」
「あっ、ああ」
「マッシモの癖に偉そー!!でもそうだね!いっちょやるか!!」
余りにも強固なシールドに呆然とする冒険者達がマッシモさんに叱責されつつ青い顔で前に出る。
「やるか」
俺は今使える持てるスキルを全て使った。
『狂戦士、狂化、怪力、カリスマ』
俺の自力を底上げする狂戦士と狂化、怪力。
参戦者を統率し仲間全てを強化するカリスマ。
「よっしゃ、さっさと終わらせようぜ」
イチイさんと二人、岩の悪魔に向き直るとその岩の悪魔の頭部を見た。
急所はあの核だ。しかしその前にあの猛威を振るう両腕を無力化しなければ。
あの岩の悪魔が『狂暴化』したその引き金は奴隷少年だ。
岩の悪魔が喰らったのは運び屋としてこのダンジョンにやって来た奴隷少年の肉だなんて、そんな事はクリスには言えなかった。
言えばクリスは自分の心の歪みを直視する事になる。
人の生き死にに無関心な歪な自分をクリスは嫌悪している節がある。
俺には隠しているのかも知れないが、クリスはあの孤児院にいた時の自分を嫌っている。
人が死んでも無関心に生きていた自分を。
けれどどうやら軍に来てからは人の生き死にに反応する様になって来たらしい。
だからこそ。クリスは今苦しんでいる。だからこそ。あいつは俺を受け入れ無いと、そう感じた。
クリスを守ると勝手に決めてクリスがなぜ軍に来たのか。クリスが軍に来るまでどんな生活を送っていたのか。
クリスから距離を置いた今、勝手に調べた俺をあいつは軽蔑するだろう。
それでも、今は調べて良かったと思っている。
クリスのことを探る内に気付いた。クリスに対してのみ、大佐はならず者を大勢雇い追っ手を差し向けていた事に。
大佐なら確かに今は追い詰められた状態で手持ちの駒もどんどん失っている。
クリス程の暗殺術を身に付けた者は彼にとって手放し難い手駒だったはずだ。
だから奴は生け捕りにし連れてこいと追っ手を放ったのだろう。
あの軍事施設内で起こった事はだいたいわかった。後はあいつが弱音を吐き出せる男に、俺がなればいい。
俺がクリスの過去を全て調べたとわかれば、きっとあいつは俺から逃げるだろう。
襲わない様に少しだけ距離は置くが
だけど決して諦めたりはしない。
「雷白地陣」
雷の渦巻く魔法陣が岩の悪魔を捕らえた。身動き出来ない様にした岩の悪魔に向かい一斉攻撃を仕掛ける。
「ちょうど間に合ったな。」
洞窟の分岐からたくさんの騎士達が現れその後ろには更に冒険者達の姿も見えた。
「合図をしたら左の腕を狙ってアドンは炎の魔法を、残りの者たちは持てる最上級の魔法を撃ち込んでくれ!!」
マッシモさんの声にアドンさんが頷き副官を見た。後方のもの達にも伝えろと言うと副官がそれぞれの最上級の魔法やその際の立ち位置を指示しながら素早く知らせて行く。
「構えー!撃てー!!」
マッシモさんの腹に力を入れたおおきな声が響く。
一斉攻撃が開始された。
俺、マッシモさん、イチイさんがそれぞれの最上級の魔法を合わせて岩の悪魔の右腕に向かって攻撃を撃ち込む。
「『黄金の矢』」
「炎舞」
「嵐神の狂刃」
嵐神の狂刃により威力が底上げされた黄金の矢を追う様に炎の攻撃が飛んで行く。
轟音が地を震わせる。岩の悪魔の右腕は木っ端微塵に砕け散る。けれど時間が経てば再生される。ここからは時間との勝負だ。
岩の悪魔の関節に打ち込めと指示しながら副官のライナードが魔法を操作し基軸の軌道を確定する。
この基軸にアドンさんの放った炎の魔法や、その威力を格段に上げる風魔法が一斉に撃ち込まれた。
次第に亀裂がはいり岩の悪魔が逃れようと藻掻く様に魔法攻撃を放つ。
しかし神聖なる護りを破ることは出来ず攻撃の一部を反射された事により岩の悪魔が後退した。
「左腕だ!狙え!」
それを逃がさず副官が叫ぶ。
数度それを繰り返した。
岩の悪魔はなぜ自分の攻撃が消えてしまうのか分からなかったのだろう。神聖なるシールドを魔物がその目で捉える事など不可能だ。
岩の悪魔からの攻撃はまるで当たることなく左腕が吹き飛ばされ、岩の悪魔はとうとう両腕を無くした。
「見えているか?貴様らの狙いは外れた。残るは破滅のみだ。」
魔法の水晶をアイテムボックスから取り出した俺は魔力を流し、もう一つの水晶にこの場の状況が良く見える場所に水晶を据えると高く高く手を翳した。
「これで全て、終わりだ。クズ共」
「来るぞ!」
不気味な咆哮をあげ頭と体内にある核、魔石を青白く光らせた岩の悪魔がグワッと口を開けて攻撃魔法を放つ。
巨大な岩の悪魔と俺達の後ろにいた冒険者達方向へと青白い色の攻撃魔法が撃ち込まれた。
足を踏み入れた直後だったがなんとか防御魔法を構える。
「光のシールド!!」
「風のシールド!!」
防御率を上げる為の重ねがけ。
これを破るのは容易ではないはずだ。
だが、シールドなど意に返さない程あっさりと岩の悪魔の攻撃魔法は貫通して行った。
なぜだと俺は魔力をセーブするのを諦めヤツを鑑定する。
しまった!!
「土の壁!!」
焦りを滲ませた俺の声にマッシモさんが構える。
ロックゴーレムの属性は火だ。
ならばその最終進化体である岩の悪魔も同じ属性だと思っていた。だが、実際は氷と炎の二属性になる様だ。
俺の出した土の壁を見たマッシモさんがもう一つの属性を理解し、その結果マッシモさんが構えたとなれば出てくる魔法は火属性の魔法だろう。
「火舞」
マッシモさんが冒険者達へ手を翳した。
岩の悪魔が撃ち込んだ魔法は氷魔法だ。
水属性の上位、その為俺は弱点属性の土魔法で壁を作った。その事に直ぐに気付いた事に流石、養成所の教官だななんて感心した。
ピキンと音を立てて周辺が冒険者達を巻き込み足元から凍結していく。
逃げ惑う冒険者達が絶望の表情でマッシモさんが放った火の魔法を見ている。
「……氷漬けの後は火炙りかよー!」
か細い声にマッシモさんが呆れた顔で両手を下ろした。
「怪我はねぇか?」
「…………?あ、あれ?」
「魔物相手じゃねぇんだから手加減するに決まってるだろ」
なぜ自分達は燃えてないのかと言いたげにマッシモさんを見る冒険者達だったが、あの悪魔に再度狙われない様にと各々シールドを張っている。
だが、それはもう必要ない。
『無敵』スキルを使い岩の悪魔からの攻撃を全て無効にし走る。
素早く走り岩の悪魔の目前に躍り出た。
シールドを張る為に俺は盾を地に付け、ここに着くまで、ひたすら、ために溜めた込んだ魔力を盾へと流し入れた。
たちまち盾は眩く輝き出す。神聖なる護りを発動する様に。
その光に岩の悪魔が反応し、グワァァァァ!とまたもや不気味な咆哮を上げた。
だが、まだだ。
「『盾に眠りし光の神獣よ。神聖なる護りを我らに与えん』」
通常ならただ魔力を流しながら意志と思考を固めるだけで発動する神聖なるシールドだが、この神武器シリーズには神が宿した神獣が眠っている。
神獣に呼びかけ、更に言葉を乗せ明確なイメージを思い浮かべる事で、神武器の力を極限まで出し切ることが出来る。
グングンと魔力が持っていかれる。だが俺の魔力量はまだまだこれしきではどうと言うことも無い。
「必ず全て消してやる」
溢れる瘴気と岩の悪魔から、俺が知る人間の魔力が微かに感じられた。
あのクズ達に騙され、更には悪魔に食わせる餌にする為に、ここに来てこの世を去ったあの少年を思い浮かべ……俺は拳を握りしめた。
獣人だと判明した見習いの少年兵と気晴らし部隊と呼ばれる隊の数人が生きた状態で餌をばら撒く運び屋としてこのダンジョンに連れてこられている。
この国の獣人を攫い、殺した挙句肉片にし禁忌の術をかけた禍々しい餌を。
少年兵達にはこの大仕事が終わったら自由と金を与えると言って従わせた。
しかし、彼らは最高の餌になる様に禁忌の魔法を得意とする大佐によって何重にも禍々しい禁忌の術をかけられ魔物や魔獣が彼等を殺した瞬間に術が完成する様に仕掛けを施していたのだ。
魔物や魔獣を『狂暴化』させる為だけに無残に殺された彼等の姿を、残留思念を通し、あの時見た瞬間から、俺は彼等の死によって『狂暴化』した魔物達を全て消しさろうと決めていた。
その為にこの盾の真の力を解放する。
グン、と盾から透明なシールドが現れる。
「おら、ぼーっとしてんな!今のうちにやるぞ!」
「あっ、ああ」
「マッシモの癖に偉そー!!でもそうだね!いっちょやるか!!」
余りにも強固なシールドに呆然とする冒険者達がマッシモさんに叱責されつつ青い顔で前に出る。
「やるか」
俺は今使える持てるスキルを全て使った。
『狂戦士、狂化、怪力、カリスマ』
俺の自力を底上げする狂戦士と狂化、怪力。
参戦者を統率し仲間全てを強化するカリスマ。
「よっしゃ、さっさと終わらせようぜ」
イチイさんと二人、岩の悪魔に向き直るとその岩の悪魔の頭部を見た。
急所はあの核だ。しかしその前にあの猛威を振るう両腕を無力化しなければ。
あの岩の悪魔が『狂暴化』したその引き金は奴隷少年だ。
岩の悪魔が喰らったのは運び屋としてこのダンジョンにやって来た奴隷少年の肉だなんて、そんな事はクリスには言えなかった。
言えばクリスは自分の心の歪みを直視する事になる。
人の生き死にに無関心な歪な自分をクリスは嫌悪している節がある。
俺には隠しているのかも知れないが、クリスはあの孤児院にいた時の自分を嫌っている。
人が死んでも無関心に生きていた自分を。
けれどどうやら軍に来てからは人の生き死にに反応する様になって来たらしい。
だからこそ。クリスは今苦しんでいる。だからこそ。あいつは俺を受け入れ無いと、そう感じた。
クリスを守ると勝手に決めてクリスがなぜ軍に来たのか。クリスが軍に来るまでどんな生活を送っていたのか。
クリスから距離を置いた今、勝手に調べた俺をあいつは軽蔑するだろう。
それでも、今は調べて良かったと思っている。
クリスのことを探る内に気付いた。クリスに対してのみ、大佐はならず者を大勢雇い追っ手を差し向けていた事に。
大佐なら確かに今は追い詰められた状態で手持ちの駒もどんどん失っている。
クリス程の暗殺術を身に付けた者は彼にとって手放し難い手駒だったはずだ。
だから奴は生け捕りにし連れてこいと追っ手を放ったのだろう。
あの軍事施設内で起こった事はだいたいわかった。後はあいつが弱音を吐き出せる男に、俺がなればいい。
俺がクリスの過去を全て調べたとわかれば、きっとあいつは俺から逃げるだろう。
襲わない様に少しだけ距離は置くが
だけど決して諦めたりはしない。
「雷白地陣」
雷の渦巻く魔法陣が岩の悪魔を捕らえた。身動き出来ない様にした岩の悪魔に向かい一斉攻撃を仕掛ける。
「ちょうど間に合ったな。」
洞窟の分岐からたくさんの騎士達が現れその後ろには更に冒険者達の姿も見えた。
「合図をしたら左の腕を狙ってアドンは炎の魔法を、残りの者たちは持てる最上級の魔法を撃ち込んでくれ!!」
マッシモさんの声にアドンさんが頷き副官を見た。後方のもの達にも伝えろと言うと副官がそれぞれの最上級の魔法やその際の立ち位置を指示しながら素早く知らせて行く。
「構えー!撃てー!!」
マッシモさんの腹に力を入れたおおきな声が響く。
一斉攻撃が開始された。
俺、マッシモさん、イチイさんがそれぞれの最上級の魔法を合わせて岩の悪魔の右腕に向かって攻撃を撃ち込む。
「『黄金の矢』」
「炎舞」
「嵐神の狂刃」
嵐神の狂刃により威力が底上げされた黄金の矢を追う様に炎の攻撃が飛んで行く。
轟音が地を震わせる。岩の悪魔の右腕は木っ端微塵に砕け散る。けれど時間が経てば再生される。ここからは時間との勝負だ。
岩の悪魔の関節に打ち込めと指示しながら副官のライナードが魔法を操作し基軸の軌道を確定する。
この基軸にアドンさんの放った炎の魔法や、その威力を格段に上げる風魔法が一斉に撃ち込まれた。
次第に亀裂がはいり岩の悪魔が逃れようと藻掻く様に魔法攻撃を放つ。
しかし神聖なる護りを破ることは出来ず攻撃の一部を反射された事により岩の悪魔が後退した。
「左腕だ!狙え!」
それを逃がさず副官が叫ぶ。
数度それを繰り返した。
岩の悪魔はなぜ自分の攻撃が消えてしまうのか分からなかったのだろう。神聖なるシールドを魔物がその目で捉える事など不可能だ。
岩の悪魔からの攻撃はまるで当たることなく左腕が吹き飛ばされ、岩の悪魔はとうとう両腕を無くした。
「見えているか?貴様らの狙いは外れた。残るは破滅のみだ。」
魔法の水晶をアイテムボックスから取り出した俺は魔力を流し、もう一つの水晶にこの場の状況が良く見える場所に水晶を据えると高く高く手を翳した。
「これで全て、終わりだ。クズ共」
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