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はじまりの歌5
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女神様のお使いと呼ばれる白虎を召喚したステファノはその場であっさりと契約してしまった。
契約の証である小さな金の輪っかが浮かぶ、それは光の閃光となって、白虎の左耳に向かった。光が収まると白虎の左耳に金の輪っかがぶら下がっていた。
「ステファノ様ぁー!キャァー!凄いですわ!」
「きゃぁ、もう、どうしましょう!」
なにがどうしましょうなのか、よく分からないが周囲のご令嬢方の黄色声と興奮した騎士達の声援が凄くてなんだか怖い。
第一騎士団の隊長であるステファノは総団長に頭をぐりぐりもみくちゃにされている。
お兄様は遅れてやってきた魔術師団の団長に嬉し泣きで抱き着かれているが、腰が引けていた。あの兄がものすごく嫌そうで私はとても嬉しい。
エンマはニマニマ笑いが止まらなくてどうしたものかと困っていた。
卵を抱えているし、でもバカ笑いする訳にも行かないし、けれどもこのままではニマニマで堪えるのも限界だった。
「ぶふっ…」
あ、まずいまずい。
エンマは卵を顔の前に持ち上げてクスクスとブフブフォを繰り返し悶えたのだった。
「笑いすぎなんだよ!」
へぶっ!
クスクス笑っていたエンマは抱えあげていた卵に顔面を打ち付けて、痛みに今度は悶えた。こんな失礼なことを平気でやるやつなどあの男しかいない!
「お兄様、ひどい!」
「いやいや、酷いのはお前だエンマ」
「大爆笑でヨダレ垂らして不細工な顔で笑ってたからな(可憐な笑顔だったよ)」
「ついに、本音と建前を間違えましたわね!!」
「すまないエンマ嬢、君の可憐な笑い声を聞いてついつい(お前爆笑しすぎなんだよ!)」
キー!本音と建前を直しやがった!エンマは少しステファノに近づきヒールの踵でゴスっと脛を突き刺してみた。
「痛っ!?」
すらっとした足はきっとよろけた拍子に脛を攻撃する為に有るのよね?
「あっ、ごめんなさいステファノ様余りの熱気で…わたくしったら、ふらついてしまいましたわ♪」
この野郎と聞こえるが、私は野郎ではなく淑女なので違う方に言ったのだろう。
一斉に開けたエンマ達の周りにはこちらを遠巻きに見てキャーキャー騒いでいる令嬢達と、刺すような冷えた怒りを向ける令嬢で溢れていた。
男性陣の召喚は兄と愉快な仲間たちを含む8人が成功したようだ。女性陣の列が進み、男性陣は皆後方に移る。なのになぜだろう。
召喚用の魔法陣の前に立ち、隣を見れば5歩ほどの場所に兄ロベルトが魔王と共に立っていた。先程まではこいつは後ろで騒いでたはずなのに…
戻れや!
ひきつり笑いでバスガイドのように後方を手のひらで示すが、ニッコリ笑って兄と魔王はスルーしやがった!初めて魔王の微笑みを見たエンマの顔は思いっきり引きつった。
なまじ顔が綺麗なだけに余計に恐ろしい。
「では、初めてください」
余りに歌い出さないエンマに催促の声がかかり、エンマはしぶしぶ頷き、諦めた。
金色の光を祈りと共に捧げよう…
この世界に優しい光を…
消えゆく命をどうか…
消えゆく希望をどうか…
どうか消さないで…
歌いながら光を放つエンマの金の瞳が泣いていた。
眩しい光を放つ金の卵の上には金の瞳を持つ白い、小さなうさぎが乗っていた。
契約の証である小さな金の輪っかが浮かぶ、それは光の閃光となって、白虎の左耳に向かった。光が収まると白虎の左耳に金の輪っかがぶら下がっていた。
「ステファノ様ぁー!キャァー!凄いですわ!」
「きゃぁ、もう、どうしましょう!」
なにがどうしましょうなのか、よく分からないが周囲のご令嬢方の黄色声と興奮した騎士達の声援が凄くてなんだか怖い。
第一騎士団の隊長であるステファノは総団長に頭をぐりぐりもみくちゃにされている。
お兄様は遅れてやってきた魔術師団の団長に嬉し泣きで抱き着かれているが、腰が引けていた。あの兄がものすごく嫌そうで私はとても嬉しい。
エンマはニマニマ笑いが止まらなくてどうしたものかと困っていた。
卵を抱えているし、でもバカ笑いする訳にも行かないし、けれどもこのままではニマニマで堪えるのも限界だった。
「ぶふっ…」
あ、まずいまずい。
エンマは卵を顔の前に持ち上げてクスクスとブフブフォを繰り返し悶えたのだった。
「笑いすぎなんだよ!」
へぶっ!
クスクス笑っていたエンマは抱えあげていた卵に顔面を打ち付けて、痛みに今度は悶えた。こんな失礼なことを平気でやるやつなどあの男しかいない!
「お兄様、ひどい!」
「いやいや、酷いのはお前だエンマ」
「大爆笑でヨダレ垂らして不細工な顔で笑ってたからな(可憐な笑顔だったよ)」
「ついに、本音と建前を間違えましたわね!!」
「すまないエンマ嬢、君の可憐な笑い声を聞いてついつい(お前爆笑しすぎなんだよ!)」
キー!本音と建前を直しやがった!エンマは少しステファノに近づきヒールの踵でゴスっと脛を突き刺してみた。
「痛っ!?」
すらっとした足はきっとよろけた拍子に脛を攻撃する為に有るのよね?
「あっ、ごめんなさいステファノ様余りの熱気で…わたくしったら、ふらついてしまいましたわ♪」
この野郎と聞こえるが、私は野郎ではなく淑女なので違う方に言ったのだろう。
一斉に開けたエンマ達の周りにはこちらを遠巻きに見てキャーキャー騒いでいる令嬢達と、刺すような冷えた怒りを向ける令嬢で溢れていた。
男性陣の召喚は兄と愉快な仲間たちを含む8人が成功したようだ。女性陣の列が進み、男性陣は皆後方に移る。なのになぜだろう。
召喚用の魔法陣の前に立ち、隣を見れば5歩ほどの場所に兄ロベルトが魔王と共に立っていた。先程まではこいつは後ろで騒いでたはずなのに…
戻れや!
ひきつり笑いでバスガイドのように後方を手のひらで示すが、ニッコリ笑って兄と魔王はスルーしやがった!初めて魔王の微笑みを見たエンマの顔は思いっきり引きつった。
なまじ顔が綺麗なだけに余計に恐ろしい。
「では、初めてください」
余りに歌い出さないエンマに催促の声がかかり、エンマはしぶしぶ頷き、諦めた。
金色の光を祈りと共に捧げよう…
この世界に優しい光を…
消えゆく命をどうか…
消えゆく希望をどうか…
どうか消さないで…
歌いながら光を放つエンマの金の瞳が泣いていた。
眩しい光を放つ金の卵の上には金の瞳を持つ白い、小さなうさぎが乗っていた。
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