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友人の妹
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ステファノは学園に上がったばかりの頃から騎士を目指し毎日、我武者羅に鍛錬を続けていた。毎日厳しい学園の訓練をこなした上に騎士である父と引退したが未だに騎士団に指導員として城に出向いている祖父に王宮の訓練所で稽古をつけてもらっていた。
息が上がり視界が霞む中でも祖父の動きを見逃すまいと木剣を構え走り出す。
「っ、くそっ!」
「ステファノ、右ががら空きだ!」
容赦ない魔力を纏う蹴りに、クソっ!剣を使うんじゃないのかよ!などと言ってみても戦いにおいて相手が必ず剣で攻撃すると決まっているわけでもないしそもそも弱い自分が悪いのだとわかっている。わかっているがやっぱりムカつく!
ステファノは死に物狂いで剣の稽古をしていた。相手が手加減無しなのだからそれは必死だった。
「あー、くそっ、ジジイの癖に体力ありすぎだろ」
「ボロボロだな」
隣を歩く男、学園でできた友人、ロベルトは伯爵家の跡取りだが、引退した父と同じく魔術師を目指している。
それなのに剣も使えるやな野郎だ。
「ん?あいつなにやってんだ?」
男が建物の影から出てくる。その前を行く女の子の様子を見ながらニタリと笑い指を振るとまた壁の隙間に隠れる。
こそこそと男子生徒が女の子のあとを付けている?
「…へぇ」
そう言って歩き出したロベルトの雰囲気がガラリと変わった。隣からは冷気が漂っていた。氷帝だなんだ言われている俺よりこの飄々とした男の方がよっぽど恐ろしい。
「っくぁ、ぐっがっ」
顔はボコボコにやられ最後に腹に重い一撃を受けついに意識を失ったズタボロの男子生徒、どうやらロベルトの妹を空き教室の多い別棟に魔術を使い誘導していたようだ。
「なぁ?」
「ぁあ!?」
すっかりガラの悪い男になったロベルトだが、良いのか?あれ、ほっといて。
ロベルトの妹は1歩歩くと後ろに男をふらふらと従えるのが特技の様だ。
また1人、別の男子生徒が女の子の後ろでこそこそしだした。
「がぁ!くっそ、ステファノすまないがあいつの捕獲頼まれてくれね?」
あ?
ふらふらキョロキョロと歩いていた女の子が立ち止まり困り顔で振り向いた。
「お兄様!」
やたら可愛い顔で少しびびった。
くしゃりと顔を歪めたロベルトの妹エンマから涙が滲んでいて。こりゃ狙われるだろうと納得する。
に、してもロベルトの魔術は妹をも欺くらしい。
ロベルトだと信じきった女の子は疑う素振りも無くオンオンと泣いてガバッと抱き着いてきた。俺は驚き固まってしまったが、兄だ、俺はこいつの兄…と呪文を唱え落とさない様に抱え直した。と言うか、オンオンとか普通泣かないだろう。
「………っ、12歳の女の子はそんな泣き方しないんだぞ…たく、しゃーねーな」
ステファノは泣く女は苦手だった。泣き真似でさもわたくしか弱いんですの。とポロリと涙を流す、香水をやたら振り撒きこちらを見上げる計算された顔は見てると虫唾が走る。
なのに…
あー、参った…心臓に悪いわこいつ…
息が上がり視界が霞む中でも祖父の動きを見逃すまいと木剣を構え走り出す。
「っ、くそっ!」
「ステファノ、右ががら空きだ!」
容赦ない魔力を纏う蹴りに、クソっ!剣を使うんじゃないのかよ!などと言ってみても戦いにおいて相手が必ず剣で攻撃すると決まっているわけでもないしそもそも弱い自分が悪いのだとわかっている。わかっているがやっぱりムカつく!
ステファノは死に物狂いで剣の稽古をしていた。相手が手加減無しなのだからそれは必死だった。
「あー、くそっ、ジジイの癖に体力ありすぎだろ」
「ボロボロだな」
隣を歩く男、学園でできた友人、ロベルトは伯爵家の跡取りだが、引退した父と同じく魔術師を目指している。
それなのに剣も使えるやな野郎だ。
「ん?あいつなにやってんだ?」
男が建物の影から出てくる。その前を行く女の子の様子を見ながらニタリと笑い指を振るとまた壁の隙間に隠れる。
こそこそと男子生徒が女の子のあとを付けている?
「…へぇ」
そう言って歩き出したロベルトの雰囲気がガラリと変わった。隣からは冷気が漂っていた。氷帝だなんだ言われている俺よりこの飄々とした男の方がよっぽど恐ろしい。
「っくぁ、ぐっがっ」
顔はボコボコにやられ最後に腹に重い一撃を受けついに意識を失ったズタボロの男子生徒、どうやらロベルトの妹を空き教室の多い別棟に魔術を使い誘導していたようだ。
「なぁ?」
「ぁあ!?」
すっかりガラの悪い男になったロベルトだが、良いのか?あれ、ほっといて。
ロベルトの妹は1歩歩くと後ろに男をふらふらと従えるのが特技の様だ。
また1人、別の男子生徒が女の子の後ろでこそこそしだした。
「がぁ!くっそ、ステファノすまないがあいつの捕獲頼まれてくれね?」
あ?
ふらふらキョロキョロと歩いていた女の子が立ち止まり困り顔で振り向いた。
「お兄様!」
やたら可愛い顔で少しびびった。
くしゃりと顔を歪めたロベルトの妹エンマから涙が滲んでいて。こりゃ狙われるだろうと納得する。
に、してもロベルトの魔術は妹をも欺くらしい。
ロベルトだと信じきった女の子は疑う素振りも無くオンオンと泣いてガバッと抱き着いてきた。俺は驚き固まってしまったが、兄だ、俺はこいつの兄…と呪文を唱え落とさない様に抱え直した。と言うか、オンオンとか普通泣かないだろう。
「………っ、12歳の女の子はそんな泣き方しないんだぞ…たく、しゃーねーな」
ステファノは泣く女は苦手だった。泣き真似でさもわたくしか弱いんですの。とポロリと涙を流す、香水をやたら振り撒きこちらを見上げる計算された顔は見てると虫唾が走る。
なのに…
あー、参った…心臓に悪いわこいつ…
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