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第6話 ダンジョンの奥へ
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通路を進んでいくと、やがてマリアが華やいだ声を上げた。
「あそこに階段がありますわ!」
「これは……人の手で造られた物にしか見えませんね」
「まさか本で読んだ大古の魔人が関わっているとか……」
「お嬢様、やはり引き返しましょうか」
「嘘嘘、冗談! あともうちょっとだけ様子を見てみましょう!」
彼女にはああ言ったが、俺も先が気になっているのは確かだ。庭師のスキルで危険は探知できるし、いざとなればお嬢様の持っている脱出アイテムを頼らせてもらおう。
階段を降りるとダンジョンの中はますます複雑になり、暗闇の中で響く足音が静寂を破る。
通路が細くなり、天井が低くなったかと思うと、また広く開けた部屋が現れる。周囲には古びた石の柱が立ち、壁には複雑な模様が刻まれている。まるで、この場所が何かの儀式のために使われていたかのような、神聖な空気を感じさせる。
「カナデさん、この場所……」
マリアは言葉を飲み込み、周囲を見渡した。その目には、不安だけではない興味と探究心が滲んでいる。
「お嬢様、この先は少し警戒した方がいいかもしれません。何か仕掛けがあるかもしれませんから」
俺は自然に警戒心を強めながらも、後ろを歩くお嬢様に振り返った。
彼女は真剣に歩みを進め、俺に気づいて少し微笑んだ。
「心配しないで。私はしっかりついていくわ」
その言葉に少し安心しながらも、やはり心の中で何か引っかかる。俺は、プロの冒険者を雇うべきだと感じているが、お嬢様の決意を前に、それを口にすることはできなかった。
「お嬢様、気をつけてください」
俺が再度警告したその瞬間、仕掛けられた罠が発動した。
急に、目の前の石壁が動き出し、スピードを上げて迫ってきた。
「カナデさん!」
「お嬢様! 何を触ったんですか!?」
「私は何も……きゃあああ!」
マリアが驚き、後ろに下がろうとするが、俺はすぐに反応し、彼女を引き寄せて安全な場所に押し込んだ。
「大丈夫です、気をつけて! 本当の罠は後ろです!」
前の壁で驚かせて後ろの穴へ叩き落とす。悪質な罠だ。
俺は素早く、石の壁が迫る隙間を見極め、身体を低くしてすばやく通り抜ける。お嬢様を安全な位置に引き寄せ、壁の動きに合わせてさらに先へと進む。
「先に進んで……いいんですか!?」
「先へ進むのがいいんです! この手の罠には必ず元に戻すためのスイッチがあるはず……これか!」
俺がそれを見つけてナイフを投げつけると、迫っていた壁も空いていた穴も元の状態に戻っていった。
「ありがとう、カナデさん! あなたって本当に頼りになりますね!」
お嬢様は息を整えながら、俺を見つめる。その顔には少しの驚きとともに感謝の気持ちが込められているのがわかる。
「これからも、こういう罠があるかもしれません。お嬢様、無理しないでいつでも脱出できる準備はしていてくださいね」
「わかってますわ、カナデさん。でも……私はあきらめない。お父様だって戦ってるんですもの。私だって戦えるところを見せてあげないと!」
その決意に、俺は黙って頷くしかなかった。お嬢様はただの好奇心ではなく、領主の娘としての将来を見据えた強い意志でダンジョンを進んでいるのだ。
それは俺にとっては都合の悪いものだったが、彼女の意志を止める言葉を俺は持たなかった。
それからしばらく進んだ後、突如として、ダンジョンの奥から低い唸り声が響いた。
その音は、ただの物音ではない。何か、確実に近づいてきている。
「カナデさん、何かいますね?」
マリアの声に、俺は静かに頷いた。
「気をつけてください。おそらくモンスターか何かが近づいています」
その瞬間、足音が徐々に大きくなり、洞窟の奥から巨大な影が現れた。
目の前に立ちふさがったのは巨大なゴーレムのようなモンスターだった。その体は岩のように硬く、巨大な手がゆっくりと振り下ろされる。
「お嬢様、下がって!」
俺は身構えたが、その巨大なモンスターに立ち向かう方法がすぐに思い浮かばない。岩なんてどう斬っても剣とは相性が悪い。
でも、今はもう、後退するわけにはいかない。
「カナデさん……私が戦うわ!」
マリアが決意を見せるが、その目にはやはり不安が浮かんでいる。巨大な岩のモンスターを彼女のようなお嬢様が恐がるのは当然の事だ。
俺はすぐに彼女を見て、手を挙げて静止した。
「お嬢様、無理はしないで。俺があなたを守るから」
その言葉に、マリアは少し戸惑いながらも、やがて黙って頷いた。
「わかりました……ここはあなたの決意を信じます」
俺の目の前に立ちふさがった巨大なゴーレム。
その前に立って、俺は少しだけ深呼吸をした。庭師として育ててきた自然と触れ合い調和する力が、今、この瞬間に必要だと感じた。俺は周囲の石や植物の気配を感じ取り、ゴーレムの動きに合わせて、攻撃の隙間を見つけ出す。
お嬢様のために、そして俺自身のために、このダンジョンを攻略する決意が固まった。
「あそこに階段がありますわ!」
「これは……人の手で造られた物にしか見えませんね」
「まさか本で読んだ大古の魔人が関わっているとか……」
「お嬢様、やはり引き返しましょうか」
「嘘嘘、冗談! あともうちょっとだけ様子を見てみましょう!」
彼女にはああ言ったが、俺も先が気になっているのは確かだ。庭師のスキルで危険は探知できるし、いざとなればお嬢様の持っている脱出アイテムを頼らせてもらおう。
階段を降りるとダンジョンの中はますます複雑になり、暗闇の中で響く足音が静寂を破る。
通路が細くなり、天井が低くなったかと思うと、また広く開けた部屋が現れる。周囲には古びた石の柱が立ち、壁には複雑な模様が刻まれている。まるで、この場所が何かの儀式のために使われていたかのような、神聖な空気を感じさせる。
「カナデさん、この場所……」
マリアは言葉を飲み込み、周囲を見渡した。その目には、不安だけではない興味と探究心が滲んでいる。
「お嬢様、この先は少し警戒した方がいいかもしれません。何か仕掛けがあるかもしれませんから」
俺は自然に警戒心を強めながらも、後ろを歩くお嬢様に振り返った。
彼女は真剣に歩みを進め、俺に気づいて少し微笑んだ。
「心配しないで。私はしっかりついていくわ」
その言葉に少し安心しながらも、やはり心の中で何か引っかかる。俺は、プロの冒険者を雇うべきだと感じているが、お嬢様の決意を前に、それを口にすることはできなかった。
「お嬢様、気をつけてください」
俺が再度警告したその瞬間、仕掛けられた罠が発動した。
急に、目の前の石壁が動き出し、スピードを上げて迫ってきた。
「カナデさん!」
「お嬢様! 何を触ったんですか!?」
「私は何も……きゃあああ!」
マリアが驚き、後ろに下がろうとするが、俺はすぐに反応し、彼女を引き寄せて安全な場所に押し込んだ。
「大丈夫です、気をつけて! 本当の罠は後ろです!」
前の壁で驚かせて後ろの穴へ叩き落とす。悪質な罠だ。
俺は素早く、石の壁が迫る隙間を見極め、身体を低くしてすばやく通り抜ける。お嬢様を安全な位置に引き寄せ、壁の動きに合わせてさらに先へと進む。
「先に進んで……いいんですか!?」
「先へ進むのがいいんです! この手の罠には必ず元に戻すためのスイッチがあるはず……これか!」
俺がそれを見つけてナイフを投げつけると、迫っていた壁も空いていた穴も元の状態に戻っていった。
「ありがとう、カナデさん! あなたって本当に頼りになりますね!」
お嬢様は息を整えながら、俺を見つめる。その顔には少しの驚きとともに感謝の気持ちが込められているのがわかる。
「これからも、こういう罠があるかもしれません。お嬢様、無理しないでいつでも脱出できる準備はしていてくださいね」
「わかってますわ、カナデさん。でも……私はあきらめない。お父様だって戦ってるんですもの。私だって戦えるところを見せてあげないと!」
その決意に、俺は黙って頷くしかなかった。お嬢様はただの好奇心ではなく、領主の娘としての将来を見据えた強い意志でダンジョンを進んでいるのだ。
それは俺にとっては都合の悪いものだったが、彼女の意志を止める言葉を俺は持たなかった。
それからしばらく進んだ後、突如として、ダンジョンの奥から低い唸り声が響いた。
その音は、ただの物音ではない。何か、確実に近づいてきている。
「カナデさん、何かいますね?」
マリアの声に、俺は静かに頷いた。
「気をつけてください。おそらくモンスターか何かが近づいています」
その瞬間、足音が徐々に大きくなり、洞窟の奥から巨大な影が現れた。
目の前に立ちふさがったのは巨大なゴーレムのようなモンスターだった。その体は岩のように硬く、巨大な手がゆっくりと振り下ろされる。
「お嬢様、下がって!」
俺は身構えたが、その巨大なモンスターに立ち向かう方法がすぐに思い浮かばない。岩なんてどう斬っても剣とは相性が悪い。
でも、今はもう、後退するわけにはいかない。
「カナデさん……私が戦うわ!」
マリアが決意を見せるが、その目にはやはり不安が浮かんでいる。巨大な岩のモンスターを彼女のようなお嬢様が恐がるのは当然の事だ。
俺はすぐに彼女を見て、手を挙げて静止した。
「お嬢様、無理はしないで。俺があなたを守るから」
その言葉に、マリアは少し戸惑いながらも、やがて黙って頷いた。
「わかりました……ここはあなたの決意を信じます」
俺の目の前に立ちふさがった巨大なゴーレム。
その前に立って、俺は少しだけ深呼吸をした。庭師として育ててきた自然と触れ合い調和する力が、今、この瞬間に必要だと感じた。俺は周囲の石や植物の気配を感じ取り、ゴーレムの動きに合わせて、攻撃の隙間を見つけ出す。
お嬢様のために、そして俺自身のために、このダンジョンを攻略する決意が固まった。
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