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第30話 城門前の再会
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結論、何も待っていませんでした。
城の入口に建つ城門はしっかりと閉じられていてコウとサカネちゃんが叩いてもびくともしなかった。
辺りにモンスターの姿は無い。門が閉まっているから大丈夫、儀式の邪魔をしないように静かにしろとボスから命令されているのだろう。
実際あたし達は何も出来ていなかった。ザコがいた方がそいつから突破口を見つけることが出来ただろう。頭の良いボスだ。
このまま手をこまねいていたらネクロマンサーの儀式が完成してしまう。そうなったらこの国には闇が溢れ、魔物達の支配する暗黒の国となってしまうだろう。
でも、そうはさせないよ。勇者が来たからね。
あたしのチート能力を使えばこんな門ぐらい簡単に吹き飛ばすことが出来ただろうけど……ずるは良くないね。
ドラゴンを倒す手段が用意されていたように、きっとこの門を開く方法もあるはずなんだ。
あたしは導く者としてきちんと考えなければならない。
あたしは勇者を導くためにこの世界に来たのであって、この世界のルールを破壊するために来たのではないのだから。
きちんとコウの冒険を導いてあげたかった。それがあたしの望みだ。あたしは考えて決めた。
「ここで取れる手段は無いみたいだね。一度町に戻って他に知っている人がいないか訊ねてみよう」
王様達が隠れていたように、他にも隠れている人がいるかもしれない。その人は後々で重要な人物になるかもしれない。
ここで功を焦ってイベントのフラグを折るのは得策ではない。
戻る意見にコウとサカネちゃんも同意してあたし達は門の前の橋を引き返そうとしたのだが、その行き先に来た人がいて足を止めた。
「よう、久しぶりだな!」
あたしの見たことのない知らない身なりのさっぱりした爽やかな年上の青年だった。彼は知り合いのような口ぶりで話しかけてきたが、あたしが知らないということはサカネちゃんの知り合いなんだろうか。
サカネちゃんの方から訊いてきた。
「お知り合いの方ですか?」
「ううん、コウは?」
「…………」
なぜか沈黙しているコウ。彼に聞き出すよりも早く、見ず知らずの青年の方からさらに声を掛けてきた。
「何だよ、久しぶりに会えたっていうのに随分とつれない態度じゃないか、ルミナ」
「ええ!? あたし!?」
名指しで呼ばれて慌てるあたし。でも、記憶にないよ。本当にごめん。
あたし、クラスメイトからも同じクラスなのに知らないんだと言われたことがあるんだ。
あたしは申し訳なく思ってしまうのだが、彼は陽気にありがたい申し出をしてくれた。
「門の鍵を開けられなくて困っているようだな。お前が俺を頼るってんなら開けてやってもいいぜ」
「え? 本当?」
町まで戻って探さなくて助かった。あたしは喜ぶのだが、コウは不満そうに反対した。
「ルミナ、こんな奴の言う事を聞く必要はないぞ」
「え? なんで?」
「おいおい、勇者様は随分と心が狭いな。それともたった一度の勝利で頭に乗ったか? 俺だって腕を上げてきてるんだぜ、もう一度勝負するか?」
「俺達にはやる事がある。お前に構っている暇はない」
なぜか睨み合ってしまう二人。もうこんなことをしている場合じゃないのに。早くしないとネクロマンサーの野望が完成してしまうよ。
そうなったら、この国が闇に包まれてしまう。
そうなる前にあたしは前に出て、話を進めることにした。
「あの、どこのどなたかは存じませんが……」
「冗談だろ、ルミナ。本当に俺の事を忘れてしまったのか?」
「ええ!?」
そうは言われてもこんな爽やかイケメン系のお兄さんに知り合いなんていないよ。もしかしたらお兄ちゃんの知り合いなんだろうか。訊いてみた。
「あの、ひょっとしてお兄ちゃんの知り合いの方ですか?」
「お? お前、お兄ちゃんがいるのか?」
「はい、います……けど」
「だったら、そのお兄さんにも挨拶しとかないとなあ。フフーン」
もう、何なんだろうこの人。答えを知っているのに教えてくれないお兄ちゃんみたいでむかついてきたよ。でも、これって話を進めるのに必要なイベントだよね。
あたしは前向きに考えて門を開けてくれるように頼もうとするのだが、その前にコウがあたしの手を引いて止めてきた。
彼はいつになく真剣な顔をして男に向かって言い放った。
「もういいだろ、ディック。俺達にはお前の助けなんか必要無い。俺達はこれから城に乗り込んでネクロマンサーを倒さないといけないんだ。帰ってくれ」
「そうはいかないな。俺はルミナに会うためにこうしてお洒落に決めてきたんだからよ。なあ、ルミナ。お前が清潔にしてきてからもう一度会おうって俺と約束したんだよな?」
「ええ!?」
その時になってやっとあたしにも分かったよ。この人、盗賊のボスのディックだ。
汚い身なりで無精ひげを生やしていたのが随分と綺麗さっぱりしてしまって印象が変わったけど。コウも知っているなら早く教えてくれればいいのに。
でも、あたしもう一度会おうなんて約束したっけ? 覚えが無いよ。
とか考えている間にあたしの肩に回されるディックの腕。あたし達はそのまま門の前まで移動して、ディックの声がすぐ間近から囁いてきた。
「この門を開ければいいんだよな」
「はい、お願いします」
どのみちあたしのやって欲しい事は一つだけだ。
正直者のあたしの口。ディックはあたしの肩に回してない方の手で器用に針金を取り出し、
「こんなのちょちょいのちょいだぜ」
あんなに固かった城門をいとも簡単に開いてしまった。こんなにちょろくていいのか、サード王国の城門。
他人の国の心配をしている場合では無かった。
ディックはさらにあたしの肩を抱き寄せて囁いてくる。もう不潔じゃなくなったのはいいけど、あんまり近づかないで欲しいよ。
うかつに手を出すと吹っ飛ばしてしまいそうで気を遣うんだから。
「な? 俺がいればもう平気だろ? ネクロマンサーも俺が倒してやるから、勇者の坊主はもう帰っていいぞ」
「ルミナ……」
「もう、今は冗談を言っている場合じゃないでしょ! コウ、敵が来るよ! 戦って! ディックさんもいつまでもくっつかないでよ、敵が来るんだから!」
「ああ! 分かったぜ! ルミナの期待に答えてやる!」
「チッ、なら実力で見せてやるよ! 俺に惚れろってな!」
門が開いたことに気付いて翼を広げた悪魔ガーゴイルが飛びかかってきた。さらに開いた門の奥からゴブリンやオークやリザードマンなんかがわらわらとやってきた。
ここが正念場だね。
「コウ、頑張って!」
「任せろ!」
あたしはコウを応援して、ちょっと迷ったけど
「ディックさんも負けないでよ!」
「ああ、俺だけに任せておけよ!」
ディックの方も応援した。どうして盗賊のボスが手を貸してくれる気になったのかあたしにはさっぱり分からなかったけど、どうやら彼は仲間になったようだ。
彼もまた一緒にゲームする仲間が欲しかったのかもしれない。あたしはそう結論付けた。
コウとディックはまるで争うように次々とモンスターを倒していく。
「回復します!」
サカネちゃんが状況を見て回復魔法をしてくれるので、二人は戦いに専念できていた。
前衛はただモンスターを倒してくれればいい。高嶺ちゃんの言っていたことを何となく思い出すあたしだった。
城の入口に建つ城門はしっかりと閉じられていてコウとサカネちゃんが叩いてもびくともしなかった。
辺りにモンスターの姿は無い。門が閉まっているから大丈夫、儀式の邪魔をしないように静かにしろとボスから命令されているのだろう。
実際あたし達は何も出来ていなかった。ザコがいた方がそいつから突破口を見つけることが出来ただろう。頭の良いボスだ。
このまま手をこまねいていたらネクロマンサーの儀式が完成してしまう。そうなったらこの国には闇が溢れ、魔物達の支配する暗黒の国となってしまうだろう。
でも、そうはさせないよ。勇者が来たからね。
あたしのチート能力を使えばこんな門ぐらい簡単に吹き飛ばすことが出来ただろうけど……ずるは良くないね。
ドラゴンを倒す手段が用意されていたように、きっとこの門を開く方法もあるはずなんだ。
あたしは導く者としてきちんと考えなければならない。
あたしは勇者を導くためにこの世界に来たのであって、この世界のルールを破壊するために来たのではないのだから。
きちんとコウの冒険を導いてあげたかった。それがあたしの望みだ。あたしは考えて決めた。
「ここで取れる手段は無いみたいだね。一度町に戻って他に知っている人がいないか訊ねてみよう」
王様達が隠れていたように、他にも隠れている人がいるかもしれない。その人は後々で重要な人物になるかもしれない。
ここで功を焦ってイベントのフラグを折るのは得策ではない。
戻る意見にコウとサカネちゃんも同意してあたし達は門の前の橋を引き返そうとしたのだが、その行き先に来た人がいて足を止めた。
「よう、久しぶりだな!」
あたしの見たことのない知らない身なりのさっぱりした爽やかな年上の青年だった。彼は知り合いのような口ぶりで話しかけてきたが、あたしが知らないということはサカネちゃんの知り合いなんだろうか。
サカネちゃんの方から訊いてきた。
「お知り合いの方ですか?」
「ううん、コウは?」
「…………」
なぜか沈黙しているコウ。彼に聞き出すよりも早く、見ず知らずの青年の方からさらに声を掛けてきた。
「何だよ、久しぶりに会えたっていうのに随分とつれない態度じゃないか、ルミナ」
「ええ!? あたし!?」
名指しで呼ばれて慌てるあたし。でも、記憶にないよ。本当にごめん。
あたし、クラスメイトからも同じクラスなのに知らないんだと言われたことがあるんだ。
あたしは申し訳なく思ってしまうのだが、彼は陽気にありがたい申し出をしてくれた。
「門の鍵を開けられなくて困っているようだな。お前が俺を頼るってんなら開けてやってもいいぜ」
「え? 本当?」
町まで戻って探さなくて助かった。あたしは喜ぶのだが、コウは不満そうに反対した。
「ルミナ、こんな奴の言う事を聞く必要はないぞ」
「え? なんで?」
「おいおい、勇者様は随分と心が狭いな。それともたった一度の勝利で頭に乗ったか? 俺だって腕を上げてきてるんだぜ、もう一度勝負するか?」
「俺達にはやる事がある。お前に構っている暇はない」
なぜか睨み合ってしまう二人。もうこんなことをしている場合じゃないのに。早くしないとネクロマンサーの野望が完成してしまうよ。
そうなったら、この国が闇に包まれてしまう。
そうなる前にあたしは前に出て、話を進めることにした。
「あの、どこのどなたかは存じませんが……」
「冗談だろ、ルミナ。本当に俺の事を忘れてしまったのか?」
「ええ!?」
そうは言われてもこんな爽やかイケメン系のお兄さんに知り合いなんていないよ。もしかしたらお兄ちゃんの知り合いなんだろうか。訊いてみた。
「あの、ひょっとしてお兄ちゃんの知り合いの方ですか?」
「お? お前、お兄ちゃんがいるのか?」
「はい、います……けど」
「だったら、そのお兄さんにも挨拶しとかないとなあ。フフーン」
もう、何なんだろうこの人。答えを知っているのに教えてくれないお兄ちゃんみたいでむかついてきたよ。でも、これって話を進めるのに必要なイベントだよね。
あたしは前向きに考えて門を開けてくれるように頼もうとするのだが、その前にコウがあたしの手を引いて止めてきた。
彼はいつになく真剣な顔をして男に向かって言い放った。
「もういいだろ、ディック。俺達にはお前の助けなんか必要無い。俺達はこれから城に乗り込んでネクロマンサーを倒さないといけないんだ。帰ってくれ」
「そうはいかないな。俺はルミナに会うためにこうしてお洒落に決めてきたんだからよ。なあ、ルミナ。お前が清潔にしてきてからもう一度会おうって俺と約束したんだよな?」
「ええ!?」
その時になってやっとあたしにも分かったよ。この人、盗賊のボスのディックだ。
汚い身なりで無精ひげを生やしていたのが随分と綺麗さっぱりしてしまって印象が変わったけど。コウも知っているなら早く教えてくれればいいのに。
でも、あたしもう一度会おうなんて約束したっけ? 覚えが無いよ。
とか考えている間にあたしの肩に回されるディックの腕。あたし達はそのまま門の前まで移動して、ディックの声がすぐ間近から囁いてきた。
「この門を開ければいいんだよな」
「はい、お願いします」
どのみちあたしのやって欲しい事は一つだけだ。
正直者のあたしの口。ディックはあたしの肩に回してない方の手で器用に針金を取り出し、
「こんなのちょちょいのちょいだぜ」
あんなに固かった城門をいとも簡単に開いてしまった。こんなにちょろくていいのか、サード王国の城門。
他人の国の心配をしている場合では無かった。
ディックはさらにあたしの肩を抱き寄せて囁いてくる。もう不潔じゃなくなったのはいいけど、あんまり近づかないで欲しいよ。
うかつに手を出すと吹っ飛ばしてしまいそうで気を遣うんだから。
「な? 俺がいればもう平気だろ? ネクロマンサーも俺が倒してやるから、勇者の坊主はもう帰っていいぞ」
「ルミナ……」
「もう、今は冗談を言っている場合じゃないでしょ! コウ、敵が来るよ! 戦って! ディックさんもいつまでもくっつかないでよ、敵が来るんだから!」
「ああ! 分かったぜ! ルミナの期待に答えてやる!」
「チッ、なら実力で見せてやるよ! 俺に惚れろってな!」
門が開いたことに気付いて翼を広げた悪魔ガーゴイルが飛びかかってきた。さらに開いた門の奥からゴブリンやオークやリザードマンなんかがわらわらとやってきた。
ここが正念場だね。
「コウ、頑張って!」
「任せろ!」
あたしはコウを応援して、ちょっと迷ったけど
「ディックさんも負けないでよ!」
「ああ、俺だけに任せておけよ!」
ディックの方も応援した。どうして盗賊のボスが手を貸してくれる気になったのかあたしにはさっぱり分からなかったけど、どうやら彼は仲間になったようだ。
彼もまた一緒にゲームする仲間が欲しかったのかもしれない。あたしはそう結論付けた。
コウとディックはまるで争うように次々とモンスターを倒していく。
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