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第2話
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「ふう、疲れたな。ちょっと休憩するか」
「そうだね」
俺達はゴブリンの死体の前で座り込む。その時ふと気が付いた事があった。
「プリンを食べたのはゴブリンじゃないみたいだぞ」
「え? そうなの?」
「見ろ。口の周りがベトベトしていないだろ? プリンを食べたらベトベトするはずなのに」
「ほんとうだ! それにゴブリンが活発すぎたのも気になるわね。お兄ちゃんはご飯を食べたらすぐに寝ちゃうのに」
「それもそうだな。じゃあ、冷蔵庫の中身はどこに消えたんだろう?」
「わからないけど、進むしかないみたいだね」
「ああ、そうだな。お腹も空いてきたし可及的に速やかに急いで進もう」
俺達はまた歩き出した。
しばらく歩いていると、大きな扉を見つけた。
「おっ、扉だ」
「分かれ道も無かったしこの奥にボスがいるかもしれないね」
「よし、開けるぞ」
俺はゆっくりとドアを開ける。そこにはドラゴンがいて騎士と戦っていた。
「おい、嘘だろ? なんでこんなところにドラゴンがいるんだよ」
「ねえ、お兄ちゃん。あれってもしかして」
「ああ! 俺の昼飯とミチルのプリン!」
俺達は目指すものを見つけたが、戦場にある為に手出しできなかった。
下手に介入すると巻き込まれて昼飯とプリンが吹き飛ばされてしまいそうだ。
今のところ騎士もドラゴンもそちらには目もくれていない様子だ。
「どっちが勝つと思う?」
「そりゃもちろんドラゴンだろ。物語だと騎士の方が強いことが多いんだけど、ここは現実だからな」
「でも、あの騎士さんもなかなか強そうだけど」
「まあな。だが、それでもあのサイズのドラゴンを倒すのは難しいだろう」
「そんなことないんじゃない? ほら、見てよ。騎士さんの剣」
「あの剣がなんだっていうんだ?」
「あれは聖剣だよ。勇者が持つやつ。多分あの騎士さんは勇者なんだ」
「なるほどなあ。確かにそうかもな。ドラゴンと戦おうなんて命知らずは勇者ぐらいだしな」
「じゃあ、もしかするとあのドラゴンは倒されるかもしれないね」
「うん。多分そうなるかもしれないな」
俺達は戦いの行方を見守っていた。
「ガァアアッ!!」
「ぬぅん!」
両者の戦いは互角のように思えた。
「ガウッ!」
「ふんっ!」
ドラゴンの攻撃は確かに強力だったが、それをなんとか捌き切る勇者。
決着はなかなか付かずに俺達はそわそわしてきた。
「なんかお腹が空いてきたな。ご飯にしようか」
「私はプリンにしようっと」
俺達はそれぞれに食事を取りながら観戦に興じることにした。
「いただきます」
「いっただっきまーす」
「グァアアッ!!」
「とりゃああ!」
「うまかったな」
「うん。おいしかったね」
「あ、食べてしまった」
「気づいたらいつの間にやらだね」
「さて、そろそろ帰るか」
「そうだね」
俺達が立ち上がり、部屋を出ようとした時だった。
「グアアアッ!」
「危ない!」
突然、ドラゴンがこちらにブレスを放ってきた。
俺は咄嵯にミチルを突き飛ばして回避したが、その隙にドラゴンはこちらに突進してきた。
「くっ! こうなったら!」
俺はポケットからシャーペンを取り出した。
「お兄ちゃん、まさか戦うつもり?」
「ああ、ここで逃げたら男じゃないからな」
俺はシャーペンを構えてドラゴンと相対した。
聖剣と比べたら頼りない武器かもしれないが何もないよりはましだ。
「かかってこい!」
「ゴアアアアアッ!」
俺はシャーペンを振り回すが、ドラゴンの固い鱗には通じない。
「くっ、どうすればいい?」
その時、ミチルの声が聞こえた。
「お兄ちゃん、頑張って! 応援してるよ!」
「ミチル……そうだよな。俺は負けられないんだっ! うおおっ!」
俺は力を込めてシャーペンを振り下ろす。
「グギャッ!?」
シャーペンは見事に命中し、ドラゴンの目を傷つけた。
「よし! 今だ! 死ねぇぇええええええっ!!!」
俺は渾身の一撃を振り下ろしたが、シャーペンの先から液体が出ることは無かった。
「くそ、今ので故障したか!」
「グゲェエエエエエッ」
ドラゴンは怒り狂って暴れ始めた。
「ここまで来て終わりなのかよ……」
「諦めちゃダメよ、お兄ちゃん!」
「ミチル、お前は逃げろ」
「嫌よ!」
「お前は妹なんだぞ。こんなところで死ぬべきじゃない」
「そんなの関係ないよ!」
「ミチル……」
「だって私達は家族でしょ? だったら一緒に生きるの!」
「そうだな。俺達はまだ若いんだ。これからいくらでもやり直せる」
「グガアアアアッ!」
ドラゴンが俺達にとどめを刺そうと迫ってくる。
「ミチル、俺から離れるな」
「うん!」
「俺がドラゴンを引きつける。その隙に逃げろ」
「わかった」
「いくぞぉおおっ! おりゃあっ!」
俺はドラゴンに向かって駆け出した。
「こっちだ! 来やがれ!」
「グオォオッ」
ドラゴンは俺に狙いを定め、突進してくる。
「ぐはぁっ」
俺は吹き飛ばされて地面を転がった。
「お兄ちゃん!」
「大丈夫だ。それより早く逃げるんだ」
「うう、お兄ちゃんを置いていけないよ」
「バカ野郎! 俺達は兄妹だ。兄は妹を守るものなんだよ!」
「でも、お兄ちゃんがいなくなったら私はどうやって生きればいいの?」
「安心しろ。そこに勇者がいるだろう? 後の面倒はそいつに見てもらえ」
「あ、そうだ。忘れてた。ちょっとこの剣貸してくれない?」
「なんだ、急に。この剣は君のような女の子が扱える代物ではない」
「いいから、ほらっ。貸してよ早く!」
「おいっ! 何をする気だ! おい! 奪われたああ!」
ミチルは勇者の制止も聞かずに聖剣を手に取った。
「勇者さん、これ借りていくね」
「ああ、だが、それは私の大切な物だから必ず返してくれ」
「わかっているわ」
ミチルはドラゴンの目の前に立ち塞がり、言った。
「さあ、ドラゴンさん。私が相手よ」
「ミチル、お前、どうして?」
「私は決めたの。お兄ちゃんと一緒にいるって。だから絶対に死んであげないわ」
ミチルがそう言うとドラゴンは口を大きく開けた。
「ガアァアアッ!」
「ふふん、遅いのよ!」
ミチルは余裕を持ってドラゴンの攻撃を避け続ける。
「グルルル」
「ほう、よく避けるな」
「スキル鑑定で私にはこの剣の能力も敵味方のステータスも分かる。ゲームなんて所詮は数字のお遊びなんだって!」
「グオオオッ!」
ドラゴンはミチルに噛み付こうとする。
「はい、残念」
しかし、その攻撃は虚しく空を切った。
「グガッ!?」
「あなたの動きなんて丸わかりなのよね」
「グアァアアッ」
ドラゴンは何度も攻撃を仕掛けるが、ミチルはそれを全てかわしていく。俺と勇者は見ながら驚く事しかできなかった。
「あのアイテムってそんなに使えるものだったのか」
「信じられん。聖剣の力をあそこまで引き出せるとは」
「どうしたのかしら? 動きが鈍ってきてるわよ」
「グゥウウッ」
「そろそろ終わらせようかしら。覚悟しなさい」
ミチルはドラゴンの前に躍り出る。
「喰らいなさーい!」
そして、ドラゴンの頭上にジャンプすると、勢い良く回転し始めた。
「せんぷうううう、ダイナミック!」
「グギャアアアアアッ!!」
ドラゴンは断末魔の叫び声を上げ、そのまま息絶えた。
「そうだね」
俺達はゴブリンの死体の前で座り込む。その時ふと気が付いた事があった。
「プリンを食べたのはゴブリンじゃないみたいだぞ」
「え? そうなの?」
「見ろ。口の周りがベトベトしていないだろ? プリンを食べたらベトベトするはずなのに」
「ほんとうだ! それにゴブリンが活発すぎたのも気になるわね。お兄ちゃんはご飯を食べたらすぐに寝ちゃうのに」
「それもそうだな。じゃあ、冷蔵庫の中身はどこに消えたんだろう?」
「わからないけど、進むしかないみたいだね」
「ああ、そうだな。お腹も空いてきたし可及的に速やかに急いで進もう」
俺達はまた歩き出した。
しばらく歩いていると、大きな扉を見つけた。
「おっ、扉だ」
「分かれ道も無かったしこの奥にボスがいるかもしれないね」
「よし、開けるぞ」
俺はゆっくりとドアを開ける。そこにはドラゴンがいて騎士と戦っていた。
「おい、嘘だろ? なんでこんなところにドラゴンがいるんだよ」
「ねえ、お兄ちゃん。あれってもしかして」
「ああ! 俺の昼飯とミチルのプリン!」
俺達は目指すものを見つけたが、戦場にある為に手出しできなかった。
下手に介入すると巻き込まれて昼飯とプリンが吹き飛ばされてしまいそうだ。
今のところ騎士もドラゴンもそちらには目もくれていない様子だ。
「どっちが勝つと思う?」
「そりゃもちろんドラゴンだろ。物語だと騎士の方が強いことが多いんだけど、ここは現実だからな」
「でも、あの騎士さんもなかなか強そうだけど」
「まあな。だが、それでもあのサイズのドラゴンを倒すのは難しいだろう」
「そんなことないんじゃない? ほら、見てよ。騎士さんの剣」
「あの剣がなんだっていうんだ?」
「あれは聖剣だよ。勇者が持つやつ。多分あの騎士さんは勇者なんだ」
「なるほどなあ。確かにそうかもな。ドラゴンと戦おうなんて命知らずは勇者ぐらいだしな」
「じゃあ、もしかするとあのドラゴンは倒されるかもしれないね」
「うん。多分そうなるかもしれないな」
俺達は戦いの行方を見守っていた。
「ガァアアッ!!」
「ぬぅん!」
両者の戦いは互角のように思えた。
「ガウッ!」
「ふんっ!」
ドラゴンの攻撃は確かに強力だったが、それをなんとか捌き切る勇者。
決着はなかなか付かずに俺達はそわそわしてきた。
「なんかお腹が空いてきたな。ご飯にしようか」
「私はプリンにしようっと」
俺達はそれぞれに食事を取りながら観戦に興じることにした。
「いただきます」
「いっただっきまーす」
「グァアアッ!!」
「とりゃああ!」
「うまかったな」
「うん。おいしかったね」
「あ、食べてしまった」
「気づいたらいつの間にやらだね」
「さて、そろそろ帰るか」
「そうだね」
俺達が立ち上がり、部屋を出ようとした時だった。
「グアアアッ!」
「危ない!」
突然、ドラゴンがこちらにブレスを放ってきた。
俺は咄嵯にミチルを突き飛ばして回避したが、その隙にドラゴンはこちらに突進してきた。
「くっ! こうなったら!」
俺はポケットからシャーペンを取り出した。
「お兄ちゃん、まさか戦うつもり?」
「ああ、ここで逃げたら男じゃないからな」
俺はシャーペンを構えてドラゴンと相対した。
聖剣と比べたら頼りない武器かもしれないが何もないよりはましだ。
「かかってこい!」
「ゴアアアアアッ!」
俺はシャーペンを振り回すが、ドラゴンの固い鱗には通じない。
「くっ、どうすればいい?」
その時、ミチルの声が聞こえた。
「お兄ちゃん、頑張って! 応援してるよ!」
「ミチル……そうだよな。俺は負けられないんだっ! うおおっ!」
俺は力を込めてシャーペンを振り下ろす。
「グギャッ!?」
シャーペンは見事に命中し、ドラゴンの目を傷つけた。
「よし! 今だ! 死ねぇぇええええええっ!!!」
俺は渾身の一撃を振り下ろしたが、シャーペンの先から液体が出ることは無かった。
「くそ、今ので故障したか!」
「グゲェエエエエエッ」
ドラゴンは怒り狂って暴れ始めた。
「ここまで来て終わりなのかよ……」
「諦めちゃダメよ、お兄ちゃん!」
「ミチル、お前は逃げろ」
「嫌よ!」
「お前は妹なんだぞ。こんなところで死ぬべきじゃない」
「そんなの関係ないよ!」
「ミチル……」
「だって私達は家族でしょ? だったら一緒に生きるの!」
「そうだな。俺達はまだ若いんだ。これからいくらでもやり直せる」
「グガアアアアッ!」
ドラゴンが俺達にとどめを刺そうと迫ってくる。
「ミチル、俺から離れるな」
「うん!」
「俺がドラゴンを引きつける。その隙に逃げろ」
「わかった」
「いくぞぉおおっ! おりゃあっ!」
俺はドラゴンに向かって駆け出した。
「こっちだ! 来やがれ!」
「グオォオッ」
ドラゴンは俺に狙いを定め、突進してくる。
「ぐはぁっ」
俺は吹き飛ばされて地面を転がった。
「お兄ちゃん!」
「大丈夫だ。それより早く逃げるんだ」
「うう、お兄ちゃんを置いていけないよ」
「バカ野郎! 俺達は兄妹だ。兄は妹を守るものなんだよ!」
「でも、お兄ちゃんがいなくなったら私はどうやって生きればいいの?」
「安心しろ。そこに勇者がいるだろう? 後の面倒はそいつに見てもらえ」
「あ、そうだ。忘れてた。ちょっとこの剣貸してくれない?」
「なんだ、急に。この剣は君のような女の子が扱える代物ではない」
「いいから、ほらっ。貸してよ早く!」
「おいっ! 何をする気だ! おい! 奪われたああ!」
ミチルは勇者の制止も聞かずに聖剣を手に取った。
「勇者さん、これ借りていくね」
「ああ、だが、それは私の大切な物だから必ず返してくれ」
「わかっているわ」
ミチルはドラゴンの目の前に立ち塞がり、言った。
「さあ、ドラゴンさん。私が相手よ」
「ミチル、お前、どうして?」
「私は決めたの。お兄ちゃんと一緒にいるって。だから絶対に死んであげないわ」
ミチルがそう言うとドラゴンは口を大きく開けた。
「ガアァアアッ!」
「ふふん、遅いのよ!」
ミチルは余裕を持ってドラゴンの攻撃を避け続ける。
「グルルル」
「ほう、よく避けるな」
「スキル鑑定で私にはこの剣の能力も敵味方のステータスも分かる。ゲームなんて所詮は数字のお遊びなんだって!」
「グオオオッ!」
ドラゴンはミチルに噛み付こうとする。
「はい、残念」
しかし、その攻撃は虚しく空を切った。
「グガッ!?」
「あなたの動きなんて丸わかりなのよね」
「グアァアアッ」
ドラゴンは何度も攻撃を仕掛けるが、ミチルはそれを全てかわしていく。俺と勇者は見ながら驚く事しかできなかった。
「あのアイテムってそんなに使えるものだったのか」
「信じられん。聖剣の力をあそこまで引き出せるとは」
「どうしたのかしら? 動きが鈍ってきてるわよ」
「グゥウウッ」
「そろそろ終わらせようかしら。覚悟しなさい」
ミチルはドラゴンの前に躍り出る。
「喰らいなさーい!」
そして、ドラゴンの頭上にジャンプすると、勢い良く回転し始めた。
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