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イタズラ〜暗黒〜
しおりを挟む朝、いつも通り同じ電車に乗って、同じ時間に通学路を歩いて登校。
僕は黙ってクラスに入っていった。
そして、座席に座ると、机の中に手紙が入っていた。
開けて読んでみると、たった一文。
「もうおまえに居場所はない」と書かれてあった。
イタズラにしては、笑えない冗談だった。
僕はクラスを見回した。これを書いた犯人を探してみたのだ。
文字は、とても綺麗な字で書かれていた。
こちらの様子を伺っているやつらはいない。
ってことは、唯以外、全員犯人の可能性もあると思った。
それから、数分後に唯が座席に着くと俺に聞いてきた。
「なんかあった?」
「手紙があった、とても笑えない内容。」
唯に手紙を渡す。
「もしかして、この字って、、、」
「私じゃないよ。こんなの書くわけないでしょ、私の彼氏に。」
唯は、あくまで、俺を彼氏としてみてくれているらしい。
唯は、信用しようと思った。
俺は、この事件自体そこまで気にしなかった。
別にクラスに居場所なんてないと思っていたからだ、あの日から。
それから、この手紙は、日を重ねる毎に枚数が増えていった。内容は全部同じ。コピーしてるのか?と思うくらい。
1週間経った頃には、一日に15枚、丁寧に折りたたんで入っていた。
ご苦労なことでと思っていたが、ついに犯人が行動に出た。
それは、一日の手紙の枚数が20枚になった翌日、ちょうどGWが始まる前の日に起きた。
俺の机がなくなっていた。椅子だけ残っていた。その椅子にも細工が施してあって、座ったら椅子のネジが取れるというオマケまでつけてくれていた。
椅子に座る前に確認していたので、恥ずかしいことは起きなかったが、机がないのでは、授業は受けられない。俺の中では、犯人は椅子に座ってくれなかったことを悔しがっているだろう。それだけで気分は良かった。
だが、学校にいる意味もないと思い、帰ろうとしたが、担任の奥野先生に見つかってしまった。
奥野先生は、「かばんを持ってどこ行くの?」と聞いてきた。
俺は、「忘れ物」って言って去ろうとしたが、止められ教室に連れ戻された。
唯は座席にいたが、隣りにあるはずの机がないことに気付いて、なんにも言えない状態だった。
先生は、俺が座らないことを察し、クラス全員の前で聞いた。
「中井くんの机を隠した人は誰?」
分かっていたが、誰も名乗り出ない。
俺は、帰りたくて仕方なかった。
先生はそんなことさせたくなかったらしいのと、これは学校全体の問題として扱うとまで言い出した。
俺は、まず学年主任と呼ばれる先生のところに行かされた。
奥野先生が今日あった事情を話す。
すると、学年主任は俺に何かしたのかと言ってきた。
別に悪いことをしたわけではないが、事情を話す気にはなれなかった。恋愛絡みだなんて、言えなかった。
だから、あえて知らないと答えた。
「知らないわけないだろう、そうでなければ、机がなくなることはないはずだ。」
当たり前の返しだった。
だが、そもそも、なぜ、机が消えたのか。
どこに持っていける?と俺には疑問が浮かんだ。
机が見つかっていないのだから。
そう考えていると、学年主任から言われた。
「田辺 唯とのことだろ。」
学年主任の顔は真剣だった。さすがの俺も観念した。
「はい、多分、そうだと思います。」
そう言って、50枚程あった手紙を学年主任に見せた。
「日にちが経つにつれて増えてった手紙です。」
すべての内容を確認していた、何枚か「殺すぞ」と書いてあったものも。
俺は、隔離教室というものがあり、そこで自習をさせられることになった。
机や犯人が見つかるまでは、この教室で勉強だと言うのだ。
めんどうなことになったなと自分で後悔し、自習勉強を強いられることになったのだ。
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