父に頼まれて契約結婚することになりましたが…色々な意味で退屈せずに過ごせそうですね!

ゆずこしょう

文字の大きさ
1 / 43
結婚ですか…?

結婚ですか…

しおりを挟む
「フフフ…今回の商品も上々の売れ行きね…」


店先で大好きなお金が入った袋を見ながらうっとりしていると侍女であるモニカが話しかけてきた。


「マーガレットお嬢様…お外でそのようなお顔はやめてください。皆様がみております…」


「仕方がないじゃない…私の唯一の趣味なのよ?」


昔から「女性は愛されてこそよ。」なんてよく言われたけれど、私はその言葉が何故だか胡散臭い言葉にしか聞こえなかった。


もしかしたら父が母親に捨てられているのか原因だったりするのかもしれないけれど…


それに比べてお金は嘘をつかないし、頑張ったら頑張った分だけ戻ってくる。それにお金が有ることで得ることが出来る信用もあるのだ。


下手な口約束に比べればどれだけ安心か…


人は愛せる自信がないけれど、お金ならいくらでも愛せる。


「お嬢様。そのお顔を人にも向けることが出来ればすぐ婚約者が見つかりますよ…」


私が小さい頃から専属侍女として働いてくれているモニカは私の事を誰よりもよく知っているためか、ズバズバと言いたいことを言ってくる。


まぁ、人の機微に疎い私にとっては下手に隠されたり、裏で色々陰口を言われるよりも気持ちを吐き出してくれた方が有難いのだけと…


「今どんな顔しているか分からないけれど…仕方がないわ…だって私の金貨ちゃんたちがこちらを見つめてくるんだもの…」


にやにやしてしまっているのは申し訳ないけれど、こればかりは仕方がないのだ。なんと言っても私が愛してやまない金貨ちゃんを相手にしているのだから…。


「はぁ…取り敢えず旦那様から午後書斎に来るよう仰っていましたので帰りましょう。」


私の首根っこを掴んでズルズル引き摺るモニカ。
このまま私が金貨をずっと見ていると埒が明かないとでも思ったのだろう。


そ、それにしても首が苦しい…。


「わ、わ、わかったわ!自分で歩くから引き摺るのはやめてちょうだい。」


「分かりました。」
パッと手を離して歩き出すモニカ。急に手を離すから転びそうになってしまった。


それにしてもお父様から呼び出されるなんて珍しいこともあるものだ。家族のことを大事にはしているのだろうけど、なかなか顔を合わせる機会が無い。
この国の財務長を務めていて忙しいことも知っているから私も弟も文句は言わないけど…



家に帰ると直接書斎に向かった。


「お父様…マーガレットです。お待たせして申し訳ごさいません。」


「大丈夫だ。急に呼んですまないな。それで早速本題なんだが…お前にはフェザリス公爵と結婚をして欲しいのだ。」





……

………



「え?」







「結婚ですか…?」



まさか自分が結婚の話をされるとは思ってもいなかった。



ジェラール・フェザリス。


5年前…前フェザリス公爵が亡くなりその跡を継いだのがジェラール様だったと記憶している。私の2つ年上で20歳だったはずだ。


「確か、ジェラール様には婚約者がいたはずではありませんか?」


まるで絵に書いたように綺麗で整った顔立ちに、15歳という若さで公爵となったジェラール様は女性達の間ですごい人気だったと記憶している。それも婚約者ができたことで、少し落ち着いたようだけど…。


そんなジェラール様の心を見事に射止めたのがクリスティーナ王女殿下だった…はずだけど…?


「それがな…その婚約はなかったことになったのだ。」


え?結婚式の日取りまで決まっていたのに…?


「クリスティーナ王女殿下には実は別に好きな男がいたらしくてな。その男の子を身篭っているらしい…」


私はお父様の言葉に唖然とする。
才色兼備とも言われ、誰にでも分け隔てなく優しいクリスティーナ様が…他に好きな男性がいて、しかも相手の子を身篭るなんで…全くもって世も末である。


「それで、私にクリスティーナ王女殿下の代わりになれとそういう事ですか?そもそもジェラール様はこの事を知っているのですか?」


「知っている。それにな今回のことはクリスティーナ王女殿下が原因では無いのだ…」


お父様はため息を着いてからぽつりぽつりと話し出した。


そもそも2人が婚約したのは周りがうるさかったから婚約したらしいのだが、2人には別に好きな人がいた。そして2人の好きな人は貴族ではなく平民だった。


「王女殿下と公爵が平民と恋愛なんて。私はなにか物語を聞かされているのですか?」

正直恋愛に興味のない私からすると話を聞いているだけで目眩がしてくる。

「そう思う気持ちもわかるが、残念ながら本当の話だ。」

それからも話は続き…食べてもいない甘いケーキを30個くらい食べたような気持ちになってしまうくらいには私にとって地獄だったと伝えておこう。


「要するに2人には別に好きな人がいた。そして王女殿下には子供もいる。だから別れることになった。ということですね。それで何故私が出てくるのですか?」


そもそもフェザリス公爵にも恋人がいるならその人と結婚すれば丸く収まるんじゃないかと思うのだけど。私が結婚する意味なんか全然ないだろう。



「それがな…相手の女性はフェザリス公爵と結婚したくないらしい。」


しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

聖女を騙った罪で追放されそうなので、聖女の真の力を教えて差し上げます

香木陽灯
恋愛
公爵令嬢フローラ・クレマンは、首筋に聖女の証である薔薇の痣がある。それを知っているのは、家族と親友のミシェルだけ。 どうして自分なのか、やりたい人がやれば良いのにと、何度思ったことか。だからミシェルに相談したの。 「私は聖女になりたくてたまらないのに!」 ミシェルに言われたあの日から、私とミシェルの二人で一人の聖女として生きてきた。 けれど、私と第一王子の婚約が決まってからミシェルとは連絡が取れなくなってしまった。 ミシェル、大丈夫かしら?私が力を使わないと、彼女は聖女として振る舞えないのに…… なんて心配していたのに。 「フローラ・クレマン!聖女の名を騙った罪で、貴様を国外追放に処す。いくら貴様が僕の婚約者だったからと言って、許すわけにはいかない。我が国の聖女は、ミシェルただ一人だ」 第一王子とミシェルに、偽の聖女を騙った罪で断罪させそうになってしまった。 本気で私を追放したいのね……でしたら私も本気を出しましょう。聖女の真の力を教えて差し上げます。

見た目が地味で聖女に相応しくないと言われ追放された私は、本来の見た目に戻り隣国の聖女となりました

黒木 楓
恋愛
 モルドーラ国には2人の聖女が居て、聖女の私シーファは先輩聖女サリナによって地味な見た目のままでいるよう命令されていた。  先輩に合わせるべきだと言われた私は力を抑えながら聖女活動をしていると、ある日国王に呼び出しを受けてしまう。  国王から「聖女は2人も必要ないようだ」と言われ、モルドーラ国は私を追い出すことに決めたらしい。   どうやらこれはサリナの計画通りのようで、私は国を出て住む場所を探そうとしていると、ゼスタと名乗る人に出会う。  ゼスタの提案を受けて聖女が居ない隣国の聖女になることを決めた私は、本来の見た目で本来の力を使うことを決意した。  その後、どうやら聖女を2人用意したのはモルドーラ国に危機が迫っていたからだと知るも、それに関しては残ったサリナがなんとかするでしょう。

【完結】次期聖女として育てられてきましたが、異父妹の出現で全てが終わりました。史上最高の聖女を追放した代償は高くつきます!

林 真帆
恋愛
マリアは聖女の血を受け継ぐ家系に生まれ、次期聖女として大切に育てられてきた。  マリア自身も、自分が聖女になり、全てを国と民に捧げるものと信じて疑わなかった。  そんなマリアの前に、異父妹のカタリナが突然現れる。  そして、カタリナが現れたことで、マリアの生活は一変する。  どうやら現聖女である母親のエリザベートが、マリアを追い出し、カタリナを次期聖女にしようと企んでいるようで……。 2022.6.22 第一章完結しました。 2022.7.5 第二章完結しました。 第一章は、主人公が理不尽な目に遭い、追放されるまでのお話です。 第二章は、主人公が国を追放された後の生活。まだまだ不幸は続きます。 第三章から徐々に主人公が報われる展開となる予定です。

戦姫のトロイメライ~断罪される未来が視えたので先に死んだことにしました

志熊みゅう
恋愛
 十三歳の誕生日、侯爵令嬢エディット・ユングリングは、自分が死ぬ瞬間を"夢"に視た。  卒業舞踏会で、婚約者であるフィーラ帝国・第一皇子マティアス殿下から、身に覚えのない罪で断罪され、捕らえられる。傍らでは見知らぬピンクブロンドの令嬢が不敵に微笑む。貴族牢のある北の古城に連行される途中、馬車ごと“死の谷”へと落ちていった――そんな妙に生々しい夢。  マティアス殿下は聡明で優しく、エディットを大切にしているように見えた。だから誰もその"夢"のことを気に留めなかった。しかし、兄の怪我、愛猫の死、そして大干ばつ――エディットの"夢"は次々と現実になっていく。ある日、エディットは気づく。この"夢"が、母の祖国・トヴォー王国の建国の軍師と同じ異能――"未来視"であることに。  その頃、一年早く貴族学院に入学したマティアス殿下は、皇宮から解放され、つかの間の自由を知った。そして、子爵令嬢ライラに懸想するようになる。彼女は、"夢"の中で冷酷に微笑むあの令嬢に瓜二つ。エディットは自分が視た"夢"が少しずつ現実になっていくことに恐怖した。そんな時に視た、黒髪の令息が「愛しているよ」と優しくはにかむ、もう一つの『未来』。エディットは決心する。  ――断罪される未来を変えたい。もう一つの未来を自分で選び取る。  彼女は断罪される前に、家族と共に自らの死を偽装し、トヴォー王国へと身を隠す。選び取った未来の先で、エディットは『戦姫』として新たな運命の渦に飲まれていく――。  断罪の未来を捨て、愛する者のために戦う令嬢の恋愛ファンタジー!

転生幼女は追放先で総愛され生活を満喫中。前世で私を虐げていた姉が異世界から召喚されたので、聖女見習いは不要のようです。

桜城恋詠
ファンタジー
 聖女見習いのロルティ(6)は、五月雨瑠衣としての前世の記憶を思い出す。  異世界から召喚された聖女が、自身を虐げてきた前世の姉だと気づいたからだ。  彼女は神官に聖女は2人もいらないと教会から追放。  迷いの森に捨てられるが――そこで重傷のアンゴラウサギと生き別れた実父に出会う。 「絶対、誰にも渡さない」 「君を深く愛している」 「あなたは私の、最愛の娘よ」  公爵家の娘になった幼子は腹違いの兄と血の繋がった父と母、2匹のもふもふにたくさんの愛を注がれて暮らす。  そんな中、養父や前世の姉から命を奪われそうになって……?  命乞いをしたって、もう遅い。  あなたたちは絶対に、許さないんだから! ☆ ☆ ☆ ★ベリーズカフェ(別タイトル)・小説家になろう(同タイトル)掲載した作品を加筆修正したものになります。 こちらはトゥルーエンドとなり、内容が異なります。 ※9/28 誤字修正

偽聖女に全てを奪われましたが、メイドから下剋上します。

ぽんぽこ@3/28新作発売!!
恋愛
孤児のアカーシャは貧乏ながらも、街の孤児院で幸せに過ごしていた。 しかしのちの聖女となる少女に騙され、家も大好きな母も奪われてしまう。 全てを失い絶望するアカーシャだったが、貴族の家のメイド(ステップガール)となることでどうにか生き延びていた。 マイペースなのに何故か仕事は早いアカーシャはその仕事ぶりを雇い主に認められ、王都のメイド学校へ入学することになる。 これをきっかけに、遂に復讐への一歩を進みだしたアカーシャだったが、王都で出逢ったジークと名乗る騎士を偶然助けたことで、彼女の運命は予想外の展開へと転がり始める。 「私が彼のことが……好き?」 復讐一筋だったアカーシャに、新たな想いが芽生えていく。

【完結】奇跡のおくすり~追放された薬師、実は王家の隠し子でした~

いっぺいちゃん
ファンタジー
薬草と静かな生活をこよなく愛する少女、レイナ=リーフィア。 地味で目立たぬ薬師だった彼女は、ある日貴族の陰謀で“冤罪”を着せられ、王都の冒険者ギルドを追放されてしまう。 「――もう、草とだけ暮らせればいい」 絶望の果てにたどり着いた辺境の村で、レイナはひっそりと薬を作り始める。だが、彼女の薬はどんな難病さえ癒す“奇跡の薬”だった。 やがて重病の王子を治したことで、彼女の正体が王家の“隠し子”だと判明し、王都からの使者が訪れる―― 「あなたの薬に、国を救ってほしい」 導かれるように再び王都へと向かうレイナ。 医療改革を志し、“薬師局”を創設して仲間たちと共に奔走する日々が始まる。 薬草にしか心を開けなかった少女が、やがて王国の未来を変える―― これは、一人の“草オタク”薬師が紡ぐ、やさしくてまっすぐな奇跡の物語。 ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

お前など家族ではない!と叩き出されましたが、家族になってくれという奇特な騎士に拾われました

蒼衣翼
恋愛
アイメリアは今年十五歳になる少女だ。 家族に虐げられて召使いのように働かされて育ったアイメリアは、ある日突然、父親であった存在に「お前など家族ではない!」と追い出されてしまう。 アイメリアは養子であり、家族とは血の繋がりはなかったのだ。 閉じ込められたまま外を知らずに育ったアイメリアは窮地に陥るが、救ってくれた騎士の身の回りの世話をする仕事を得る。 養父母と義姉が自らの企みによって窮地に陥り、落ちぶれていく一方で、アイメリアはその秘められた才能を開花させ、救い主の騎士と心を通わせ、自らの居場所を作っていくのだった。 ※小説家になろうさま・カクヨムさまにも掲載しています。

処理中です...