父に頼まれて契約結婚することになりましたが…色々な意味で退屈せずに過ごせそうですね!

ゆずこしょう

文字の大きさ
30 / 43
フェザリス領~作戦開始~

木を隠すなら森の中作戦

しおりを挟む
ディーの所に行くと、ディーは険しい顔をしながら地図を見ていた。

恐らくフェザリス領の地図だろう。

「ディー。話は聞いたわ!辺りを囲んでいるのはやっぱり…」


「あぁ、アニエスのようだ。あとサフィールが言うのはトマッティーノ前公爵もいるらしい。」


「えぇ…そのことについてはクレソンから聞いてる。それでこれからどうするつもり?」


昔からディーは集中すると口数が少なくなる。今も集中しているのだろう。普段のヘラヘラした感じは全く見えない。

いつもこの位やる気を持ってくれれば良いのにと思うけど、ディーはこのくらいが丁度いい気がする。
王族がずっと険しい顔をしていると、近寄りがたくなってしまうだろうし、意見も言いづらくなって、いつの間にか恐怖政治…なんて形になってしまいそうだ。


「んー…取り敢えずここで盗賊団を壊滅させるか退かさなければならないだろうな。領民に被害が出るのは避けたいが…」


「そうね…まずは領民の安全確保と、ディー。あなたの安全確保もしなくてはならないわ。」

ディーは王太子殿下。代わりはいないのだから守らなくてはならない。

ディーは特別扱いするなといつも怒るけど、こればかりは仕方がないのだ…。

「わかっている。取り敢えず…どの辺に敵が多いか含めて確認しなくては動けん。恐らく王都のへ続く道は塞がれているだろうしな…。」


「現状、クリストフが何をしているかも気になるわね?クリスティーナは大丈夫かしら…。」


クリスティーナだってずっとこのまま生かされているということは無いだろう。王女だし、子供の母でもある。マーガレットに成り変わることで何とか生きているだけだ。

恐らくアニエスもジェラールが居なくなればこの公爵領にいれなくなることはわかっているだろうし、マーガレットを隠れ蓑にしておくのが1番いいと考えているはずだ。

「今すぐに、どうこうされることは無いさ。ここまでなかったんだからな。ただ、一度邸の中に入る必要はあるな。クレソン。老人の行方は掴めたか?」


「それが…まだですね。あと探せていないのは…邸だけなのですが…」

クリスティーナから手紙を預かることが出来る時点で邸の中にいる可能性が1番でしょう。

「そう言えばドレスが1着、仮縫いだけど形になっていたわ。それを持って邸に行ってきましょう。その時にクリスティーナに手紙を渡すわ…バレないようにあぶり出しの手紙にしましょう。モニカ、レモンか…ミカンのような柑橘系の果物あるかしら?」

この方法なら以前同じことをしていたしクリスティーナも気づくだろう。あとは文字をみてばれないように当たり障りない言葉で頭文字を繋げるとわかるようにしましょうか。

「ございます。」

私が何をしたいのか理解してくれたようで急いで準備するモニカ。その間にスージーにもお使いを…


「スージー貴方は…「分かっております!お義姉様!マルグリット商会の皆さんがいらっしゃる宿まで行ってまいりますね。サフィー…ついてきてちょうだい!」」


食い気味で鼻をフンフン言わせながらやる気を見せるスージー。空回りしなければいいけど…

スージーに腕を掴まれて「ちょ、なんで俺が!?」と言いながら渋々ついて行くサフィール。


とりあえずサフィールが付いて行くようだし少し安心かしら。


2人に指示を出した後、私は1度宿に戻りマルグリットに変装をした。


⟡.·*.··············································⟡.·*.

ディグレッド視点。

マーガレットがクリスティーナとクリストフの様子を見てきてくれると言うので、こちらはこちらで動くことにした。

地図を見ていて思ったことがある。クリストフが邸を拠点にしているということはもしかするも邸にも仲間が入り込んでいる可能性があるということだ。
この領地の作りが半円の形になっていて一番奥にフェザリス邸がある。もし半円部分を、全て囲まれているとしたら…正直言って逃げ場がない状態だ。


「ここから王都までの道は1つしかない…団長、外の様子はどうだった?」


「囲まれてますね。見たとこざっと2000人くらいいるでしょうか。よく集めたなと感心してしまったくらいです。」

2000か…
団長が言うように2000集めるのにも労力が居る。アニエスはずっと、フェザリス家にいたくらいだし別で動いたヤツがいるんだろうが…


おそらくクリストフだろうな。

商人の息子と言うだけあってやたらと口が回るから、言いくるめられた貴族連中も居そうだ。


特にトマトーノだったか。あいつもそうだろう…。


「こっちは今何人だ。」


「王国騎士団で連れてきているのは精鋭の連中30人くらいです。あとは…ここの領地の騎士団ですが先ほど詰所を見に行ったら50行くか行かないかでした。なんでも先日急に辞めた連中がいるそうです。」


「急に辞めたというのは…」


「えぇ。恐らく…あちらのお仲間さんかと思います。」


なるほどな。5年もあれば人を潜り込ませるなんてし放題だもんな。

団長とどのように逃げるかと考えているとマーガレットが変装した姿で戻ってきた。


「私にいい考えがあるわ!木を隠すなら森の中と言うじゃない?なら人を隠すなら2000人の中よ!!」

ビシッと前に人差し指を出しながら決めポーズをしているつもりなんだろうが…

見た目と全くあっていないぞマーガレット…

まぁ、そんな姿も可愛いんだがな…。







しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

聖女を騙った罪で追放されそうなので、聖女の真の力を教えて差し上げます

香木陽灯
恋愛
公爵令嬢フローラ・クレマンは、首筋に聖女の証である薔薇の痣がある。それを知っているのは、家族と親友のミシェルだけ。 どうして自分なのか、やりたい人がやれば良いのにと、何度思ったことか。だからミシェルに相談したの。 「私は聖女になりたくてたまらないのに!」 ミシェルに言われたあの日から、私とミシェルの二人で一人の聖女として生きてきた。 けれど、私と第一王子の婚約が決まってからミシェルとは連絡が取れなくなってしまった。 ミシェル、大丈夫かしら?私が力を使わないと、彼女は聖女として振る舞えないのに…… なんて心配していたのに。 「フローラ・クレマン!聖女の名を騙った罪で、貴様を国外追放に処す。いくら貴様が僕の婚約者だったからと言って、許すわけにはいかない。我が国の聖女は、ミシェルただ一人だ」 第一王子とミシェルに、偽の聖女を騙った罪で断罪させそうになってしまった。 本気で私を追放したいのね……でしたら私も本気を出しましょう。聖女の真の力を教えて差し上げます。

見た目が地味で聖女に相応しくないと言われ追放された私は、本来の見た目に戻り隣国の聖女となりました

黒木 楓
恋愛
 モルドーラ国には2人の聖女が居て、聖女の私シーファは先輩聖女サリナによって地味な見た目のままでいるよう命令されていた。  先輩に合わせるべきだと言われた私は力を抑えながら聖女活動をしていると、ある日国王に呼び出しを受けてしまう。  国王から「聖女は2人も必要ないようだ」と言われ、モルドーラ国は私を追い出すことに決めたらしい。   どうやらこれはサリナの計画通りのようで、私は国を出て住む場所を探そうとしていると、ゼスタと名乗る人に出会う。  ゼスタの提案を受けて聖女が居ない隣国の聖女になることを決めた私は、本来の見た目で本来の力を使うことを決意した。  その後、どうやら聖女を2人用意したのはモルドーラ国に危機が迫っていたからだと知るも、それに関しては残ったサリナがなんとかするでしょう。

【完結】次期聖女として育てられてきましたが、異父妹の出現で全てが終わりました。史上最高の聖女を追放した代償は高くつきます!

林 真帆
恋愛
マリアは聖女の血を受け継ぐ家系に生まれ、次期聖女として大切に育てられてきた。  マリア自身も、自分が聖女になり、全てを国と民に捧げるものと信じて疑わなかった。  そんなマリアの前に、異父妹のカタリナが突然現れる。  そして、カタリナが現れたことで、マリアの生活は一変する。  どうやら現聖女である母親のエリザベートが、マリアを追い出し、カタリナを次期聖女にしようと企んでいるようで……。 2022.6.22 第一章完結しました。 2022.7.5 第二章完結しました。 第一章は、主人公が理不尽な目に遭い、追放されるまでのお話です。 第二章は、主人公が国を追放された後の生活。まだまだ不幸は続きます。 第三章から徐々に主人公が報われる展開となる予定です。

戦姫のトロイメライ~断罪される未来が視えたので先に死んだことにしました

志熊みゅう
恋愛
 十三歳の誕生日、侯爵令嬢エディット・ユングリングは、自分が死ぬ瞬間を"夢"に視た。  卒業舞踏会で、婚約者であるフィーラ帝国・第一皇子マティアス殿下から、身に覚えのない罪で断罪され、捕らえられる。傍らでは見知らぬピンクブロンドの令嬢が不敵に微笑む。貴族牢のある北の古城に連行される途中、馬車ごと“死の谷”へと落ちていった――そんな妙に生々しい夢。  マティアス殿下は聡明で優しく、エディットを大切にしているように見えた。だから誰もその"夢"のことを気に留めなかった。しかし、兄の怪我、愛猫の死、そして大干ばつ――エディットの"夢"は次々と現実になっていく。ある日、エディットは気づく。この"夢"が、母の祖国・トヴォー王国の建国の軍師と同じ異能――"未来視"であることに。  その頃、一年早く貴族学院に入学したマティアス殿下は、皇宮から解放され、つかの間の自由を知った。そして、子爵令嬢ライラに懸想するようになる。彼女は、"夢"の中で冷酷に微笑むあの令嬢に瓜二つ。エディットは自分が視た"夢"が少しずつ現実になっていくことに恐怖した。そんな時に視た、黒髪の令息が「愛しているよ」と優しくはにかむ、もう一つの『未来』。エディットは決心する。  ――断罪される未来を変えたい。もう一つの未来を自分で選び取る。  彼女は断罪される前に、家族と共に自らの死を偽装し、トヴォー王国へと身を隠す。選び取った未来の先で、エディットは『戦姫』として新たな運命の渦に飲まれていく――。  断罪の未来を捨て、愛する者のために戦う令嬢の恋愛ファンタジー!

転生幼女は追放先で総愛され生活を満喫中。前世で私を虐げていた姉が異世界から召喚されたので、聖女見習いは不要のようです。

桜城恋詠
ファンタジー
 聖女見習いのロルティ(6)は、五月雨瑠衣としての前世の記憶を思い出す。  異世界から召喚された聖女が、自身を虐げてきた前世の姉だと気づいたからだ。  彼女は神官に聖女は2人もいらないと教会から追放。  迷いの森に捨てられるが――そこで重傷のアンゴラウサギと生き別れた実父に出会う。 「絶対、誰にも渡さない」 「君を深く愛している」 「あなたは私の、最愛の娘よ」  公爵家の娘になった幼子は腹違いの兄と血の繋がった父と母、2匹のもふもふにたくさんの愛を注がれて暮らす。  そんな中、養父や前世の姉から命を奪われそうになって……?  命乞いをしたって、もう遅い。  あなたたちは絶対に、許さないんだから! ☆ ☆ ☆ ★ベリーズカフェ(別タイトル)・小説家になろう(同タイトル)掲載した作品を加筆修正したものになります。 こちらはトゥルーエンドとなり、内容が異なります。 ※9/28 誤字修正

偽聖女に全てを奪われましたが、メイドから下剋上します。

ぽんぽこ@3/28新作発売!!
恋愛
孤児のアカーシャは貧乏ながらも、街の孤児院で幸せに過ごしていた。 しかしのちの聖女となる少女に騙され、家も大好きな母も奪われてしまう。 全てを失い絶望するアカーシャだったが、貴族の家のメイド(ステップガール)となることでどうにか生き延びていた。 マイペースなのに何故か仕事は早いアカーシャはその仕事ぶりを雇い主に認められ、王都のメイド学校へ入学することになる。 これをきっかけに、遂に復讐への一歩を進みだしたアカーシャだったが、王都で出逢ったジークと名乗る騎士を偶然助けたことで、彼女の運命は予想外の展開へと転がり始める。 「私が彼のことが……好き?」 復讐一筋だったアカーシャに、新たな想いが芽生えていく。

【完結】奇跡のおくすり~追放された薬師、実は王家の隠し子でした~

いっぺいちゃん
ファンタジー
薬草と静かな生活をこよなく愛する少女、レイナ=リーフィア。 地味で目立たぬ薬師だった彼女は、ある日貴族の陰謀で“冤罪”を着せられ、王都の冒険者ギルドを追放されてしまう。 「――もう、草とだけ暮らせればいい」 絶望の果てにたどり着いた辺境の村で、レイナはひっそりと薬を作り始める。だが、彼女の薬はどんな難病さえ癒す“奇跡の薬”だった。 やがて重病の王子を治したことで、彼女の正体が王家の“隠し子”だと判明し、王都からの使者が訪れる―― 「あなたの薬に、国を救ってほしい」 導かれるように再び王都へと向かうレイナ。 医療改革を志し、“薬師局”を創設して仲間たちと共に奔走する日々が始まる。 薬草にしか心を開けなかった少女が、やがて王国の未来を変える―― これは、一人の“草オタク”薬師が紡ぐ、やさしくてまっすぐな奇跡の物語。 ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

お前など家族ではない!と叩き出されましたが、家族になってくれという奇特な騎士に拾われました

蒼衣翼
恋愛
アイメリアは今年十五歳になる少女だ。 家族に虐げられて召使いのように働かされて育ったアイメリアは、ある日突然、父親であった存在に「お前など家族ではない!」と追い出されてしまう。 アイメリアは養子であり、家族とは血の繋がりはなかったのだ。 閉じ込められたまま外を知らずに育ったアイメリアは窮地に陥るが、救ってくれた騎士の身の回りの世話をする仕事を得る。 養父母と義姉が自らの企みによって窮地に陥り、落ちぶれていく一方で、アイメリアはその秘められた才能を開花させ、救い主の騎士と心を通わせ、自らの居場所を作っていくのだった。 ※小説家になろうさま・カクヨムさまにも掲載しています。

処理中です...