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出会いは突然に…
アルデール樹海。
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⟡.·*.··············································⟡.·*.
リュシアン視点。
父上と母上に背中を押されアルデール樹海を目指すことにしてから数日がたった。
この数日は仕事の引き継ぎなどで忙しく、あっという間に時間が過ぎて行ったように思う。
今まで俺が行ってきた仕事はガブリエルと、サミュエル王太子殿下のもう1人の側近、エミールが行ってくれることになっている。
父上たちに挨拶をすると俺は家を出た。
アルデール樹海まではここから1日も掛からずに着く。そう、アルデール樹海までは近いのだ。
「問題はアルデール樹海からその先か…」
アルデール樹海からアルデール国までどのくらいかかるのだろうか。
地図などを見ても大きくかっ「アルデール樹海」と書いてあるだけで、それ以外の詳細が載っていない…
どれだけ歩くのかも分からないのだが…
何故かさっきから気になる奴が1人いる。
「そうだな!で、リュシアン…この後はどうする?」
「って、なんでお前がいるんだ!?サミュエル…」
「だって、アルデール国に行くんだろう?俺も行ってみたかったしさぁ…アルデール国の人達がどんな人達なのか気になるじゃないか!!」
ニヤニヤしながらこちらを見ている感じ…絶対面白いから着いてきたんだろうな。それに付き人を誰もつけていないところを見ると…
「はぁ…また誰にも言わずに来たのか。今頃大騒ぎしているぞ…」
「それは大丈夫だ。一応書置はしてきたからな!!それで、この後はどうするんだ?」
樹海の前まで来てみたはいいが、やたらとキラキラ光っているというか…神々しいという言葉があっているだろうか。とても綺麗だ…
「取り敢えず俺はリディアーヌ嬢に会いたいからな…この樹海の中に入る。お前はここで待っていてくれても構わないぞ。」
いや、むしろ王太子なんだからこのまま帰ってくれ。
「何言ってるんだよ!ついて行くに決まってるだろ?」
それだけ言うと俺よりも先き樹海の中に入っておくサミュ。本当に度胸があるというか、好奇心が旺盛というか…
昔からすごいやつだよ。本当に…
俺はサミュの後に続き、樹海の中へ入った。
樹海の中に入ってみると、思っていた以上に明るくて吃驚する。
「もっと暗い雰囲気かと思っていたが、そんなことも無いんだな。」
サミュも同じように思ったのだろう…俺はその言葉に頷いてゆっくり前に進んでいくと、不思議なことが起こり始めた。
「木がゆっくり移動している…?」
「リュシーも同じことを感じたか…?」
ずっと木を見ているからか、一瞬錯覚かとも思ったがどうやら本当に気が動いているらしい。後ろを振り返ると先程まで通ってきた道は無くなっていく。
きっとこれが皆が迷って帰れなくなる正体なのだろう。木に目印を付けようが木が移動して分からなくなってしまうのだ。
「あぁ…これは本当に生きている樹海だ。」
俺達は後ろを振り返ること無くただ前だけ見て進み続けた。
⟡.·*.··············································⟡.·*.
リディアーヌ視点。
オデール公爵家改め、アルデール国は毎日朝から晩まで大忙しだ。
それもそのはず…この国がセリエール国となっていたときこの国の貴族達をそのままにしておく訳には行かなかったため、爵位を返上してもらい、それぞれの領地の長として動いてもらっていたのだ。
それを機に再度貴族籍に戻って貰えるよう話し合いが行われていた。
だが、この話し合いが意外にも上手く進まず。
皆が口を揃えて言うのだ。
「今の方がいいです。貴族籍は必要ないので今まで通りでお願いします…」と…
理由を聞いてみると、領民たちとの距離が近くなったお陰でより良い関係が築けている。
とか、
貴族というしがらみがない分自由に過ごせる。
とか、
貴族の相手は面倒…
とか…
そんな回答ばかり…
これにはお父様もお兄様も頭を悩ませていた。
「だったら、アルデール国という国の名前だけ作っていつも通りでいいんじゃないでしょうか。あとは貴族にせず、領主として働いてもらう。何かあれば領主会議を行って決めていく。これで行きましょう!」
今円滑に動いているもの下手に変更して良くない方向に動くのであれば今の方が絶対いい。
いい方向に変わる自信があるのであれば、話は別だけど…セリエール国で貴族達に囲まれてきた私からすれば良いことなんてひとつもなかった…。
「差別の無い国を作りましょう。貴族を作らず上手く国を回す方法を考える。それも私たちの仕事だと思いますわ。それに私たちは他の人たちと違って少しばかり寿命が長いんです。時間はたっぷりあります。」
尖った耳を少し動かしながら話すと、お父様も言いたいことがわかったのだろう。
「そうだな。これを機に法治国家を目指すことも1つかもしれん。国民のための国を作ろう。」
そう、法治国家にしようと決めたまでは良かったのだが、ここからが話がまとまらなかったのだ…
それもそのはず、この国の半分以上は外の国を知らない人ばかり。知っているのはひと握り。
物事を知らないものが多かった…
その点、私はセリエール国にいたから色々知ってはいる。でも知っているだけだ。
それ以上なにかするには誰かの力が必要になってくる…
そんな時、辺りの木がザワザワとし始めた。
リュシアン視点。
父上と母上に背中を押されアルデール樹海を目指すことにしてから数日がたった。
この数日は仕事の引き継ぎなどで忙しく、あっという間に時間が過ぎて行ったように思う。
今まで俺が行ってきた仕事はガブリエルと、サミュエル王太子殿下のもう1人の側近、エミールが行ってくれることになっている。
父上たちに挨拶をすると俺は家を出た。
アルデール樹海まではここから1日も掛からずに着く。そう、アルデール樹海までは近いのだ。
「問題はアルデール樹海からその先か…」
アルデール樹海からアルデール国までどのくらいかかるのだろうか。
地図などを見ても大きくかっ「アルデール樹海」と書いてあるだけで、それ以外の詳細が載っていない…
どれだけ歩くのかも分からないのだが…
何故かさっきから気になる奴が1人いる。
「そうだな!で、リュシアン…この後はどうする?」
「って、なんでお前がいるんだ!?サミュエル…」
「だって、アルデール国に行くんだろう?俺も行ってみたかったしさぁ…アルデール国の人達がどんな人達なのか気になるじゃないか!!」
ニヤニヤしながらこちらを見ている感じ…絶対面白いから着いてきたんだろうな。それに付き人を誰もつけていないところを見ると…
「はぁ…また誰にも言わずに来たのか。今頃大騒ぎしているぞ…」
「それは大丈夫だ。一応書置はしてきたからな!!それで、この後はどうするんだ?」
樹海の前まで来てみたはいいが、やたらとキラキラ光っているというか…神々しいという言葉があっているだろうか。とても綺麗だ…
「取り敢えず俺はリディアーヌ嬢に会いたいからな…この樹海の中に入る。お前はここで待っていてくれても構わないぞ。」
いや、むしろ王太子なんだからこのまま帰ってくれ。
「何言ってるんだよ!ついて行くに決まってるだろ?」
それだけ言うと俺よりも先き樹海の中に入っておくサミュ。本当に度胸があるというか、好奇心が旺盛というか…
昔からすごいやつだよ。本当に…
俺はサミュの後に続き、樹海の中へ入った。
樹海の中に入ってみると、思っていた以上に明るくて吃驚する。
「もっと暗い雰囲気かと思っていたが、そんなことも無いんだな。」
サミュも同じように思ったのだろう…俺はその言葉に頷いてゆっくり前に進んでいくと、不思議なことが起こり始めた。
「木がゆっくり移動している…?」
「リュシーも同じことを感じたか…?」
ずっと木を見ているからか、一瞬錯覚かとも思ったがどうやら本当に気が動いているらしい。後ろを振り返ると先程まで通ってきた道は無くなっていく。
きっとこれが皆が迷って帰れなくなる正体なのだろう。木に目印を付けようが木が移動して分からなくなってしまうのだ。
「あぁ…これは本当に生きている樹海だ。」
俺達は後ろを振り返ること無くただ前だけ見て進み続けた。
⟡.·*.··············································⟡.·*.
リディアーヌ視点。
オデール公爵家改め、アルデール国は毎日朝から晩まで大忙しだ。
それもそのはず…この国がセリエール国となっていたときこの国の貴族達をそのままにしておく訳には行かなかったため、爵位を返上してもらい、それぞれの領地の長として動いてもらっていたのだ。
それを機に再度貴族籍に戻って貰えるよう話し合いが行われていた。
だが、この話し合いが意外にも上手く進まず。
皆が口を揃えて言うのだ。
「今の方がいいです。貴族籍は必要ないので今まで通りでお願いします…」と…
理由を聞いてみると、領民たちとの距離が近くなったお陰でより良い関係が築けている。
とか、
貴族というしがらみがない分自由に過ごせる。
とか、
貴族の相手は面倒…
とか…
そんな回答ばかり…
これにはお父様もお兄様も頭を悩ませていた。
「だったら、アルデール国という国の名前だけ作っていつも通りでいいんじゃないでしょうか。あとは貴族にせず、領主として働いてもらう。何かあれば領主会議を行って決めていく。これで行きましょう!」
今円滑に動いているもの下手に変更して良くない方向に動くのであれば今の方が絶対いい。
いい方向に変わる自信があるのであれば、話は別だけど…セリエール国で貴族達に囲まれてきた私からすれば良いことなんてひとつもなかった…。
「差別の無い国を作りましょう。貴族を作らず上手く国を回す方法を考える。それも私たちの仕事だと思いますわ。それに私たちは他の人たちと違って少しばかり寿命が長いんです。時間はたっぷりあります。」
尖った耳を少し動かしながら話すと、お父様も言いたいことがわかったのだろう。
「そうだな。これを機に法治国家を目指すことも1つかもしれん。国民のための国を作ろう。」
そう、法治国家にしようと決めたまでは良かったのだが、ここからが話がまとまらなかったのだ…
それもそのはず、この国の半分以上は外の国を知らない人ばかり。知っているのはひと握り。
物事を知らないものが多かった…
その点、私はセリエール国にいたから色々知ってはいる。でも知っているだけだ。
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