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第6話
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第6話 甘いお菓子
「えーんえーん。おみずこわいよ~」
お母さまに説得されて、滝の目の前にきましたが、やっぱり沢山流れてくる滝の水が怖いのです。わたしは、目の下に人差し指をあてて、嘘泣きでアピールしてみました。
嘘泣きして、お母さまの気を引いていると、耳? いいえ、頭の中に声が響きました。 その声は……
〈エリーゼ。早く我のとこに来るのだ。嘘泣きして怖いアピールはもうしなくてよい〉
わたしは、嘘泣きをやめてまわりをキョロキョロとみました。そして
「おかあしゃま。なにかいった?」
お母さまを見るとなぜか顔が青ざめています。
そんなお母さまを不思議がって見ていると
〈エルーフェがしゃべったのでない。我がエリーゼに話しかけたのだ〉
頭の中から先程と同じ女性らしき声が聞こえました。
「われってだーれ?」
わたしは、キョロキョロするのをやめて、滝の向こう側を見ました。
〈我は、慈愛と穢れを祓う水の女神でセオリツ。またの名は、豊穣・繁栄と破壊を司る水の女神、ミヅハノだ。エリーゼと君の母エルーフェと同じ紋章を持つ仲間の女神だよ〉
紋章?ってなんだろうと思ってお母さまを見ると、手の甲をわたしに見せてきました。そして、お母さまはわたしに自分の手の甲を見るように目線を送っています。
(おかあしゃまとおなじ? おんなのひとの かおみたいのがある!)
わたしは、頭の中に響く声の主に質問します。
「おかあしゃまとわたしのなかよしで、とてもえらいひと?」
〈ふふふ。そうだな。エリーゼよ。エルーフェが先程説得していたとおり、この滝の水を越えるとき、息苦しくなることはなく、目が開けられなくなることも無い。
安心して、エルーフェと手を繋いでこちらに来るがよい。
でも、抱っこは駄目だぞ。
それにこちらには甘いお菓子があるぞ〉
(あまいおかし)
わたしは甘いお菓子が大好きなのです。この世界では甘味はとても貴重で、女の子は甘い物が大好きなのです。きっと。
「うん。おかあしゃまなにしているの。はやくいくよ」
わたしは、お母さまの手を繋ぎ強く引っ張りました。
そんなわたしを見たお母さまは、目を見開き口をもごもごと動かしています。「甘いお菓子でつられた……」
―と言っていたようですがよく聞き取れませんでした。
流れ落ちる滝の水にスキップして近づくと、手を繋ぐ母の髪が冷たい風に吹かれヒラヒラと舞っています。
そして、お母さまの手をギュッと力を入れて握り、「はああ」っと息を吸って目を閉じて一歩前に進みました。
滝に向かって一歩進むと目をつぶっていても解るくらいの光りに包まれました。
(あれ? この光りなんだか車のライトみたい…… )
くるま? らいと? なんで見たこともないモノがわかるのな?
そして、意識が光りに向かっていく感じがしました。
「えーんえーん。おみずこわいよ~」
お母さまに説得されて、滝の目の前にきましたが、やっぱり沢山流れてくる滝の水が怖いのです。わたしは、目の下に人差し指をあてて、嘘泣きでアピールしてみました。
嘘泣きして、お母さまの気を引いていると、耳? いいえ、頭の中に声が響きました。 その声は……
〈エリーゼ。早く我のとこに来るのだ。嘘泣きして怖いアピールはもうしなくてよい〉
わたしは、嘘泣きをやめてまわりをキョロキョロとみました。そして
「おかあしゃま。なにかいった?」
お母さまを見るとなぜか顔が青ざめています。
そんなお母さまを不思議がって見ていると
〈エルーフェがしゃべったのでない。我がエリーゼに話しかけたのだ〉
頭の中から先程と同じ女性らしき声が聞こえました。
「われってだーれ?」
わたしは、キョロキョロするのをやめて、滝の向こう側を見ました。
〈我は、慈愛と穢れを祓う水の女神でセオリツ。またの名は、豊穣・繁栄と破壊を司る水の女神、ミヅハノだ。エリーゼと君の母エルーフェと同じ紋章を持つ仲間の女神だよ〉
紋章?ってなんだろうと思ってお母さまを見ると、手の甲をわたしに見せてきました。そして、お母さまはわたしに自分の手の甲を見るように目線を送っています。
(おかあしゃまとおなじ? おんなのひとの かおみたいのがある!)
わたしは、頭の中に響く声の主に質問します。
「おかあしゃまとわたしのなかよしで、とてもえらいひと?」
〈ふふふ。そうだな。エリーゼよ。エルーフェが先程説得していたとおり、この滝の水を越えるとき、息苦しくなることはなく、目が開けられなくなることも無い。
安心して、エルーフェと手を繋いでこちらに来るがよい。
でも、抱っこは駄目だぞ。
それにこちらには甘いお菓子があるぞ〉
(あまいおかし)
わたしは甘いお菓子が大好きなのです。この世界では甘味はとても貴重で、女の子は甘い物が大好きなのです。きっと。
「うん。おかあしゃまなにしているの。はやくいくよ」
わたしは、お母さまの手を繋ぎ強く引っ張りました。
そんなわたしを見たお母さまは、目を見開き口をもごもごと動かしています。「甘いお菓子でつられた……」
―と言っていたようですがよく聞き取れませんでした。
流れ落ちる滝の水にスキップして近づくと、手を繋ぐ母の髪が冷たい風に吹かれヒラヒラと舞っています。
そして、お母さまの手をギュッと力を入れて握り、「はああ」っと息を吸って目を閉じて一歩前に進みました。
滝に向かって一歩進むと目をつぶっていても解るくらいの光りに包まれました。
(あれ? この光りなんだか車のライトみたい…… )
くるま? らいと? なんで見たこともないモノがわかるのな?
そして、意識が光りに向かっていく感じがしました。
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