聖女の紋章 転生?少女は女神の加護と前世の知識で無双する わたしは聖女ではありません。公爵令嬢です!

幸之丞

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「リーサおはよう。 今日は遅いわね?」
馬車降り場でリーサが来るのを待っていた私は、昨日の意趣返しをしました。

「まあ。エルーシアの意地悪」
いつもはニコニコしているリーサはほっぺを膨らませています。

「リーサ様 早く 行く お嬢様 うるさかった」
馬車から降りてくるリーサにメリアは手を貸しています。

「あら、レオンいらしたの?」
リーサは頭を傾げます。

「あ、はい。今日も3人で来ました」
レオンはいきなり名を呼ばれてビックリしています。

「あら。メリアがエスコートしてくれるから、男性はいないかと思いました」

「す、すみません」
レオンは頭を下げています。

「エルーシアちゃん。小煩いリーサ嬢。おはよう!
今日も仲良く4人でいるのだな?」

「あら、コーエン君 おはよう」
リーサはコーエンを目はきつく睨み、口元は微笑んでいるという恐ろしい表情をしています。

「「コーエン様。おはようございます」」

「コーエンちゃん。おはよう」
私はニヤニヤしながら挨拶しました。

「エルーシアちゃん。男にちゃん付けは、辞めてくれ。
背中がむずむずするからな!」

「あら。私をちゃん付けでお呼びになったから、ちゃん付けで呼んだだけよ。
ふふふ。昨日の出来はどうでした?」

「ふん。どんなに頑張っても、エルーシアとリーサには勝てない。
逆にどういう勉強をしたら、毎年満点近くをとれるのだ」

「ああ。それね!
私とエルーシアは貴方と頭(ここ)の出来が違うのよ」
リーサは頭を指さしコーエンを挑発しています。

レオンの顔が赤くなりました。

それでもリーサはまだ挑発しています。

レオンの手が震え出しました。
それをみてリーサはダッシュして逃げ出しました。
「コラー!まてー!」
コーエンはリーサを追いかけはじめました。

「リーサ様、出会った頃 体弱くて 走れなかった。でも 今走れる」

「「メリア!そのセリフ昨日も聞きました」」
レオンと私はメリアに突っ込みを入れました。




試験2日目です。

今日は、体力検査、魔力検査、男子は剣術。女子は料理か剣術の試験です。

先ずは、3㎞走。
強化魔法で今年も1位。
今年もピカピカ光っていたとメリアが教えてくれました。

次は魔力測定です。

「ふふふ。来たな!エルーシア公爵令嬢。
今年こそは測定器を壊されないぞ」
そう言って試験管が持って来たのはとても大きな測定器。

バリーン!!!

今年も魔力測定器が壊れてしまいました・・・

そして次は、的に向かって攻撃魔法を打つ試験です。

「エルーシア公爵令嬢今年は結界のレベルを上げた。
今年こそは、校舎を守って見せる」

私は的に手のひらを向けて水属性魔法を放ちました!

ジャババババーン!

「「「 シーーン  」」」

結界を突き破り、校舎は水だらけになりました。
強い水圧は時にはダイアモンドのカットも出来るのです。

「今年は校舎を守った!」

(いいえ。校舎は穴が開いて水浸しです)
私は、校舎に行き魔法で水分を飛ばし、開いた穴を塞ぎました。

試験管が私に近づいてきました。

「あの~。エルーシア様。
申し訳ないのですが、今年もここまでで試験は終了です。
今年も主席で決定です。
王妃殿下からエルーシア様に剣を握らせたら、相手を殺してしまうので辞めるように申しつけられています」

「あら。そうなの?つまらないわ」

今年の試験はここで終わりました。


(あ!ふふふ。剣が駄目なら、お料理があるわ)

私はこっそりと調理室に向かいました。

「あら。エルーシア様。もうすでに全ての試験が終わったとお聞きしていましたが、こちらに何かご用ですか?」
試験管の女性がビックリしています。

「剣術は、免除になったので、今年は料理をしてみようかなと思って伺いました」

「あら。そうなのですね。ですが、残っている材料があと少ししかありません」

「持ち込みは大丈夫ですか?」

「はい。大丈夫です。調理時間は、あと2時間です。エルーシア様は合格が決まっていますので、模擬試験として行っていただきますね」

「はい」

私は、ポケットから材料と調味料を出しました。

お米をといで水に浸します。
そして、玉葱の皮を剥いて
左手をネコ手にして
スパパパパッと千切りとみじん切りと乱切りを作りました。
人参の皮を剥き、先ずはスープ用に人参のアッシェに切り、下ゆでをします。
残りは乱切りにして茹でます。
ジャガイモの皮を剥き、乱切りにします。
各種キノコを食べやすい大きさにカットします。
牛肉の固まりを一口大にかっとして、香味野菜と一緒に炒め、別皿に置き、そのフライパンで油をたっぷりと入れ、人参アッシェ、ジャガイモ、玉葱を炒め、油がまわると炒めた牛肉を入れて赤ワインと水を入れ丁寧に灰汁を取ります。
ここで、炊飯開始。
灰汁を取り終わったら、ローリエを投入。
トマトを下ごしらえしたものを鍋に入れて、レオンと作った中濃ソースとウスターソース、砂糖、蜂蜜を入れて、塩と胡椒で味を調えます。
フライパンを弱火にかけ、バターと小麦粉を少しずつ足して焦げないように、ヘラで8の字を書きながら混ぜ、茶色になるまで炒めます。
茶色になったブラウンソースを、牛肉などを入った鍋に入れ、とろみをつけます。
1時間ほど煮込んだ所にカットしたキノコをフライパンで炒め投入。
できあがり少し前に牛乳をいれコクをつけます。

鶏肉の皮をとり、身を小さく切り、塩、胡椒をかけます。
鶏肉、玉葱、下ゆでした人参を入れて炒めます。
そして、炊き上がったご飯をいれ炒め、チキンライスを作ります。
チキンライスを皿に入れて、フライパンを中火にかけ、必死にかき混ぜた卵をいれ、ぐるぐるぐるとかき混ぜ30秒火にかけたら、その卵をチキンライスの上にのせて、ふわとろオムライスに手製で作ったケチャップをかけて出来上がり。
煮込んだスープを器に注いで、ビーフシチューのできあがりです。

所要時間は1時間半でした。

「エルーシア様は公爵令嬢なのに料理もお上手なのですね。こんな美味しい料理は初めてです。茶色い牛肉の入ったシチューは、コクがあって、お肉も柔らかくて美味しいです。
このオムライスも、初めて米を食べましたが、とてもお美味しいです」
「ふふふ。お褒めいただきありがとうございます。因みにオムライスに使ったお米はベルティンブルグ産の物がありますので、ヒーナ商会にてご購入出来ます。
ヒーナ商会でのご購入に関しましては、お米で作れる料理のレシピを合わせて提供させていただいております」

しっかり商売をしてしまいました。

そして、2日目の入試は終了いたしました。

因みに体力では、レオン
魔力はリーサ
剣術はメリアがそれぞれ次席になりました。
座学の試験結果は後日になるので、合否は数日後になります。
(貴族はテスト結果が悪くても入学出来ます。しかし、プライドがあるので貴族の子供達も必死で勉強をしています)

さあ、いよいよ試験が終わり、お屋敷に帰る時間になりました。

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