聖女の紋章 転生?少女は女神の加護と前世の知識で無双する わたしは聖女ではありません。公爵令嬢です!

幸之丞

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315 閑話 十数年前のレナウド=オッドリア

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315 閑話 十数年前のレナウド=オッドリア


* 視点が三人称です *

光り輝く中でレナウドは、“この世にあらざるもの”と話をしていた。

「レナウドよ。
貴様の連れ合いレーアは、このままだと子供を産むことが出来ないだろう。
最悪の事態、母体、子供とも亡くなってしまうかも知れないぞ」

「え?レーアは子を宿しているのですか?」

レナウドは、声を高くした。
そして、この世のものではない何かに尋ねた。

「フレイ様。
それを回避する方法はあるのでしょうか?
このように私に伝えると言うことは、何か方法があるということでしょうか?」
この世にあらざるものは
レナウドをみてニヤリと口角を上げた。
「レナウドよ。レナウドは回復魔法と治癒魔法が使えるな」

「はい。それは、フレイ様が私に授けてくれたスキル(能力)です」

「そ、そうだったな。
そ、そのスキルをしばし私に預けて欲しい。
正確に言うとレナウドのスキルを司っている一部の魔力を私にしばし預けて欲しいのだよ。
その結果、其方の魔力が少なくなり、今まで使えていた魔法もしばし使うことが出来なくなるであろう。
だがその魔力を創造神に寄与する事で、其方の連れ合いも子供も助けることが出来る」

この世にあらざるものは、早口で言い切った。

「え、そ それで、妻レーアも新たに生まれる子供も助かるのですね」

「その通りだ。
レナウドどうする。このまま放っておいても、其方の連れ合いが出産する事が出来たとしても、其方の連れ合いと産まれた子供の命が駄目になる可能性もある。
其方の魔力を一部を渡すだけで、其方の妻も子供も五体満足に生活していけるようになる」

この世にあらざるものは、レナウドの表情をじぃっと見つめた。

「聖属性魔法が全く使えなくなると其方も不安であろう。
レナウドには回復魔法は使えるように創造神に私がお願いしよう。
今は、レナウドも冒険者を辞め、領地運営をしているのだ。
治癒魔法がしばし使えなくなっても心配することがないだろう。回復魔法が使えるのだからな」

レナウドはしばらく、目をつぶったあと
「わかりました。フレイ様。私の妻と今度生まれてくる子供達のために、私のスキルを持っていってください」

そして、辺りが暗くなり、レナウドは倒れた。
魔力を急激に奪われたためレナウドは意識をなくしてしまったようだ。

そして、倒れたレナウドを前に「うはははは」とこの世にあらざるものが高笑いした。

「ふっ。これで地球と言う星の陽菜の体を動かすことが出来る」

その言葉を発したこの世にあらざるものは、ニヤリと悪い顔をして消えてしまった。




レナウドは、治癒魔法を全く使う事が出来なくなった。
そして、回復魔法も気休めとしかいいようのない魔法に成り下がっていたのである。

そして数ヶ月後、リーサとエルーシアが無事に生まれた。
産まれる前から、レーアとリーサに回復魔法をエルーシアが、かけ続けていたからであるが、そのことが、この世にあらずもの言う通りにして良かったとレナウドは思っているようだ。

レナウドは神の言う通り動くと良い方向に行くとすり込まれてしまったようだ。
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