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316 閑話 レナウド=オッドリア
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316 閑話 レナウド=オッドリア
「エルーシア!大丈夫か?」
私は、エルーシアの妹のファリカに続いてドアを開けた。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
私は、叙爵のため王都に来ていた。
リーサの王都学園の入試が終わり迎えに来ていたとき
キィッ キィッ キィッー
と、ものすごい音がした。
そして、大きな声で叫ぶ男の声も聞こえた。
「リーサ。あちらで何か大きな音がしなかったか?」
「お父様、学園の門を出たところを曲がったところからだと思います」
「先程あちらに向かって行ったのは、ベルティンブルグ公爵家の馬車だったな?」
「ええ。お父様。でもお父様に何かあったら大変でございます。
どうか、衛兵に連絡して任せてしまいましょう」
「いいや。リーサの気持ちはわかるが、もしかしたら、寄親である公爵様ご一家の一大事になるかも知れない。危険はあるだろうが、私の目で確認してくる。
リーサは、このまま、馬車の中で待っていなさい」
「え?でも、エルーシアから今日はなにがあってもすぐに館に帰るように申しつけられていますわ。ですから、お父様、私と一緒に帰りましょう」
「なに。心配することはない。大きな音の原因を見てくるだけだ」
「お、お父様」
普段であれば正義感の強いリーサだが、私が音の方へ向かうのを必要以上に引止めようとする。
しかし私はその声を無視して馬を馬車から外して馬に跨がった。
それは、公爵家のご長女エルーシア様は、実は私の娘だからである。
今まで会うのを避けてきたが、今はエルーシアの身に危険が差し迫っていると胸がざわついたのだ。
私は、久しぶりの乗馬で少し緊張したが、エルーシアの危機かも知れぬと猛スピードで馬を走らせた。
私は公爵家の馬車を発見した。
しかし、そこには、御者使用人の姿はあるが、エルーシアは乗っていなかった。
「誘拐か!?」
私は、公爵家の馬車をスルーしてそのまま、エルーシアがつれて行かれたであろううと思われる方向へ進んだ。
しばらくすると“おねぇ伯爵”と呼ばれる家紋をつけた馬車を発見しこっそりと追いかけた。
おねぇ伯爵は、私の領土の西側にあり、我々の邪魔をしてくる反対勢力の中心人物の一人である。
「嫌な予感しかしないな」私は独りごちた。
その後、馬車は貴族街に入り、我々ベルティンブルグ派の反対勢力の侯爵の屋敷に立ち寄り、また動き出した。
(一体何処に行くのだ?)
と馬車に乗っている者達に見つからないよう後をつけていると
これも我々の反対勢力である男爵の屋敷の門で、馬車が止まり中へ入って行った。
「エルーシア!大丈夫か?」
私は、エルーシアの妹のファリカに続いてドアを開けた。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
私は、叙爵のため王都に来ていた。
リーサの王都学園の入試が終わり迎えに来ていたとき
キィッ キィッ キィッー
と、ものすごい音がした。
そして、大きな声で叫ぶ男の声も聞こえた。
「リーサ。あちらで何か大きな音がしなかったか?」
「お父様、学園の門を出たところを曲がったところからだと思います」
「先程あちらに向かって行ったのは、ベルティンブルグ公爵家の馬車だったな?」
「ええ。お父様。でもお父様に何かあったら大変でございます。
どうか、衛兵に連絡して任せてしまいましょう」
「いいや。リーサの気持ちはわかるが、もしかしたら、寄親である公爵様ご一家の一大事になるかも知れない。危険はあるだろうが、私の目で確認してくる。
リーサは、このまま、馬車の中で待っていなさい」
「え?でも、エルーシアから今日はなにがあってもすぐに館に帰るように申しつけられていますわ。ですから、お父様、私と一緒に帰りましょう」
「なに。心配することはない。大きな音の原因を見てくるだけだ」
「お、お父様」
普段であれば正義感の強いリーサだが、私が音の方へ向かうのを必要以上に引止めようとする。
しかし私はその声を無視して馬を馬車から外して馬に跨がった。
それは、公爵家のご長女エルーシア様は、実は私の娘だからである。
今まで会うのを避けてきたが、今はエルーシアの身に危険が差し迫っていると胸がざわついたのだ。
私は、久しぶりの乗馬で少し緊張したが、エルーシアの危機かも知れぬと猛スピードで馬を走らせた。
私は公爵家の馬車を発見した。
しかし、そこには、御者使用人の姿はあるが、エルーシアは乗っていなかった。
「誘拐か!?」
私は、公爵家の馬車をスルーしてそのまま、エルーシアがつれて行かれたであろううと思われる方向へ進んだ。
しばらくすると“おねぇ伯爵”と呼ばれる家紋をつけた馬車を発見しこっそりと追いかけた。
おねぇ伯爵は、私の領土の西側にあり、我々の邪魔をしてくる反対勢力の中心人物の一人である。
「嫌な予感しかしないな」私は独りごちた。
その後、馬車は貴族街に入り、我々ベルティンブルグ派の反対勢力の侯爵の屋敷に立ち寄り、また動き出した。
(一体何処に行くのだ?)
と馬車に乗っている者達に見つからないよう後をつけていると
これも我々の反対勢力である男爵の屋敷の門で、馬車が止まり中へ入って行った。
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