エレメントサモナー

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現レシ闇ノ瘴気

ユークリウス魔導学園1年4組ゲキシン

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「うーんっ… いい朝日だ」

 今日はマジック・コンペティション当日だ。今日はいつもより早く起きているから、朝焼けが見えたのだ。

(さてと、学園に行こうかな)

 そう、早く起きたのは大会前に準備運動がてら召喚を試すためだ。この事は事前に母さんに知らせてあり、朝と昼用のサンドイッチを作ってくれた。もちろん、学園長にも許可を得ている。



 …………のはずだったが、

『おはようございます!コマンダー!』

 どうやら学園長がクラスに漏らした様だ。まぁ、する事は変わらないんだが。

「皆おはよう、悪いけど円陣組むのは会場でしてくれるかな?後、僕はこれからちょっと準備運動するから先に行っていてくれるかな?」
『了解しました!』
「すまない、待っていてくれたのに」
「いえいえ、勝手なのは私たちの方ですし」



「さて、ちょっと試してみますか…」






 …………そして、

『これより、エクスタリア十代目国王、マリアルム=エクスタリアの名の元に、第千一回魔導競技大会マジック・コンペティションを開催します』

 この言葉と共に魔導競技大会の幕が開かれた。

「始まったね、ハルス」
「あぁ、完全制覇目指して頑張ろうぜ」

「皆、この一週間それぞれよく頑張ってくれた。今日、陛下と観客、他のクラスに盛大に見せつけてやろう!」
『うぉぉぉぉぉぉぉ!』

『第一競技、フライング・サーキットを始めます。各選手は持ち場に着いてください』
「では、行ってきます!」
「頑張って下さい」



『さぁさぁ始まりましたマジック・コンペティション!実況はこの私、ユークリウス魔導学園放送部一年イルム=ネスティと』
『ガリレアス魔導学園情報部二年、マリス=ジークフリードが務めます』
『まずは最初の競技、フライング・サーキット!各選手が入場して来ました!』
『今年は僕らの後輩がトップを取ると思いますよ』
『いやいや、先輩方も負けてませんよ! ――って、何じゃありゃ!? 一年四組、一体何を考えているんだぁーっ!?』
「何だそのすぐに退場しそうな紙装甲は? フザケてんのか?」
「馬鹿だろあのクラス」
『かなりのバッシングが飛び交っているね』
『まぁ、それはいいとして、始まりますよ!』

『よーいっ、ドンッ!』



「……何が起こったんだ、いつの間に場外に…」
「……何なんだあれ?あれは本当に人が生み出したのか?」

『何と言うことだ! 皆のバッシングの標的となっていた機体が他の機体を全てふっ飛ばして走り続けているだと……!』
『あははっ、何あれ? 私たちは夢でも見ているのかな?』

 その場にいた者の誰もがその光景を口を開いてポカーンとしている。

 ……そう、僕らの作った機体がスタートの合図と共に他の機体を全て場外にふっ飛ばしてをファイナルラップに突入しようとしていたからだ。そして、当然かの様にラストスパートに入る。

『……ゴ、ゴオオォールッ! 勝者一年四組!』

 待機席から見ていても、最初のスタートの時点でショウリが確定するのは明らかだった。

『よっしゃぁぁぁぁ!』

「流石だな、エレス」
「いや、僕はちょっと試していただけだから」
「はっ? 何を?」
「ディアナの力を少しでも応用できる様にするためだ。実際、空気抵抗を可能な限り相殺しながらあの推進力を維持し、操縦し続けるにはディアナ無しじゃ叶わなかった」
「……まさかお前、最終敵にディアナの量産型でも作る気か?」
「そんな事はしないよ。それに、もしディアナと同じ力を持つ魔導装機を何体も作れたらディアナの意味が無くなる」
「で、どれ位完成したんだ?」
「もうほぼ完全した。朝に試したけど、充分力を発揮してくれたよ」
「……もう、驚かないからな」

『続きまして! ドールズ・パニックです!』
『流石に、あんなの用意していても、個々自身の力は上級生に劣るでしょう』

 と誰もが考える筈だが、それは全くの無意味だった。

『あーっと! 一瞬にしてレッドオーガに人形兵が全て粉砕された!』
「やっぱ、こういうのするとスカッとするぜ」




 こうして僕ら一年四組は瞬く間に注目の的になり、皆警戒心を露にしていた。正直こんなにも勝てるとは思ってもいなかったが。

「あの、エレスさん?」
「んぁ、ごめん、エムリー。次は僕らの番だね。皆、作戦に変更は無いが、万が一の時は指示を出すよ」
「はいっ、頑張ります…」
「あぁ、期待してるぜ」
「皆、行くよ!」



『デモンズ・ハウスもユークリウス魔導学園一年四組が勝利! これまで一年四組は全種目でトップ。これは正しく、前代未聞の異例の事態だああぁーっ!』
『馬鹿な、こんな事が起こるなんて……』



『それでは一年四組の完全試合となるか決まる最終競技、ダークナイト・サバイバル各選手入場です!』

(……さてと、皆僕らを狙ってる。予想通りだな)

「さぁ、僕の賭けは上手く行くか、見極めさしてもらうよ」

『制限時間三十分、始め!』
「激しく燃え盛る太陽よ、今ここにその姿を表わせ!」
「聖なる月陽よ、今ここに刃となりて、現れん!星空に映る流星よ、その光の力を、我に齎せ!」

「くそっ、目くら…」
「目が見え…」
「遅いっ!」
「ぐぁぁぁぁっ!」

『何と、目くらましをしたと思ったら、その中で大半の選手が倒れているだと……!』
『私にも何が起こったのか分かりません!』
「皆、離れろ!光に背を向け……」

「遅いっ!」

 神々しき日輪に照らされ続ける中、月陽の光刃はあっという間に他の選手を切り裂いていった。

 後一つ!

「はぁぁぁ…!」
「中々楽しませてくれるじゃないか!」

『おおっと、ここで無限弾丸エンドレス・バレットの異名を持つバレル=シンカーが止めた!』
「残念だったな!ここで連勝記録はストップだ!」
「くっ……」

 接近戦でも強いのは想定外だった。素の殴り合いには剣を持ったままじゃ対応出来ないし、離した瞬間に多分撃たれる。なら…

「タイマンは苦手か?ならさっさっと片付けるぞ!」
O・Cオペレーション・コマンド3!』
「くそっ、いないと思ったら隠れて……」
「終わりです!」

『勝者、一年四組! 今ここに、完全試合と言う栄光を魔導競技大会の歴史に名を残した!』
『何なんだ、あのクラスは…』

『うぉぉぉぉぉぉぉ!』
「やったなエレス!」
「やりましたね、エレスさんっ」
「うん、僕らの勝利だ!」
「……お前、名前は?」

 勝利に喜んでいる時にバレルがそう聞いた。

「僕はエレス=ジェラノア、ユークリウス魔導学園一年四組、召喚師です」
「エレス、優勝おめでとう……。だが、午後のトーナメントでは負けねぇぞ」
「僕らも、そう負ける気はありません」

 そう言うと、バレルはスタスタと去っていった。

「もうマークされちまったな」
「想定内だよ、さてと… 嫌な予感がするなぁ」
「もしかしてあの囚人達の事か?」
「それ以外に何がある?」
「確かにこんな機会逃す奴らじゃないと思うけど…」
「お昼はちょっと抜きにしておこうかな…皆にはちょっと悪いけど、練習して来ると言っておいて」
「分かった、無理はすんなよ」
「それはハルスもだろ」
「ハハッ、そうだな」

 そうして僕は再び学園に向かった。
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