2 / 11
第二章
この葉が落ちる頃
しおりを挟む
風華が優しく話しかけてくれる日は一年の間でほんのわずか一時だけだった。
そんな時はこちらが戸惑っていたことを今は懐かしく思い出す。
風華のとがったったものがどこかへ消え去る季節、それは枯れ葉が舞う秋の、そう秋の終わりだけだった。
毎日の登下校で見飽きた風景の中に、名もなき木が風に揺れながらこちらを見て、寒そうに立っていた。
ある日私はいつもの風景に特に気にも止めずその木の前を通り過ぎようとした時、後ろから風華の声がした。
「ねぇ、この木の葉っぱが全部なくなるの いつだと思う?」
私は風華の言葉にはっと息を飲んだ。
「あの風華が?こんなことを言うなんて!」
慌てて後ろを振り返ると、その木から目を離せないでいる、淋しいような、遠い何かを見つめているような風華の姿があった。
風華の目の先を追うと、木には六枚ほどの枯れ葉がからからと音を立てて風に揺れていた。
それは今にも風に吹き飛ばされそうに儚げで、脆そうに見えた。
「この感じじゃ この葉っぱはそう何日も持つまい」私は心のなかでつぶやいた。
しかし、いつものとげとげしさを無くした別人のような風華にはとても言えず
「いつ頃だろうね。わからないや」とごまかした。
「そうだね」か細く、今にも消え入りそうな風華の声が聞こえてきた。
そんな時はこちらが戸惑っていたことを今は懐かしく思い出す。
風華のとがったったものがどこかへ消え去る季節、それは枯れ葉が舞う秋の、そう秋の終わりだけだった。
毎日の登下校で見飽きた風景の中に、名もなき木が風に揺れながらこちらを見て、寒そうに立っていた。
ある日私はいつもの風景に特に気にも止めずその木の前を通り過ぎようとした時、後ろから風華の声がした。
「ねぇ、この木の葉っぱが全部なくなるの いつだと思う?」
私は風華の言葉にはっと息を飲んだ。
「あの風華が?こんなことを言うなんて!」
慌てて後ろを振り返ると、その木から目を離せないでいる、淋しいような、遠い何かを見つめているような風華の姿があった。
風華の目の先を追うと、木には六枚ほどの枯れ葉がからからと音を立てて風に揺れていた。
それは今にも風に吹き飛ばされそうに儚げで、脆そうに見えた。
「この感じじゃ この葉っぱはそう何日も持つまい」私は心のなかでつぶやいた。
しかし、いつものとげとげしさを無くした別人のような風華にはとても言えず
「いつ頃だろうね。わからないや」とごまかした。
「そうだね」か細く、今にも消え入りそうな風華の声が聞こえてきた。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる