金剛ヨガ女～ヴァジュラヨギーニ～

魔術がはびこる近未来

　　２０２０年世界に異変が起きようとしていた。今までの文明を覆し、全く違う世界になろうとする変革の年である。数年前からその兆候は表れ始めていたのだが、多くの人々はきずいていなかったのだ。それは、「ロボット」「人工知能」「仮想現実」といった科学の進歩が人類と機械の境をなくそうとしている時代、現実の人々は「アニメ」「神話」「魔法少女」といったいわゆる「ヲタク」に進化していった、その先に待つのは機械と人間の融合なのか？彼ら「ヲタク」の中からは「中二病」と呼ばれる種族が発生し、勢力を拡大しつつあった、彼らは「魔法少女」を愛するあまり、禁忌とされていた「錬金術」や「魔女」の技術、闇に葬られた古き神話などにものめりこむようになり、「魔女」や「錬金術師」を目指すものまで出現したのだった。一方、「ヲタク」とは真逆のいわゆる「リア充」の女性たちはＹＯＧＡにのめり込むものが急増していった。もともとフィットネスとして広まったＹＯＧＡだったが、本当はインドやチベットに伝わる魔術の集大成だったものが、西洋体操と一体化し、文化発展のため意図的に広められたものだったのだ。ヨガにのめりこんだ者たちはさらなるＹＯＧＡの深淵を知ろうとし、一般には禁忌とされてたチャクラやクンダリニーの技術はおろか、神をも呼び出す魔術さえ学ぼうとし始めたのだっだ。こうして、2020年ごろから、「ヲタク」から進化した「西洋魔術師」と「リア充」から進化した「東洋魔術師」の闇ギルド的集団が次第に形成されていったのだった。