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修学旅行の帰り
しおりを挟む「いやぁー!楽しかった!」
修学旅行の帰り。龍はグループの仲間と、二泊三日の思い出話に花を咲かせている。
「あれだけはしゃぎ回ったっていうのに……どこにそんな体力があんのよ。神永くん」
「そうだよ!皆を見てみろよ、ぐったりしてんだぞ?俺らももうクタクタだぜ」
そう言うのはグループの仲間、盛岡珠梨と伏見雄也だ。
珠梨は龍、神永 龍の幼馴染で、可愛らしい仕草にグラビアモデルも真っ青になる程の豊満な肉体、美の権化とも言える顔立ち。そして、運動・勉学において負けを知らない。
雄也は、高校で知り合ったばかりだが、趣味や好きなものが全て同じで、部活も一緒。相談にもよく乗ってくれるため、龍は兄のように慕っている。
「体力には自信があんだよ」
「体力だけ?」
「え?いや、まぁ……その……」
「ないんだぁ~」
「う、うるせぇ!」
隣から龍をからかっているのは、珠梨の親友、手塚紗良。
珠梨とはいつも定期テストで順位を争っているが勝ったことは一度もない。
珠梨曰く、自分とは雀の涙程しか差がないらしい。
龍、珠梨、雄也、紗良は周りから仲良し4人組とか呼ばれている。
毎日のように喜怒哀楽を共に過ごした日々は龍にとって大切な宝物だ。
だだ、世界は残酷だ。
それは新幹線が東京駅に到着する、そんな時だった。
大型車が正面衝突したような鈍い音がした瞬間、龍は意識を失った。
* * * * * * * *
目を覚ますと足元に靄がかかった、幻想的な空間に座り込んでいた。
辺りを見回すと珠梨、雄也、紗良の3人と担任の和泉 聖先生。
そして、正面に置かれた漆塗りの椅子に座っている清廉な魔王のような男。
夢でも見ているのか……。龍は、そう思った。
「ようやく目を覚ましたか。救済者」
見た目の割には高い声で、よく響く透き通る様な声だった。言っていることが龍はいまいち理解出来ていなかったが。
「君達は……先程亡くなった。我が力によってな」
「あ、はい……えぇぇぇぇっ!」
突然告げられた自分の死に驚きのあまり声を上げてしまった。それが目覚ましになったのか、皆が目を擦りながら起き上がった。
今居る場所が何処か分からず、戸惑っている様子だ。
「うむ、皆起きたか。ちょうどいい。
これから私が話す事は事実だと思って聞いてくれ」
そこから、未だに名乗らない男による説明が始まった。
「まず、君達は新幹線の事故によって死んだ。事故は私が起こした。
それは、君達に転生してもらいある星を救って貰いたいからである」
龍を除く、4人はその事実に声を上げ、動揺した。
動揺が収まると、和泉先生が龍達を代表して男への質問を始めた。
「まずあなたは誰なんですか?転生した先の惑星についての情報はないのでしょうか?」
「私はこの第6銀河の総管理責任者、リーファーラインだ。ラインと呼んでくれたまえ」
ラインが指を鳴らすと、空中に地球とよく似た惑星が立体映像で写し出された。
「これが君達の転生先、惑星エフェソスだ。10の大陸が存在し、うち3つは空に浮かぶ島、浮遊島だ」
「……す、すげぇぇぇ!そんな星があったのかよ!」
真っ先に反応したのはファンタジー好きの雄也だった。
むしろ、今まで何も言わなかったことが気になっていた。
余談ではあるが、龍達4人はファンタジー小説やライトノベルが大好きである。
「そう反応してくれると嬉しいよ。さて、この惑星についてだな。
この星には、【ステータス】と魔法、能力、個性能力が存在する。魔法の属性は火、水、土、風、光、闇、時空間、無の八属性だ。
【ステータス】は能力に含まれ、それによって分かるのは、HP、MP、SP、STR、VIT、INT、MND、AGI、DEX、LUKと名前、性別、年齢、種族、レベル、適正属性、能力、個性能力、称号、所属だ」
おそらくこの神様はゲーム好きだと、龍は思った。
「あの……ちょっと聞いていいですか?」
紗良が問い掛けた。
「スキルってどういうものなんですか?魔法とは違うのですか?」
「いい質問だ。スキルとは、魔法では再現できない力の事だ。
地球で言うところの、ゲームやライトノベルに出てくる、魔法の【無詠唱】などがそうだ」
「そういうことですか……ありがとうございます」
「うむ。そうだ、君達を死なせてしまった償いに、祝福として欲しいスキルを言うが良い。皆で話し合い、一人につきスキルを最大10個、スプレマシースキルは2つまでやろう。
スプレマシースキルについても話そうか」
ラインは再び指を鳴らすと、5人分の椅子を出現させた。
「さぁ座って良いぞ、疲れてきただろう?
さて、個性能力とは、君達で言うところのチートスキルだ。
【全言語翻訳】や【魔力∞】などがあるぞ。【全言語翻訳】は、転生特典として付けておく。
1時間以内には決めて、渡す紙に書いてくれ」
「「「「「分かりました!」」」」」
40分後……
先生含め、全員ライトノベル愛読者で、しかも異世界系が特に好きなため、思ったより早く終わった。
全員の内容はこうだ。
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
○神永 龍
*能力
【無詠唱】【気配察知】【収納術】【マップ】【鑑定】【細工】【演算能力上昇】【俯瞰】【暗視】【異空間金庫】
*個性能力
【学習】【創造術】
○盛岡 珠梨
*能力
【具現化】【素体化】【譲渡】【細剣術】【縮地】【ヒール】【SP上昇】【収納術】【鑑定】【無詠唱】
*個性能力
【記憶力上昇】【完全転移】
○伏見 雄也
*能力
【採掘】【採取】【鑑定】【作成】【魔力増幅術】【魔力貯蔵】【気配察知】【永久凍土】【増殖】【鍛治】
*個性能力
【薬草庭園】【技巧神の術】
○手塚 紗良
*能力
【従魔化】【召喚術】【聖気】【双剣術】【撮影】【印刷】【作成】【建築】【無詠唱】【念写】
*個性能力
【真実の眼】【魔力∞】
○和泉 聖
*能力
【連射】【影縫い】【照準】【遠距離射撃】【魔力具現化:矢】【鉈術】【万里眼】【弓術】【伸縮糸】【武具作成】
*個性能力
【回転式魔力増幅術】【樹操術】
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
「分かった、この通りに君達のステータスに追加しておこう。
君達は、転生後は5歳からのスタートとなる。その女性……聖さんだったか?君もだ」
「わ、分かりました」
「よし、では転生を始めよう。
あ、一つだけ言っておく。君達は8歳になるまでは会うことが出来ないよ。
8歳になり、【ステータス】を使えるようになったら分かる。
では、良い旅を」
その言葉を最後に、龍達の意識は闇に吸い込まれていった。
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