転生公爵と堕天教典~マグナストーン~

我空(がく)

文字の大きさ
7 / 8

変態メイドとおつかい

しおりを挟む


「ああっ!!お嬢様っ!お待ちくださいっ!怪我してしまったら旦那様になんと申せば……」
「むうぅ~分かったから、ハナリア早く、早くっ!」
「グヘヘ……お嬢様、可愛すぎ」
「ん?ハナリア、なんか言った~?」

 もうお天道様もお顔を隠しはじめてるけどメイドのハナリアと生産職街へお使いに行くの!武器とかを見るのはこう見えても好きだから楽しみだな~。
 今日は、ゴルギアルさんの鍛冶屋さんでロングソードの注文とミスリルの……えーっと、融け屑を1クラゲドル頼まれたんだっけ。
 王都にあるホイヘンス家……私たちの別宅の目の前にあるドクがゲロった大通り……じゃなかったレクシア通りの丁度曲り角ある『人魚のミイラ展示中!』と書いてあるお店が物凄い気になるけど、ハナリアが胸が大きいお姉さんを見つけた時のドクみたいな形相で追いかけてくるから逃げなきゃ。なんでだろ、本能的に逃げなきゃなって思っちゃった。

「グヘッへへッヘへ~~~~お嬢さまぁ~、お待ちくださぁい~」
「お、落ち着いてっ!ほ、ほらっ!もう着いたわよっ!!」
「あっ!お、お嬢様っ!髪の毛にゴミがついておられますっ!わ、私がとって差し上げますっ!!」
「ちょ、や、や、やめてぇえええええええーーーーーーーーーー!!」
「何やってんだ……」

 ハナリアの恐ろしい程の足の速さには勝てなかった。押し倒されて体を弄られてちゃった。
 ううっ、私は汚されてしまったのね……お嫁にいけないかもしれないわ。
 そんな中、半ば呆れ顔で現れたギルおじさんは私のお尻や栄養の足りない胸を触ってるハナリアを引き離してくれた。

「こんにちは!おじさん!!」
「おうっ!調子はどうだ?リムちゃん」
「ん!まあまあかな~」

 ギルおじさんは会うときには必ず私に食べ物かお金をくれるの!だからって言う訳じゃ無いけど……おじさんの加治屋に行くのは楽しみの1つなんだ~。

「そうだ!今日はどんなご用件で?」
「え~っとね~今日は~」
「お嬢様、ロングソードは注文致しまして、融け屑1クラゲドルはご購入するごご予定でざいます……」
「そ、そう!今日は~ロングソードの注文と融け屑を買いに来たのっ!!」
「一人で言えて偉いね~じゃあ、そこにある椅子にでも座って待っててくれ。あと、ロングソードは後で俺が屋敷に持っていくで良いよね?」
「うん!!分かった」

 私がそういうとギルおじさんはニッコリ笑って工房の中に入っていちゃった……。ハナリアが私にピッタリとくっついて来るけど無視しよう。
 こういうのは反応しちゃったら負けだってドクが言ってた。胸とかお尻とかを触ったり、首筋とかを「クンクンッ」とか匂い嗅がれてるけど無視しないと……だめだよね?

「ちょっと、目を離した隙に何やってんだあんた」
「『あんた』とは失敬ね。私はリムお嬢様のお身体がご健康であるかを調べているだけで……それを、貴方みたいな『ゴリラ』に言われたくないわよ!」
「いくら、あんたみたいな綺麗なお姉さんでも限度があるぞ?」
「かかってきなさいよっ!貴方はどうせ猿みたいに発情して、はぁ、はぁ……私の豊満なおっぱいにしゃぶりつくのでしょう!!」

 あーいやだ、いやだ。大人の下品な会話。ドクがたまに平民のお友達と話している時みたい。
 ドクは私たち家族の一員なのっ!あんまり、平民の子とは喋ってほしくないんだけどな……。

「そ、それでは、お嬢様行きましょう!!」
「2度とくんな!エロ眼鏡!!」
「おじさん、ありがと~!」
「おう!リムちゃん『だけ』また来てくれよなっ!!」
「もう~、2人とも喧嘩しないのっ!」
「エヘヘ~リムちゃんが、そういうなら」
「お嬢様がおっしゃるなら……」

もうっ!二人とも喧嘩してばっか!
この二人、いっつもこんな感じ。
もうちょっと、仲良くしてくれたら良いのにな~って思う。

 私がギルおじさんと話していると、ハナリアが消え入るような声で言った。

「お嬢様、そろそろお屋敷の方へお戻りになったほうがよろしいかと」

 う~ん、もうちょっとおじさんと話をしていたかったけどお母さんも心配するだろうから帰らないと。

「おじさん、もう帰らないとお母さんが心配しちゃうから……」
「大丈夫だよ~おじさんのことはいいから早く帰りなさい。リムちゃんのお母さんのラナリア様は怒ると恐いから」

 確かにお母さんは恐い。怒って素手で窓硝子を割ったこともあるから……。

「じゃあね~!今日はありがとね~!」
「は~い、またね~!」

 帰るときに融け屑の代金と融け屑を交換する。

 おじさんに手を振ってお別れをする。その間ハナリアはずっと不機嫌だったけど。

「ハナリア~、もうちょっとギルおじさんと仲良く出来ないの~?」
「それだけは、いくらお嬢様の願いでも聞き入れることは出来ません」
「むぅ~仲良くしてよ~」

 私が頬を膨らませて残念がると横から「グヘッ!リム様、マジ天使」というなにやら不穏な事が聞こえたが聞かなかった事にしよう。

「じゃあ、ハナリア!お屋敷まで競争ねっ!」
「では、私が勝ったらリム様の頭をなでなでさせてもらうということで……」
「ごめんなさい。無理です」

「それじゃあ、よ~い――――ドンッ!!」


* * * * * * * * * *


「はぁ、はぁ……お嬢様早すぎます」
「ハナリアが遅いのっ!」
「いや、リム様が早すぎるんです……はぁ、はぁ」

 お屋敷の前で「はぁ、はぁ」言ってるハナリアを置いて、私はお屋敷の中へ入る。

『お帰りなさいませ』

 外にメイドさんが待っていて私が扉の前に立つと一礼して開けてくれる。中にはいるとメイドのみんなに一糸乱れない動きでお辞儀をされる。
 何だか、私が偉い人になった気分になる。エヘヘ、悪くないかも。

「ただいま!!」
「お帰りなさいませ、リム様。ハナリアが何かご迷惑をおかけいたしましたでしょうか?」
「ううん!むしろ、すんごぉ~い頼りになった!」
「それは、ハナリアもさぞかし喜ぶ事でしょう」
「帰ってきて直ぐにで悪いけど、お風呂は沸いてる?」
「勿論です」

 「ありがとう!じゃあ、私はお風呂に入ってるから着替え持ってきてね!」と言い残してお風呂に向かう。
 お風呂は本館にはなく別棟にあるから行くまで時間がかかると思う。

――ドクは何してるかな?
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

処理中です...