【連載中】僕を見つめる瞳

知らない世界

存在意義5

呪い......


日本では本当に存在するかどうか分からないが、この世界では普通に認知されているのか。


................魔法とかあるのかな。


呪いという言葉のせいか、僕はいまいち理解できていなかった............12年間も眠り続けているという状況に.....。


「かいと、君にはこれから息子のネフィル・ディーランスに成り代わってもらう。そのために息子の性格、話し方などを完璧にしてもらう必要がある...........まあ、6歳の時で止まってるから多少は似てなくても大丈夫だろうがな」


...........自分で言うのもなんだけど、僕は頭が悪いんだ.............できる気がしない。


というより、ネフィル・ディーランスになるのは確定事項なんだな.............。


「そして、ネフィル・ディーランスとして学院に通ってもらう...............そこで呪いを解く方法を探してほしいんだ」


「...........え..................?........学院...ですか?」


「ああ、今まで解呪のために手を尽くしてきたが結果は見ての通りだ。だが、世界中から情報が集まっている学院なら何か分かるかもしれないんだ......」


「.........なんで12年経った今......なんですか.....?」


「あそこはどんなに権力をもってしても無闇に手を出せない、王族ですらな..........独立した小さな国、と思ってもらって構わない。潜入させようにも呪いのことを知っているのは私と妻、後は数人の使用人しか知るものがいないから適した人物がいないのだよ」


「......あの、それって結構危ないんじゃ....」


「ああ、バレたらただではすまないだろう」


「それを僕にやれと.......?」


「ああ、これは君がここで生きていくための条件だ...................と言いたいところだが、なぜか君にはそんなふうに言いたくないんだ..................なぜ、だろうな」


絶対に嫌だ、そう言おうと思っていた。


でもレイシャル様の悲しそうに笑った顔でそんなことを言われて何も言い返せなくなった.................もう君にしか頼めないんだ、そう言われているような気がした。


「ハハッ、ネフィルも私や妻に叱られて言い返せない時にそんな顔をしていたよ」


そんな顔....?


僕は自分でどんな顔をしていたか分からず、手を頬に当てた。


「なんだ、分からないのか。眉を下げて口をとがらせたなんとも変な顔をしていたよ。それにさっきみたいにもっと思ったことを口に出すといい」