夢を見るメモ帳

間広 雪

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三章 夢から現実へ

夢の夢の現実

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結局、緑のお見舞いにも、学校にも行った
青の姿を見る事は出来なかった
最近すごく眠いんだよな、、どっちで寝てるか分から無くなってきた、このメモ帳も後、、19枚か、起きてる緑に会えるのは後19回
圭吾「う、、やばい睡魔が」
机に伏せて眠ってしまった、、

危ない!

圭吾「うん、、、うわ!?」
冷たい!なんだどうした?!
クラスメイト「吉川ごめん!」
クラスメイトが飲んでいた飲み物が誰かとぶつかった拍子に、僕の頭からかかった
冷たい!、、いやそんな事より
や、やばい!メモ帳が濡れてる!!
ああ、、
濡れたところが、ふやけで破けてしまった、、、全部
いや、1枚だけ、僕の手元でちぎれて残っている!残ってる、、、でも1枚だけ、、、
後1枚、あと、1回しか緑に会えない?!
僕は咄嗟にクラスメイトを睨みつけてしまった
クラスメイト「おう、、、吉川ごめん、」
圭吾「いや、いい、、気にしないで、ごめんね睨んでしまって」
とりあえず、この1枚は死守しないと、、じゃないと緑と会えない

学校終わり急いで帰宅した
どうしよう、、あと1回しか緑に会えない
なら伝えたいと、ずっといえなかった事

その日の夜遂に最後だ、、緑に会いに行こう

夢の中に入ると、目の前に緑がいた
圭吾「緑、、、」
緑「ん?何けいちゃん?」
何か口に含んでいた、これで最後、、、僕は溢れそうになる涙をグッと堪えて
精一杯明るく振る舞った
圭吾「、、何食べてるの?」
緑「おばさまから貰ったらお饅頭、けいちゃんも食べる?」
圭吾「うんうん、大丈夫、ありがとう」
緑「、、、けいちゃん?また泣いてるどうしたの?何かあった?」
なんで緑は僕の変化にすぐ気づいてくれるんだろう。
緑「、、、よし!!!けいちゃん、出かけよう!準備して!」
圭吾「今から?」
緑「そ!今からだよ!ほら行くよ!」
緑は強引に僕を連れ出し、森林浴ができる公園へ連れていった
この公園は昔からよく来ているところだ懐かしい

緑「私、、この匂い好きだな」
木々の間にまばらに光が指す中、隣で深呼吸する彼女が呟く
圭吾「うん、僕も、緑の匂い好きだ」
緑「え~けいちゃん、私の匂い嗅いでるの?」
圭吾「違うよ、森の緑の匂いだよ」
緑「もう、冗談だよ!可愛いヤツめ~うりうり!」
 僕の半分しか背丈がない、緑は背伸びして僕の頭を撫で回した、そうして彼女は木々の間を駆け回り
緑「けいちゃん!楽しいね!」
僕に眩しい笑顔を見せてくれる、これは夢で見た事がある、まだメモ帳を使っていないときだ、、、
緑「けいちゃん、、私ね?わかんないんだけどね」

緑「けいちゃんと、会えるのこれで最後かもしれないって思ってる」
圭吾「!?」
緑「あ、やっぱりなの?」
圭吾「なん、で?」
緑「ん~やっぱり今日のけいちゃん、うんうん最近のけいちゃんなんか変だもん、急に泣いたり、抱きしめたり、、、それにね、私わかっちゃったの」
圭吾「、、何を?」
緑「ここって現実じゃないんでしょ?」
圭吾「?!?!な、なんで?」
緑「んっとね、上手く言えないんだけど、、あ、私ね青だったよ」
更にどういうことだ?緑が青?
緑「ここって夢の中なの、かな?、ここは圭吾が見てる夢の世界なんでしょ?」
圭吾「僕が見てる?確かに僕が作った夢だと思うけど、夢を見るメモ帳っていうのを見つけてね
そのメモ帳の力で緑に会いに来たんだ、現実世界で緑は、、その事故に遭って昏睡状態だから」
緑「けいちゃん、違うのはね昏睡状態なのは、、、けいちゃんの方なんだよ、、」
混乱してきた、どういう事だ
緑「けいちゃんが使っていたメモ帳は、夢を見るって書いているけど、それは他人の夢に入って夢を見る事ができる
メモ帳なの、だから今目の前にいるけいちゃんは、私の夢に入っているの、、
そして、現実のけいちゃんは昏睡状態、現実世界の青がけいちゃんと同じ夢を見るメモ帳を使って、けいちゃんの夢の中に入ったの」
青もあのメモ帳を使っっていたのか、、、
緑「そして、けいちゃんの夢の世界に来たのは良かったんだけど、生きている同じ人間は世界に複数人いるのが悪いみたい、私は青としてではなく、緑として生活していた、のかな?多分」
圭吾「のかなって、、」
緑「だってそんなの知らないじゃん!私の記憶に青の記憶が入ったからそうかなって思ったの!」
緑は腕をブンブン振り、怒ってる、、緑と青が一緒、、、あ!
圭吾「好物?」
緑「そうだね~私も青も好きな物一緒だね、好きになった人も一緒、、、」
衝撃すぎて言葉がなかなか出てこない、、
緑「これだけじゃ、確証難しいよね」
圭吾「、、、でも緑は俺は緑とその、付き合ってただろ?」
緑「うん、、でもそれも本当は青になる予定だったのかな」
圭吾「な、なんだそれ、、、待ってじゃあ俺は?なんで消えたり別人になったりしていないんだ?」
緑「けいちゃんは、現実世界で昏睡状態だったでしょ?生きてるか微妙だったから、、じゃないかな」
圭吾「かなって、、、」
緑「とにかくじがんがないの!現実の世界のけいちゃんが起きるの!だから夢の、世界が消えるの!」
世界が消える、、、そんな
圭吾「そんな、じゃあ緑はどうなるんだ?」
緑「私も、一緒に消えちゃうかな、あ、でも記憶は残るよ、青の方に、青の記憶としてだけど、緑は消えちゃうね」
圭吾「、、、、そんな事って」
緑「元々は、私、青が始めた事だもん、元に戻るだけだよ、だからねけいちゃん、青の事、私の事お願いね?」
圭吾「俺は、、、忘れない!俺が好きなのは緑だ、でも青も、、そうだ青の事も好きだったんだ、、なのに青と緑を重ねて」
緑「けいちゃん、ありがとう
さようなら、これからも宜しくね」
圭吾「、、、緑、、、大好きだ!記憶が無くなっても、緑の事が大好きだ!」
いえた、今まで言えなかった、僕の気持ち
緑「私も、、大好き、、、」
こうして、夢の世界は消えた

、、、、、、、、、、

意識が戻っていく、、、まぶたが重いこれは
ここは?どこだ?僕はどうなって、、、
青「、、、、!けい、ごさん?」
圭吾「、、、青?」
青「良かった圭吾さん、、、目が覚めて、、」
事情を聞くと、僕は交通事故で1年ぐらい昏睡状態だったらしい、その間も恋人である青がお見舞いに来てくれた
圭吾「ありがとう、青」
何か忘れている気がする、、、ダメだ思い出せない
青「とりあえず、お医者さん呼んでくるわね」

しばらくして、僕は退院した幸特に後遺症もなく
心配事といえば、何か心に穴が空いたような、何かをなくしたような気がする
学校の登校時間だ、青と待ち合わせしている
圭吾「青、おはよう」
青「圭吾さん、おはようございます」


ヒュゴー、、、
強い風が吹いた、とともに、緑の匂いがした
圭吾「、、、緑」
行ってらっしゃいと聞こえたような気がした
青「緑お姉ちゃん、、、」
青ーけいちゃんの事よろしくねと聞こえた気がした
二人は同じ人物の、名前を呟き顔を見合わせる
それはお互いの頭の片隅にある、思い出せない記憶、しかし現実に体験した夢の記憶であった
もう一度強く風が吹き、緑の匂いが当たりを充満させる

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