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第15話 第一王子は規格外
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「え、カイト兄上が会いたがってくれてるの?ラッキー!」
テオとビアンカが相談した結果、判断を魅了研究チームに判断を委ねることにした。
そして報告に行ったアルトの第一声が先ほどのあれだ。
まずは内々に話をしようと、わざわざアイラがいる研究室の隣の部屋で話をしたというのに、アルトはラッキー、の言葉のあとに「アイラー!本神殿に行くよー!」と、そのまま研究室へ飛び込んでいった。
魔封じの加護を持たないテオは、追いかけるわけにもいかず、少し考えた後に、ビアンカだけがアルトの後を追った。
「し、神殿、ですか?」
突然飛び込んできたアルトと、それを追いかけてきたビアンカの顔を交互に見ながらアイラは首を傾げる。
「うん。もともとカイト兄上にアイラの加護の鑑定してもらう予定だったんだ!まだ依頼は出せてなかったけど。魔封じの加護持ってる神官なんて兄上くらいだからね」
「あれ、でも、カイト殿下の加護は、女神の使いでは…?」
女神の使いとは、現行法では神官になることが定められている加護だ。定められた年数神官として務めれば還俗することは可能で、その際は加護が変わると言われている。しかし、カイトがその加護を賜るまでは王族に「女神の使い」の加護が現れたことはなく、カイトを神殿へ送るか否かで揉めたことは、国民の間でも有名な話だ。
「ああ、それね」
アルトは何のこともなしにいう。
「カイト兄上って、複数加護持ちのレア中のレアな人なんだよ」
「複数、ですか?」
「そう。女神の使いでしょ、魔封じ、あと星の加護。あ、星の加護って知ってる?」
「ええと、星の動きで未来を予知する能力がある加護でしたか?」
アイラの答えに、アルトは正解!と笑う。
「魔力量だけでいうなら僕の方が上だけど、カイト兄上はすごいんだよ。なんかもう色々と規格外。だからこそ、神殿で女神様に仕えるのが1番いいんだろうなーとは思うけど。とにかく、兄上から呼び出しがあるなら、アイラを神殿へと運ぶのも話が通しやすい。アイラ、というわけで、テオが兄上に連絡とったら、僕の方に兄上からまた接触があると思うから、そしたら本神殿行く段取り組もうね!」
じゃ、僕はいろいろやってくる!とアルトは入ってきた時と同じように飛び出していった。
ばたん、と勢いよく綴じられた扉を見た後、残されたアイラと、ビアンカが目を合わせる。
「ええと、だいたいアルト様が言ってる通りなのですが」
「え、あ、はい…。あの、でも私ここから出たら…」
アイラがアンクレットをぎゅう、と握りしめる。
「…、ここにきた時、私が魔封じの魔法をかけた馬車に乗せたでしょう?あれと同じ移動手段をとりますから、安心してください。アイラの魅了は外にはでませんよ」
「…そう、ですか。ありがとうございます」
ぺこり、と下げられた頭を、ビアンカがふわりと撫でた。
一瞬だけ、びくり、とアイラが震えた。
「アンクレット、見てもらえますか?」
宝石は、白いまま。
「毎回確認するといいですよ。それに対して不快に思う人はここにはいません」
柔らかい言葉に、アイラはまたひとつ、こくん、と頷いた。
アルトがカイトと連絡をとったのち、アイラが本神殿へ行くのは1週間後と決まった。
「めちゃくちゃ早いな?」
「ごねてみたら通ったよ!」
アルトがにこやかにそう答え、聞いたディックが苦笑する。
そんな様子を見ながら、アイラはふと窓の外をみた。
窓に少しだけかかるような大きな木が、青々とした葉を揺らす。その奥に見える空はずっと遠くまで澄んでいて、ここから出て癒し手になる、といううっすらとした目標すらもうつかむことができない自分の小ささを思うと、なんだか唐突に泣きたくなった。
泣きたくなっただけで泣くつもりはなかったのだが、ぽろぽろと涙が頬を伝う。
突然泣き出したアイラに、ディックとアルトがあわあわと手を揺らした。
「え?え?アイラ大丈夫?」
「アイラどうしたの⁉︎お腹痛いね⁉︎」
「アルト様、なんで腹痛限定なんだよ」
「え?」
「え?」
そのおかしなやりとりに、アイラがくっと喉の奥で笑うと、二人は目を合わせて、少し微笑んでくれた。
テオとビアンカが相談した結果、判断を魅了研究チームに判断を委ねることにした。
そして報告に行ったアルトの第一声が先ほどのあれだ。
まずは内々に話をしようと、わざわざアイラがいる研究室の隣の部屋で話をしたというのに、アルトはラッキー、の言葉のあとに「アイラー!本神殿に行くよー!」と、そのまま研究室へ飛び込んでいった。
魔封じの加護を持たないテオは、追いかけるわけにもいかず、少し考えた後に、ビアンカだけがアルトの後を追った。
「し、神殿、ですか?」
突然飛び込んできたアルトと、それを追いかけてきたビアンカの顔を交互に見ながらアイラは首を傾げる。
「うん。もともとカイト兄上にアイラの加護の鑑定してもらう予定だったんだ!まだ依頼は出せてなかったけど。魔封じの加護持ってる神官なんて兄上くらいだからね」
「あれ、でも、カイト殿下の加護は、女神の使いでは…?」
女神の使いとは、現行法では神官になることが定められている加護だ。定められた年数神官として務めれば還俗することは可能で、その際は加護が変わると言われている。しかし、カイトがその加護を賜るまでは王族に「女神の使い」の加護が現れたことはなく、カイトを神殿へ送るか否かで揉めたことは、国民の間でも有名な話だ。
「ああ、それね」
アルトは何のこともなしにいう。
「カイト兄上って、複数加護持ちのレア中のレアな人なんだよ」
「複数、ですか?」
「そう。女神の使いでしょ、魔封じ、あと星の加護。あ、星の加護って知ってる?」
「ええと、星の動きで未来を予知する能力がある加護でしたか?」
アイラの答えに、アルトは正解!と笑う。
「魔力量だけでいうなら僕の方が上だけど、カイト兄上はすごいんだよ。なんかもう色々と規格外。だからこそ、神殿で女神様に仕えるのが1番いいんだろうなーとは思うけど。とにかく、兄上から呼び出しがあるなら、アイラを神殿へと運ぶのも話が通しやすい。アイラ、というわけで、テオが兄上に連絡とったら、僕の方に兄上からまた接触があると思うから、そしたら本神殿行く段取り組もうね!」
じゃ、僕はいろいろやってくる!とアルトは入ってきた時と同じように飛び出していった。
ばたん、と勢いよく綴じられた扉を見た後、残されたアイラと、ビアンカが目を合わせる。
「ええと、だいたいアルト様が言ってる通りなのですが」
「え、あ、はい…。あの、でも私ここから出たら…」
アイラがアンクレットをぎゅう、と握りしめる。
「…、ここにきた時、私が魔封じの魔法をかけた馬車に乗せたでしょう?あれと同じ移動手段をとりますから、安心してください。アイラの魅了は外にはでませんよ」
「…そう、ですか。ありがとうございます」
ぺこり、と下げられた頭を、ビアンカがふわりと撫でた。
一瞬だけ、びくり、とアイラが震えた。
「アンクレット、見てもらえますか?」
宝石は、白いまま。
「毎回確認するといいですよ。それに対して不快に思う人はここにはいません」
柔らかい言葉に、アイラはまたひとつ、こくん、と頷いた。
アルトがカイトと連絡をとったのち、アイラが本神殿へ行くのは1週間後と決まった。
「めちゃくちゃ早いな?」
「ごねてみたら通ったよ!」
アルトがにこやかにそう答え、聞いたディックが苦笑する。
そんな様子を見ながら、アイラはふと窓の外をみた。
窓に少しだけかかるような大きな木が、青々とした葉を揺らす。その奥に見える空はずっと遠くまで澄んでいて、ここから出て癒し手になる、といううっすらとした目標すらもうつかむことができない自分の小ささを思うと、なんだか唐突に泣きたくなった。
泣きたくなっただけで泣くつもりはなかったのだが、ぽろぽろと涙が頬を伝う。
突然泣き出したアイラに、ディックとアルトがあわあわと手を揺らした。
「え?え?アイラ大丈夫?」
「アイラどうしたの⁉︎お腹痛いね⁉︎」
「アルト様、なんで腹痛限定なんだよ」
「え?」
「え?」
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