21 / 28
21
しおりを挟む
目を開くと薄暗い部屋に月明かりが差し込んでいた。横を見るといるはずの姿がなく今までの事が全て夢だったかのような寂しさに襲われる。
オオカミさんがいたはずのシーツにそっと触れると温もりが少し残っていた。そこに顔を近づけると彼の香りが残っていて胸が締め付けられた。胸いっぱいに香りを吸い込みシーツに寂しさを紛らわすように顔を擦り付ける。
「……何してるの?」
クスリと笑いながら声が上からかかった。振り返れば髪の濡れたオオカミさんが上半身裸で立っていた。
髪から水滴が滴り、鍛えられた身体が月に照らされた姿はぞくっとするほど艶かしくて目が離せない。頬が紅く染まり心臓がドキドキと脈打つ。それを知っているのか知らないのか、ベッドに腰掛け私を見つめながら髪を愛おしげに梳かす。
その手が気持ちよくて先程までの寂しさが消え幸福感で満たされていく。
少し離れただけでこんなにも……。どうしよう。もう、オオカミさんがいないと私はダメなんじゃないだろうか?
「寂しかった?」
恥ずかしけれど素直に頷いてしまう。嬉しそうに微笑むオオカミさんに擦り寄る。
「私、オオカミさんに出逢えて良かった……。本当に幸せよ」
横になったままでオオカミさんの腰に手を廻し抱きしめる。このまま穏やかな時を過ごしていたいと願ってしまう。
「明後日にここを発つから、準備しておいて……」
何か考えているのか少し止まりまた、話し出す。
「それで向こうに着いたら、結婚式をしよう」
結婚式?それって…。オオカミさんと夫婦になるって言うこと?……いいの?
「本当は、もっとちゃんとしてからプロポーズしたかったんだけど…。赤頭巾が嬉しいこと言ってくれるから我慢出来なくて……」
照れながら、立ち上がり何かを持ってベッドへ戻ってきた。
そして、そっと起こされオオカミさんは跪く。
「赤頭巾……。僕と結婚して下さい。」
私の左手を取り薬指にはめられたのは銀色に光る指輪だった。
一緒に行こうとは言ってもらえてこうしてオオカミさんと触れ合えて……。それだけで幸せだと思えた。だからそれ以上は望んではいけないことだと……。考えてはいけないことだと思っていた。
また、こんな事を思っていたと言えばオオカミさんに怒られるかもしれないけど……。
望んでしまうと今の幸せまで消えてしまいそうで怖かった。
涙が溢れ、頬を伝う。
「赤頭巾? いや、だった……?」
声にならず、首を横に振る。嫌だとかそんな事ある訳が無い。
嬉しさと幸福感で押し潰されてしまいそう。
ベッドの横ではあたふたと慌てるオオカミさん。その姿が愛おしくて泣き笑いの顔になってしまう。幸せ過ぎてこんなに胸が張り裂けそうだ。
「いやなんてそんな事思うわけない……!嬉し過ぎて、幸せ過ぎて……もう、おかしくなりそう」
息が止まりるぐらいに抱きしめられ猫が戯れるみたいにあちこちに口付けられる。
「オオカミさん……。くすぐったい」
そう言いつつも止めてほしくない。オオカミさんも分かっているのか口付けを止めようとはしない。
「ねぇ、子供は何人欲しい?赤頭巾に似た女の子も可愛いし、男の子も欲しいね」
肩に顔を乗せ照れた顔を隠すように埋める。
「オオカミさん、気が早い」
そう言いながらも、オオカミさんに似た子供達に囲まれ過ごす日常を想像してしまう。
「オオカミさんがいて、子供達がいて……。」
言葉にするだけで目の前にその光景が浮かぶ。
「誓うよ。どんな事があっても赤頭巾と共に生きていく。一緒に幸せになろう」
「はい……。私も誓います。オオカミさんと共にずっと生きていく。……愛してる」
「赤頭巾……」
触れるだけの口付けそれだけでも胸の膨れるような心地よさを感じる。指と指を絡め見つめ合い微笑む。
今日という幸福な日が永遠に続きますようにと、願わずにはいられない
❦ℯꫛᎴ❧
ここまでお読みいただき本当にありがとうございました。
気に入ってもらえるようなシーンとかあったんでしょうか?気になってますw
たまに番外編?お話更新する予定です。
また、読んで頂けるように精進致します(`-ω-´)✧
オオカミさんがいたはずのシーツにそっと触れると温もりが少し残っていた。そこに顔を近づけると彼の香りが残っていて胸が締め付けられた。胸いっぱいに香りを吸い込みシーツに寂しさを紛らわすように顔を擦り付ける。
「……何してるの?」
クスリと笑いながら声が上からかかった。振り返れば髪の濡れたオオカミさんが上半身裸で立っていた。
髪から水滴が滴り、鍛えられた身体が月に照らされた姿はぞくっとするほど艶かしくて目が離せない。頬が紅く染まり心臓がドキドキと脈打つ。それを知っているのか知らないのか、ベッドに腰掛け私を見つめながら髪を愛おしげに梳かす。
その手が気持ちよくて先程までの寂しさが消え幸福感で満たされていく。
少し離れただけでこんなにも……。どうしよう。もう、オオカミさんがいないと私はダメなんじゃないだろうか?
「寂しかった?」
恥ずかしけれど素直に頷いてしまう。嬉しそうに微笑むオオカミさんに擦り寄る。
「私、オオカミさんに出逢えて良かった……。本当に幸せよ」
横になったままでオオカミさんの腰に手を廻し抱きしめる。このまま穏やかな時を過ごしていたいと願ってしまう。
「明後日にここを発つから、準備しておいて……」
何か考えているのか少し止まりまた、話し出す。
「それで向こうに着いたら、結婚式をしよう」
結婚式?それって…。オオカミさんと夫婦になるって言うこと?……いいの?
「本当は、もっとちゃんとしてからプロポーズしたかったんだけど…。赤頭巾が嬉しいこと言ってくれるから我慢出来なくて……」
照れながら、立ち上がり何かを持ってベッドへ戻ってきた。
そして、そっと起こされオオカミさんは跪く。
「赤頭巾……。僕と結婚して下さい。」
私の左手を取り薬指にはめられたのは銀色に光る指輪だった。
一緒に行こうとは言ってもらえてこうしてオオカミさんと触れ合えて……。それだけで幸せだと思えた。だからそれ以上は望んではいけないことだと……。考えてはいけないことだと思っていた。
また、こんな事を思っていたと言えばオオカミさんに怒られるかもしれないけど……。
望んでしまうと今の幸せまで消えてしまいそうで怖かった。
涙が溢れ、頬を伝う。
「赤頭巾? いや、だった……?」
声にならず、首を横に振る。嫌だとかそんな事ある訳が無い。
嬉しさと幸福感で押し潰されてしまいそう。
ベッドの横ではあたふたと慌てるオオカミさん。その姿が愛おしくて泣き笑いの顔になってしまう。幸せ過ぎてこんなに胸が張り裂けそうだ。
「いやなんてそんな事思うわけない……!嬉し過ぎて、幸せ過ぎて……もう、おかしくなりそう」
息が止まりるぐらいに抱きしめられ猫が戯れるみたいにあちこちに口付けられる。
「オオカミさん……。くすぐったい」
そう言いつつも止めてほしくない。オオカミさんも分かっているのか口付けを止めようとはしない。
「ねぇ、子供は何人欲しい?赤頭巾に似た女の子も可愛いし、男の子も欲しいね」
肩に顔を乗せ照れた顔を隠すように埋める。
「オオカミさん、気が早い」
そう言いながらも、オオカミさんに似た子供達に囲まれ過ごす日常を想像してしまう。
「オオカミさんがいて、子供達がいて……。」
言葉にするだけで目の前にその光景が浮かぶ。
「誓うよ。どんな事があっても赤頭巾と共に生きていく。一緒に幸せになろう」
「はい……。私も誓います。オオカミさんと共にずっと生きていく。……愛してる」
「赤頭巾……」
触れるだけの口付けそれだけでも胸の膨れるような心地よさを感じる。指と指を絡め見つめ合い微笑む。
今日という幸福な日が永遠に続きますようにと、願わずにはいられない
❦ℯꫛᎴ❧
ここまでお読みいただき本当にありがとうございました。
気に入ってもらえるようなシーンとかあったんでしょうか?気になってますw
たまに番外編?お話更新する予定です。
また、読んで頂けるように精進致します(`-ω-´)✧
0
あなたにおすすめの小説
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
【短編】淫紋を付けられたただのモブです~なぜか魔王に溺愛されて~
双真満月
恋愛
不憫なメイドと、彼女を溺愛する魔王の話(短編)。
なんちゃってファンタジー、タイトルに反してシリアスです。
※小説家になろうでも掲載中。
※一万文字ちょっとの短編、メイド視点と魔王視点両方あり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる