75 / 88
恋慕日記
俺たち一応山岳部なんだが
しおりを挟む
学年末考査が終了し、残すは卒業式と、球技大会のみとなった校内は、二月も下旬を迎え、冬の厳しい寒さが温んでいくのに従って、雰囲気も和やかなものになっていた。
いつもより少し早くに登校した俺は、朝から部活に勤しむ諸氏を観察しながら、のんびりと校内を歩いていた。
そんな俺の横を駆け足で、過ぎるものがある。絶世の美女というほどではないが、発情期の男子が放っておかないくらいには、愛嬌のある子だった。部活で使うのだろうか、手提げカバンからは、白衣が覗いていた。
どうやら女子更衣室に向かっているらしい。その女子生徒は、友人を探しているのか、キョロキョロと周りに気を配りながら、女子更衣室の中へと入っていった。
……どこかで見た顔だが、誰だったろうか。
ふっと、色ボケ女、という観念が頭に湧いたが、それ以上のことは思い出すことができなかった。多分既視感とかそんなようなものだろう。高校においては、発情した女子高生など珍しくない。同じく発情した頭の軽そうな、男子高校生と末永く爆発しといてもらえれば、俺に実質的被害はないので、関わらないのが吉である。
それにしても、性の若年化が進んだとか言われるのに、出生率が下がっているというのは今世紀最大の謎かもしれない。データを見てみないとわからないが、未成年者の中絶の実施率でも上がっているのかもしれない。止むに止まれぬ事情があるのかもしれないが、高校生カップルで妊娠するような奴らは、命の大切さを真に理解しているのだろうか。
大方、己の欲望を満たすことしか眼中にない、低俗な連中か。
それは愛じゃない。下心です。
そう考えると、リア充というものも、大分揺らいだ存在だな。……命を大切にしないやつは大嫌いだ! 等しく滅びればいい。見ていて虫酸が走る。そんな俺の心は何に例えようか。……。怒りの鉄拳?
もう開き直って、高校の自販機で、避妊具でも販売したほうが人道的かもしれない。……多分俺が鉄拳で壊す。高校に託児所を付属させるほうが、国政的には良いかもしれない。
政党でも作るか。子作り維新の会。公約は「一高校に、一幼稚園、子作りは高校生から」
高校在学中に、一人以上の子供を作ることを義務化すれば、少子化はたちまち解消されるだろう。多分違憲。だがこの国には、違憲であったとしても、ゴリ押しで実施できるという謎システムがあるので大丈夫。最悪、時代にそぐわないとか言って、改憲すれば大丈夫である。
これを国家権力の横暴という。国内外、世界各国から批判されそう。
多分誰も当選しない。
何はともあれ、リア充(笑)に良い感情を抱かない俺は、命の大切さを理解した超善人。もはや聖人を通り越して神。……違う。
*
「深山さん、今度買い物に付き合ってくれませんか」
綿貫から、そう言われたのは、考査後初の部活をするために、部室にいたときのことである。
「どこだ?」
「大名古屋ビルヂングが新しくなったのご存知です? 新しく作り直したやつです。名駅前の」
「ああ、そういえば、工事終わったらしいな」
名駅を出たところ、桜通りに面する大名古屋ビルヂングは、数年前からビルを新しく作り直していた。ついこの間、オフィス棟に続き、商業施設の開店も執り行われ、再スタートを切ったところである。
「どうでしょう、ちょっと見てみたくないですか?」
「……人混みは好かんのだが。今絶対混んでるぞ」
つい先日、開店したばかりの商業施設だ。混んでない方がおかしい。
「駄目……でしょうか?」
綿貫のうるうるした瞳に、ハートを打ち抜かれた俺は、断りようがなかった。
「仕方ないな。わかった行ってやるよ」
まあ、デートだ。ちょっとくらいの困難、乗り越えてみせるさ。
綿貫は顔を輝かせて言った。
「よかったです。では、深山さんも行けそうだと、萌菜先輩に言っておきますね」
えっ。
「萌菜先輩も来るのか?」
「えっ、ええ。そうですけど」
なんだよ。デートのお誘いかと思っちゃったじゃないか。
待ち合わせ場所や時刻などの、打ち合わせをしていたところ、ガラリと戸が開いた。
そこに立っていたのは、見知らぬ女生徒である。上履きの色を見るに、一年生らしい。
彼女は口を開く。
「山岳部の深山くんは居ますか?」
すごくすごく嫌な予感がした。まさに既視感。
「……俺だが」
「手伝ってほしいことがあるんです。私風紀委員なんですけど、執行委員長に相談したら、ここに来るように言われたんです」
……嗚呼。どうしてこうなる。
*
突っ返すのも面倒だったので、彼女の喋りたいように喋らせた。
「今日のことなんですけど、とある一年の女子生徒の、体操服が無くなってしまったそうなんです。それで、誰の仕業か学級会が開かれたらしいんですけど、犯人がわからなくて、もしかしたら他のクラスのひとがやったのかもしれないということで、話が風紀委員に持ち込まれたんです。先生方にもお知らせして、明日には全校に連絡がなされるらしいですけど」
「……見つからんだろうな」
出てこいと言って出てくるものなら、そもそも犯人は盗りはしないだろう。
「でもまだ学級会は続いています。とりあえず教室まで来てもらえませんか」
どうせここで断ったら、萌菜先輩の耳に届いて、有る事無い事吹聴されるのが落ちである。それに、彼女には少し、借りがあるので、おとなしく手伝っておくのが賢いだろう。……「チョコをあげたのに義理も果たせないのか」とか、「君は女の子から搾り取るだけ搾り取って、後はポイなんだな」とか、「いつもいやらしい目でさやかを見ていること、みんなに言いふらしちゃうよ」とか(なぜそのことを?!)。
……これだから義理チョコは嫌いなんだ。たかだか数百円の出費で、男を手玉に取れるとか、コスパ最強だろ。
だから俺もゴディバの意見に賛成である。売上を自ら減らすような発言をしているわけだが、汚い商戦から降りようとしているのには好感が持てる。今度綿貫と夏帆ちゃんに買ってやろうか。……あ。そういう作戦か。
とりあえず、人間関係の潤滑油としての贈り物の役目を、外国の宗教に絡ませようとするのはやめて欲しい。チョコくらい自分で買えるし。てか、そもそもチョコレートあんまり好きじゃないし。綿貫と夏帆ちゃんから本命チョコレートを貰える俺としては、義理チョコとか……笑。……こほんこほん。
萌菜先輩は気にしていないと言っていたが、チョコの件だけでなく、彼女とは言い争いのようなものをして、不愉快な思いをさせてるから、罪滅ぼしとしては、丁度いいだろう。
手伝いをする理由を見つけたので、風紀委員の君に声をかけた。
「わかった。どこのクラスだ?」
「一年D組です」
はあ、仕方ない。果たすべき義理を果たしに行くとするか。
いつもより少し早くに登校した俺は、朝から部活に勤しむ諸氏を観察しながら、のんびりと校内を歩いていた。
そんな俺の横を駆け足で、過ぎるものがある。絶世の美女というほどではないが、発情期の男子が放っておかないくらいには、愛嬌のある子だった。部活で使うのだろうか、手提げカバンからは、白衣が覗いていた。
どうやら女子更衣室に向かっているらしい。その女子生徒は、友人を探しているのか、キョロキョロと周りに気を配りながら、女子更衣室の中へと入っていった。
……どこかで見た顔だが、誰だったろうか。
ふっと、色ボケ女、という観念が頭に湧いたが、それ以上のことは思い出すことができなかった。多分既視感とかそんなようなものだろう。高校においては、発情した女子高生など珍しくない。同じく発情した頭の軽そうな、男子高校生と末永く爆発しといてもらえれば、俺に実質的被害はないので、関わらないのが吉である。
それにしても、性の若年化が進んだとか言われるのに、出生率が下がっているというのは今世紀最大の謎かもしれない。データを見てみないとわからないが、未成年者の中絶の実施率でも上がっているのかもしれない。止むに止まれぬ事情があるのかもしれないが、高校生カップルで妊娠するような奴らは、命の大切さを真に理解しているのだろうか。
大方、己の欲望を満たすことしか眼中にない、低俗な連中か。
それは愛じゃない。下心です。
そう考えると、リア充というものも、大分揺らいだ存在だな。……命を大切にしないやつは大嫌いだ! 等しく滅びればいい。見ていて虫酸が走る。そんな俺の心は何に例えようか。……。怒りの鉄拳?
もう開き直って、高校の自販機で、避妊具でも販売したほうが人道的かもしれない。……多分俺が鉄拳で壊す。高校に託児所を付属させるほうが、国政的には良いかもしれない。
政党でも作るか。子作り維新の会。公約は「一高校に、一幼稚園、子作りは高校生から」
高校在学中に、一人以上の子供を作ることを義務化すれば、少子化はたちまち解消されるだろう。多分違憲。だがこの国には、違憲であったとしても、ゴリ押しで実施できるという謎システムがあるので大丈夫。最悪、時代にそぐわないとか言って、改憲すれば大丈夫である。
これを国家権力の横暴という。国内外、世界各国から批判されそう。
多分誰も当選しない。
何はともあれ、リア充(笑)に良い感情を抱かない俺は、命の大切さを理解した超善人。もはや聖人を通り越して神。……違う。
*
「深山さん、今度買い物に付き合ってくれませんか」
綿貫から、そう言われたのは、考査後初の部活をするために、部室にいたときのことである。
「どこだ?」
「大名古屋ビルヂングが新しくなったのご存知です? 新しく作り直したやつです。名駅前の」
「ああ、そういえば、工事終わったらしいな」
名駅を出たところ、桜通りに面する大名古屋ビルヂングは、数年前からビルを新しく作り直していた。ついこの間、オフィス棟に続き、商業施設の開店も執り行われ、再スタートを切ったところである。
「どうでしょう、ちょっと見てみたくないですか?」
「……人混みは好かんのだが。今絶対混んでるぞ」
つい先日、開店したばかりの商業施設だ。混んでない方がおかしい。
「駄目……でしょうか?」
綿貫のうるうるした瞳に、ハートを打ち抜かれた俺は、断りようがなかった。
「仕方ないな。わかった行ってやるよ」
まあ、デートだ。ちょっとくらいの困難、乗り越えてみせるさ。
綿貫は顔を輝かせて言った。
「よかったです。では、深山さんも行けそうだと、萌菜先輩に言っておきますね」
えっ。
「萌菜先輩も来るのか?」
「えっ、ええ。そうですけど」
なんだよ。デートのお誘いかと思っちゃったじゃないか。
待ち合わせ場所や時刻などの、打ち合わせをしていたところ、ガラリと戸が開いた。
そこに立っていたのは、見知らぬ女生徒である。上履きの色を見るに、一年生らしい。
彼女は口を開く。
「山岳部の深山くんは居ますか?」
すごくすごく嫌な予感がした。まさに既視感。
「……俺だが」
「手伝ってほしいことがあるんです。私風紀委員なんですけど、執行委員長に相談したら、ここに来るように言われたんです」
……嗚呼。どうしてこうなる。
*
突っ返すのも面倒だったので、彼女の喋りたいように喋らせた。
「今日のことなんですけど、とある一年の女子生徒の、体操服が無くなってしまったそうなんです。それで、誰の仕業か学級会が開かれたらしいんですけど、犯人がわからなくて、もしかしたら他のクラスのひとがやったのかもしれないということで、話が風紀委員に持ち込まれたんです。先生方にもお知らせして、明日には全校に連絡がなされるらしいですけど」
「……見つからんだろうな」
出てこいと言って出てくるものなら、そもそも犯人は盗りはしないだろう。
「でもまだ学級会は続いています。とりあえず教室まで来てもらえませんか」
どうせここで断ったら、萌菜先輩の耳に届いて、有る事無い事吹聴されるのが落ちである。それに、彼女には少し、借りがあるので、おとなしく手伝っておくのが賢いだろう。……「チョコをあげたのに義理も果たせないのか」とか、「君は女の子から搾り取るだけ搾り取って、後はポイなんだな」とか、「いつもいやらしい目でさやかを見ていること、みんなに言いふらしちゃうよ」とか(なぜそのことを?!)。
……これだから義理チョコは嫌いなんだ。たかだか数百円の出費で、男を手玉に取れるとか、コスパ最強だろ。
だから俺もゴディバの意見に賛成である。売上を自ら減らすような発言をしているわけだが、汚い商戦から降りようとしているのには好感が持てる。今度綿貫と夏帆ちゃんに買ってやろうか。……あ。そういう作戦か。
とりあえず、人間関係の潤滑油としての贈り物の役目を、外国の宗教に絡ませようとするのはやめて欲しい。チョコくらい自分で買えるし。てか、そもそもチョコレートあんまり好きじゃないし。綿貫と夏帆ちゃんから本命チョコレートを貰える俺としては、義理チョコとか……笑。……こほんこほん。
萌菜先輩は気にしていないと言っていたが、チョコの件だけでなく、彼女とは言い争いのようなものをして、不愉快な思いをさせてるから、罪滅ぼしとしては、丁度いいだろう。
手伝いをする理由を見つけたので、風紀委員の君に声をかけた。
「わかった。どこのクラスだ?」
「一年D組です」
はあ、仕方ない。果たすべき義理を果たしに行くとするか。
0
あなたにおすすめの小説
イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について
のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。
だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。
「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」
ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。
だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。
その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!?
仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、
「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」
「中の人、彼氏か?」
視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!?
しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して――
同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!?
「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」
代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!
竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」
俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。
彼女の名前は下野ルカ。
幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。
俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。
だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている!
堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
クラスメイトの王子様系女子をナンパから助けたら。
桜庭かなめ
恋愛
高校2年生の白石洋平のクラスには、藤原千弦という女子生徒がいる。千弦は美人でスタイルが良く、凛々しく落ち着いた雰囲気もあるため「王子様」と言われて人気が高い。千弦とは教室で挨拶したり、バイト先で接客したりする程度の関わりだった。
とある日の放課後。バイトから帰る洋平は、駅前で男2人にナンパされている千弦を見つける。普段は落ち着いている千弦が脚を震わせていることに気付き、洋平は千弦をナンパから助けた。そのときに洋平に見せた笑顔は普段みんなに見せる美しいものではなく、とても可愛らしいものだった。
ナンパから助けたことをきっかけに、洋平は千弦との関わりが増えていく。
お礼にと放課後にアイスを食べたり、昼休みに一緒にお昼ご飯を食べたり、お互いの家に遊びに行ったり。クラスメイトの王子様系女子との温かくて甘い青春ラブコメディ!
※特別編3が完結しました!(2025.12.18)
※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、いいね、感想などお待ちしております。
距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる
歩く魚
恋愛
かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。
だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。
それは気にしてない。俺は深入りする気はない。
人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。
だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。
――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。
バイト先の先輩ギャルが実はクラスメイトで、しかも推しが一緒だった件
沢田美
恋愛
「きょ、今日からお世話になります。有馬蓮です……!」
高校二年の有馬蓮は、人生初のアルバイトで緊張しっぱなし。
そんな彼の前に現れたのは、銀髪ピアスのギャル系先輩――白瀬紗良だった。
見た目は派手だけど、話してみるとアニメもゲームも好きな“同類”。
意外な共通点から意気投合する二人。
だけどその日の帰り際、店長から知らされたのは――
> 「白瀬さん、今日で最後のシフトなんだよね」
一期一会の出会い。もう会えないと思っていた。
……翌日、学校で再会するまでは。
実は同じクラスの“白瀬さん”だった――!?
オタクな少年とギャルな少女の、距離ゼロから始まる青春ラブコメ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる