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第1章.始まり

7.門の外へ

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「ふぅ。」
 私はベッドから起き上がった。
 …面白かった。Koruseit world onlineがこんなに面白いなんて…。色々ネットで調べてみようかな…?

「いや! 私は何の為にこれを始めたよの!」
 私は立ち上がり、拳を握りしめる。
 癒しと刺激を求めてやり始めたのに、これじゃダメでしょ!

「てかもう0時じゃん!! 早くお風呂入って寝ないと!!」
 私はバタバタとお風呂に入り、髪を乾かし、布団に入ってすぐ寝た。



 仕事中。

「四月一日さん、大丈夫ですか?」

「大丈夫じゃない…。疲れた。」
 私がデスクで蹲っているところに来たのは、後輩の佐藤 柚月(さとう ゆづき)ちゃんだ。

「また、ネチネチ言われてましたね。あの課長に。」
 柚月ちゃんはチラッと女課長である、田中 恵子(たなか けいこ)さんを見る。

「もういいの…。私には…もうアレがあるから!」
 私は起き上がり、仕事を進める。

「先輩?」




 翌日、仕事終わり…

「あんの!! クソ課長!! マジぶっ◯ろすわよ!?」
 私は家に帰り、大きな独り言を叫ぶ。

「てやぁ!!」
 私はカバンを投げ捨てて、シャワーを浴び、すぐにVRの世界に入った。



 私は、昨日と同じ路地裏に出た。

(スプリング~。久しぶり~!)
 ベリアルは私の顔面にタックルをかます。

 私はベリアルを引き剥がすと
「久しぶりなの?昨日ぶりじゃない?」


(昨日?2日ぶりだよ?)
 ベリアルは首を傾けて言う。


 あー。そっか。現実とゲームの時間って違うのか。そりゃ同じ時間じゃ、いっぱいゲームできないもんね。
 そう思いながら、私はベリアルと一緒に路地裏から出る。


「うーん、まずは何をしよう? 戦闘しに行く? …うん。そうしよう!!」
 私は今日、田中さんに言われた事を思い出して門から出た。




 ~始まりの草原~



 そこには草原が広がっていた。
「あのクソ課長死◯ー!!」
 私は大声で叫ぶ。


「あの子…可愛いのに可哀想な子。」
「あぁ、あれが噂の…」
「なんだなんだ?」

 周りの人達に何か言われるが、気にしない!
 気にしてたら世の中やってられないんだよ!!
 私は構わず草原の奥へ進む。

(スプリングー。何か悪いことあったー?)
 ベリアルは私の様子を変だと感じたのか、周りを飛び回る。


「ベリアル。ちょっとこっち来なさい。」
 私は真顔で言う。

(え…う、うん。)
 ベリアルは怯えている様で、ゆっくりと近づいてくる。

 ガバッ!

「スリスリスリスリ。クンカクンカクンカ。」

(スプリング!? な、なにするの! や、やめて! くすぐったい!)


 た、たまんない…癖になりそう!!
 私はベリアルに飛びつき、お腹に顔を突っ込んで感触と匂いを楽しんだ。そのくすぐられて頑張って耐えてる、ベリアルの表情も可愛すぎた。


「ふぅー。よかった…! さぁ!!行くわよ!! ベリアル!!」
 私は前を指差し、歩いて行く。


(ん?スプリング元気になった!よかった!)
 ベリアルは無邪気についてくる。


 …またやろう。
 私はそう誓った。



 あ、そういえばまだあの本装備してなかった。私はそう思うと、上にあるメニュー?をタップして取り出す。

 ▲ユニークアイテム
『混迷の幻惑書』
 この本には影の大精霊が宿っており、誰かを待っているかのように紫色に物寂しく輝く。使用者がこの本に適する程、本の輝きは増し、使用者を認めると、大精霊が力を貸すと言われている。

 SP+500 魔力+150 譲渡不可

 私はメニューから装備を選び、『混迷の幻惑書』を装備する。



 名前: スプリング
 種族: 人間(炎に認められし者)
 レベル: 1
 職業:幻術師
 体力: 10
 SP:600 (+500)

 ステータス:
 力: 0 防御: 0 敏捷: 5    魔力: 240(+150)
 幸運: 5

 状態: 普通

 スキル
 【魔力制御】Lv1 
 【影魔術】Lv1
 【鑑定】Lv1

 加護
 魔の加護

 称号
 『初ユニーク攻略者』
 『初ユニークを手にする者』

 装備
 武器:『混迷の幻惑書』


 おー! めっちゃ強いんじゃない? これは! 
 そう思った私は、称号にも【鑑定】をかけてみる。


『初ユニーク攻略者』…初めてユニーククエストを攻略した者に与えられる称号。ユニークに関係する確率up。

『初ユニークを手にする者』…初めてユニークアイテムを手にした者に与えられる称号。ユニークに関係する確率up。

 うぉー!!これは!? 早くいろんな所行きたい! と気持ちがはやり、歩くのが速くなる。


(ッ! スプリング!! 危ない!!)
 ベリアルが突然叫び、私に飛びつく。


「イテテ、どうしたの? ベリアル?」
 私が聞くと


(敵だよ! 気をつけて!!)
 ベリアルは叫んで警戒している。私も周りを警戒し始める。


「ピギャーーー!」
 甲高い鳴き声が聞こえる。

 ガサガサガサッ!

 草むらから青いスライムが出てきた。
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