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第7章 (3)ホノカside
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【結婚から半年後/自宅】
「……。
仕事を外されたというのは、本当ですか?」
帰宅したシュウさんが、夕飯の支度をしている私に言った。
その表情が、とても悲しそうで……辛くなる。
きっと私が仕事を減らされた理由を、誰かに聞いたんだ。
「っ……気にしないで下さい。
普通は、結婚したら家庭に収まるべきだったんです。
それを、私が仕事は続けたいって言ったんじゃないですか」
私は微笑むとシュウさんの手から仕事用の鞄を受け取り、ゆっくりと机の上置いた。
「元々、私は医師としてそんなに役に立っていなかったんだと思います」
もし必要とされる存在なら、こんな事で仕事を奪われたりしない。
私がしてきた仕事は、誰かが代われる役割だったと言う事。
ただ、それだけ。
それだけ、なのに……。
自分にそう言い聞かせたら、一瞬すごく悲しくなって……。涙が出そうになった。
「……っ、だから。
シュウさんは気にしないで下さ……」
「そんな事ありません!」
グッと涙を堪えて笑顔で振り向いた私に、シュウさんは首を横に振って抱き締めてくれた。
驚きながらも、暖かい温もりに涙が零れ落ちる。
「貴女の頑張りは、知っています。
みんな配達人達はホノカさんの優しい対応に癒されているんですよ?」
「っ……」
私の心を癒してくれる、シュウさんの声。
「妻として頑張ってくれている事も、私は知っています。
……駄目なのは、私の方……っ。
貴女は、私には勿体無い位の女性です!」
そのシュウさんの言葉だけで、充分だった。
他の誰になんと言われようと、私は何があっても貴方が大好きです。
そう心の中で呟いてシュウさんの背中に手を回すと、彼の身体がビクッと揺れた。
「……。
仕事を外されたというのは、本当ですか?」
帰宅したシュウさんが、夕飯の支度をしている私に言った。
その表情が、とても悲しそうで……辛くなる。
きっと私が仕事を減らされた理由を、誰かに聞いたんだ。
「っ……気にしないで下さい。
普通は、結婚したら家庭に収まるべきだったんです。
それを、私が仕事は続けたいって言ったんじゃないですか」
私は微笑むとシュウさんの手から仕事用の鞄を受け取り、ゆっくりと机の上置いた。
「元々、私は医師としてそんなに役に立っていなかったんだと思います」
もし必要とされる存在なら、こんな事で仕事を奪われたりしない。
私がしてきた仕事は、誰かが代われる役割だったと言う事。
ただ、それだけ。
それだけ、なのに……。
自分にそう言い聞かせたら、一瞬すごく悲しくなって……。涙が出そうになった。
「……っ、だから。
シュウさんは気にしないで下さ……」
「そんな事ありません!」
グッと涙を堪えて笑顔で振り向いた私に、シュウさんは首を横に振って抱き締めてくれた。
驚きながらも、暖かい温もりに涙が零れ落ちる。
「貴女の頑張りは、知っています。
みんな配達人達はホノカさんの優しい対応に癒されているんですよ?」
「っ……」
私の心を癒してくれる、シュウさんの声。
「妻として頑張ってくれている事も、私は知っています。
……駄目なのは、私の方……っ。
貴女は、私には勿体無い位の女性です!」
そのシュウさんの言葉だけで、充分だった。
他の誰になんと言われようと、私は何があっても貴方が大好きです。
そう心の中で呟いてシュウさんの背中に手を回すと、彼の身体がビクッと揺れた。
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