40 / 289
第1章(3)紫夕side
1-3-7
しおりを挟む性的虐待をされていた挙句、「汚い」と罵られ……。毎回毎回、その後の始末まで、させられてたんだ。
全てが、繋がる。
必要以上に風呂に入りたがったり、手を洗ったり、匂いを気にしたり……。雪は自分が、「汚い」って、ずっと思っていたのだと……。
雪が、俺を見つめていた。
そんなコイツに、今俺が
「大丈夫。お前は綺麗だ。汚くなんてない」
……そんな言葉を掛けても、きっと届かない。
だから、俺は自分がしてやれる事で、それを教えてやろうと思った。
「雪、こっち来い」
そっと抱き寄せて、俺は雪を姫抱っこすると、自分のベッドへ連れて行った。
不思議そうな雪を寝かせて、自分も隣に横になり、布団を掛けてから腕枕をしてやる。
そして、真っ直ぐ瞳を見つめて言った。
「……いいか。
愛し合った後は、こうやって一緒に寝るんだ」
俺がそう言うと、雪はまた、少し首を傾げた。
「どうだ?気持ち良いだろ?」
俺は実は愛し合っている時よりも、こうやって裸で一緒に寝る方が好きだったりした。
だから、雪にも、知ってもらいたかった。
でも、雪は暫くしてからポツリと呟く。
「ベタベタで気持ち悪い。汗臭い……」
「っ、お前な~……」
せっかく俺なりに考えて伝えようとしてやってるのに、雪は相変わらずクールだった。
やっぱり、こんなんじゃダメか……。
そう思って軽く溜め息を吐く。
けど、そんな俺に雪は言葉を続けた。
「……けど」
「ん?」
「あったかい、………」
「!っ、はぁ……?!」
「あったかい」の言葉の後に、雪は俺の胸板に頬を寄せると……。そのまま、すうっと眠りに落ちて、俺の腕の中で静かに寝息を立て始めた。
「っ、……っ~~~!!」
そのツンデレな反応と、めちゃくちゃ可愛い寝顔に心が撃ち抜かれて、どうしようもない愛おしさが込み上がった俺は、暫く悶えが止まらなかった。
0
あなたにおすすめの小説
売れ残りオメガの従僕なる日々
灰鷹
BL
王弟騎士α(23才)× 地方貴族庶子Ω(18才)
※ 第12回BL大賞では、たくさんの応援をありがとうございました!
ユリウスが暮らすシャマラーン帝国では、平民のオメガは18才になると、宮廷で開かれる選定の儀に参加することが義務付けられている。王族の妾となるオメガを選ぶためのその儀式に参加し、誰にも選ばれずに売れ残ったユリウスは、国王陛下から「第3王弟に謀反の疑いがあるため、身辺を探るように」という密命を受け、オメガ嫌いと噂される第3王弟ラインハルトの従僕になった。
無口で無愛想な彼の優しい一面を知り、任務とは裏腹にラインハルトに惹かれていくユリウスであったが、働き始めて3カ月が過ぎたところで第3王弟殿下が辺境伯令嬢の婿養子になるという噂を聞き、従僕も解雇される。
おれより先に死んでください
星寝むぎ
BL
あらすじ:
恋人にフラれた美容師の恭生は、久しぶりに祖父の夢を見た。祖母が亡くなって見送った日の記憶だ。
『恭生、俺はばあさんが先に死んでよかったよ』
なぜそんな恐ろしいことを言ったのだろう……傷心と苦い記憶で沈む恭生に、年下の幼なじみ・大学生の朝陽がとある提案をする。
恋人(仮)になってみないか、と。
朝陽は自分を嫌っているはずなのになぜ? 恭生は訝しむが、自分と恋人(仮)になれば祖父の言葉の真意が理解できると朝陽は言う。戸惑いつつも、朝陽を弟のように可愛がってきた恭生はその提案に乗ることにする――
神様は僕に笑ってくれない
一片澪
BL
――高宮 恭一は手料理が食べられない。
それは、幸せだった頃の記憶と直結するからだ。
過去のトラウマから地元を切り捨て、一人で暮らしていた恭一はある日体調を崩し道端でしゃがみ込んだ所を喫茶店のオーナー李壱に助けられる。
その事をきっかけに二人は知り合い、李壱の持つ独特の空気感に恭一はゆっくりと自覚無く惹かれ優しく癒されていく。
初期愛情度は見せていないだけで攻め→→→(←?)受けです。
※元外資系エリート現喫茶店オーナーの口調だけオネェ攻め×過去のトラウマから手料理が食べられなくなったちょっと卑屈な受けの恋から愛になるお話。
※最初だけシリアスぶっていますが必ずハッピーエンドになります。
※基本的に穏やかな流れでゆっくりと進む平和なお話です。
幸せな復讐
志生帆 海
BL
お前の結婚式前夜……僕たちは最後の儀式のように身体を重ねた。
明日から別々の人生を歩むことを受け入れたのは、僕の方だった。
だから最後に一生忘れない程、激しく深く抱き合ったことを後悔していない。
でも僕はこれからどうやって生きて行けばいい。
君に捨てられた僕の恋の行方は……
それぞれの新生活を意識して書きました。
よろしくお願いします。
fujossyさんの新生活コンテスト応募作品の転載です。
【R18+BL】ハデな彼に、躾けられた、地味な僕
hosimure
BL
僕、大祇(たいし)永河(えいが)は自分で自覚するほど、地味で平凡だ。
それは容姿にも性格にも表れていた。
なのに…そんな僕を傍に置いているのは、学校で強いカリスマ性を持つ新真(しんま)紗神(さがみ)。
一年前から強制的に同棲までさせて…彼は僕を躾ける。
僕は彼のことが好きだけど、彼のことを本気で思うのならば別れた方が良いんじゃないだろうか?
★BL&R18です。
仮面の王子と優雅な従者
emanon
BL
国土は小さいながらも豊かな国、ライデン王国。
平和なこの国の第一王子は、人前に出る時は必ず仮面を付けている。
おまけに病弱で無能、醜男と専らの噂だ。
しかしそれは世を忍ぶ仮の姿だった──。
これは仮面の王子とその従者が暗躍する物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる