211 / 289
第9章(1)紫夕side
9-1-5
しおりを挟む攻撃を避けて、逃げて、防御して、部屋中を走り回って……。それを繰り返す事しか出来ない俺。
すると橘が、追い討ちを掛けるように……。
「このままではつまらんなぁ。
紫夕君が戦わざる得ないよう、危機迫る次なるステージを用意しよう」
そう言って、親父に麻酔銃のような物を撃ち込んだ。
そしたら……。
ギシャアアアァァァーーー……ッ!!!!!
と、大きな叫び声を上げた親父の身体が、どんどん、どんどん変化して……。メキメキと骨や筋肉が軋む音を鳴らしながら、まるで鬼のような姿へと変わった。
顎が突き出て犬歯は伸びて鋭く、身長も身体の大きさも倍以上になり、強靭な肉体に、太い筋肉隆々の腕に鋭い鎌のような爪……。
それはまるで、新型の魔物ようだった。
「……っ、まさか。
新型の魔物の、正体って……」
進化した親父を見て、何かを悟った俺が橘を見ると……。アイツは、確かに笑った。
っーー……本当にッ、狂ってやがるッ!!!
まさかは、確信に変わる。
新型だと思われていた魔物も、造り出していたのは橘。アイツは完全に正義という建前の裏で、己の研究の事しか考えてないクズ野郎だった。
止めなくてはいけない。
何としても、橘を止めなければいけないーー!!
けれど、そう思っても橘に近付く事は出来ない。
進化して更に強力になった親父が、さっきよりも速く、そして重い一撃を俺に仕掛けてくる。
っーー……ダメだッ。避け、きれねぇ……!!
咄嗟に斬月を盾にするようにして、親父の重い拳を受け止めた。
しかし、その勢いは予想以上で……。吹っ飛ばされた俺は窓を突き破り、二階から中庭へ落とされた。
ギリギリの所で受け身を取り、すぐに立ち上がる。すると、その直後……。
「っ、隊長ッ……!!」
「隊長ッ!!何があったんですかっ……?!」
杏華と海斗の叫び声が聞こえた。
0
あなたにおすすめの小説
神様は僕に笑ってくれない
一片澪
BL
――高宮 恭一は手料理が食べられない。
それは、幸せだった頃の記憶と直結するからだ。
過去のトラウマから地元を切り捨て、一人で暮らしていた恭一はある日体調を崩し道端でしゃがみ込んだ所を喫茶店のオーナー李壱に助けられる。
その事をきっかけに二人は知り合い、李壱の持つ独特の空気感に恭一はゆっくりと自覚無く惹かれ優しく癒されていく。
初期愛情度は見せていないだけで攻め→→→(←?)受けです。
※元外資系エリート現喫茶店オーナーの口調だけオネェ攻め×過去のトラウマから手料理が食べられなくなったちょっと卑屈な受けの恋から愛になるお話。
※最初だけシリアスぶっていますが必ずハッピーエンドになります。
※基本的に穏やかな流れでゆっくりと進む平和なお話です。
幸せな復讐
志生帆 海
BL
お前の結婚式前夜……僕たちは最後の儀式のように身体を重ねた。
明日から別々の人生を歩むことを受け入れたのは、僕の方だった。
だから最後に一生忘れない程、激しく深く抱き合ったことを後悔していない。
でも僕はこれからどうやって生きて行けばいい。
君に捨てられた僕の恋の行方は……
それぞれの新生活を意識して書きました。
よろしくお願いします。
fujossyさんの新生活コンテスト応募作品の転載です。
売れ残りオメガの従僕なる日々
灰鷹
BL
王弟騎士α(23才)× 地方貴族庶子Ω(18才)
※ 第12回BL大賞では、たくさんの応援をありがとうございました!
ユリウスが暮らすシャマラーン帝国では、平民のオメガは18才になると、宮廷で開かれる選定の儀に参加することが義務付けられている。王族の妾となるオメガを選ぶためのその儀式に参加し、誰にも選ばれずに売れ残ったユリウスは、国王陛下から「第3王弟に謀反の疑いがあるため、身辺を探るように」という密命を受け、オメガ嫌いと噂される第3王弟ラインハルトの従僕になった。
無口で無愛想な彼の優しい一面を知り、任務とは裏腹にラインハルトに惹かれていくユリウスであったが、働き始めて3カ月が過ぎたところで第3王弟殿下が辺境伯令嬢の婿養子になるという噂を聞き、従僕も解雇される。
【オメガバース】替えのパンツは3日分です
久乃り
BL
オメガバースに独自の設定があります。
専門知識皆無の作者が何となくそれっぽい感じで書いているだけなので、マジレスはご遠慮ください。
タグに不足があるかもしれません。何かいいタグありましたらご連絡下さい。
杉山貴文はベータの両親の間に生まれたごく普通のベータ男子。ひとつ上の姉がいる29歳、彼女なし。
とある休日、何故か姉と一緒に新しい下着を買いに出かけたら、車から降りてきたかなりセレブな男と危うくぶつかりそうになる。
ぶつかりはしなかったものの、何故かその後貴文が目覚めると見知らぬ天井の部屋に寝ていた。しかも1週間も経過していたのだ。
何がどうしてどうなった?
訳の分からない貴文を、セレブなアルファが口説いてくる。
「いや、俺は通りすがりのベータです」
逃げるベータを追いかけるアルファのお話です。
おれより先に死んでください
星寝むぎ
BL
あらすじ:
恋人にフラれた美容師の恭生は、久しぶりに祖父の夢を見た。祖母が亡くなって見送った日の記憶だ。
『恭生、俺はばあさんが先に死んでよかったよ』
なぜそんな恐ろしいことを言ったのだろう……傷心と苦い記憶で沈む恭生に、年下の幼なじみ・大学生の朝陽がとある提案をする。
恋人(仮)になってみないか、と。
朝陽は自分を嫌っているはずなのになぜ? 恭生は訝しむが、自分と恋人(仮)になれば祖父の言葉の真意が理解できると朝陽は言う。戸惑いつつも、朝陽を弟のように可愛がってきた恭生はその提案に乗ることにする――
仮面の王子と優雅な従者
emanon
BL
国土は小さいながらも豊かな国、ライデン王国。
平和なこの国の第一王子は、人前に出る時は必ず仮面を付けている。
おまけに病弱で無能、醜男と専らの噂だ。
しかしそれは世を忍ぶ仮の姿だった──。
これは仮面の王子とその従者が暗躍する物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる