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第4章 (1)バロンVS夢の配達人
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しおりを挟む「!……や、やめて下さいっ。
モニカ様、頭を上げて下さいっ!」
「っ……でも、私……。
すごく嫌な態度ばかり、とってしまって……」
驚いて首を横に振る私の前で、モニカ様は俯いたまま肩を震わせていた。
その姿はこの一週間の嫌な事や嫌な気持ちを吹き飛ばすには充分な姿勢で、私は慌てて彼女に自分の気持ちを伝える。
「全然気にしてませんっ!
こうして誘ってもらえて、私すごく嬉しいです!」
確かにバロンを奪われ、毎日が寂しかった。
でも、両親を亡くした私にとってモニカ様は大切な親戚。
そして、使用人以外で初めて年齢の近い同性。
そんな彼女と”仲良くなれたら”と、どんなに思っていた事か。
一緒に散歩をしているまさに今この瞬間は、この別荘に来て数少ない喜びと言っても過言ではなかった。
「……本当、ですか?」
モニカ様の問い掛けに私が笑顔で「はいっ!」と頷くと、ようやく顔を上げてくれた彼女もパァッと可愛く微笑んだ。
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