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第6章 (2)父を求めて-前半-
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しおりを挟む「行くよ。
警備が来る前に突破しないと」
放心状態の私にバロンはそう言うと、懐から取り出したヒールのない靴を履かせてくれて、手を引いて走り出した。
事前に調べていたかのような、警備が手薄な場所を選んだ見事な道の選択。
以前の事件のせいで、警備は前よりも厳重になってる筈なのに……。
この人が居れば、恐れるものなんて何もないんじゃないか?
この人に出来ない事なんて、何もないんじゃないか?
バロンには、そう思わせる不思議な力がある。
彼はいとも簡単に、私をアルバート様の所有地から連れ出した。
……
…………。
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