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第6章 (2)父を求めて-前半-
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しおりを挟む「しっかり掴まって。
舌噛まないように、歯を食いしばっててね」
手早い作業に「え?えっ?」と戸惑いつつ言われた通りにすると、バロンはそのままバルコニーの柵に足をかける。
まさかーー!!
その行動に、そう心の中で叫んだ時には……。
もう彼は、近くの木に向かって跳んでいた。
でも、フワッとしたのは一瞬。
木の太い枝に、掴まって降りて、掴まって降りて、を繰り返したバロンは……。
「……はいっ、地面に着いた」
ゆっくりと私を背中から降ろして、「ベッ」と舌を出して微笑ってた。
……。
う、嘘でしょ?
信じられない出来事に、私は唖然。
当然だろう。
自分を背負って跳んだだけでもすごいのに、彼は木をつたって、地面まで降りたのだ。
更に驚いたのはそんな危険な最中で、私はちっとも恐怖を感じなかった事。
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