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第7章 (2)父を求めて-後半-
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……
………。
そして、いよいよ。
決着の瞬間が訪れた。
バロンが15杯目を空けた後。
15杯目のグラスを持つ大男の手が、止まった。
大男は正面のテーブルに腕をついていて、震える手でなんとか飲もうとするが……。
グラスを持つ手は、一向に口に届く気配はない。
ここまでくると賑やかだった観客達も静かになり、勝負の結末をじっと見ていた。
するとーー。
「……。
白金バッジが欲しい?」
フッと笑みを含んだ意地悪そうな声を響かせたバロンが、大男の震える手からグラスを取り上げて、そのお酒に自らが口をつける。
ゴクンッと喉を鳴らし、先に16杯目を、空けた。
「寝言は寝て言え。
お前じゃ、相手になんねぇよ?」
テーブルにグラスを置いたのと同時に、顔を少し傾けて、目を細めて色っぽい表情で笑うバロン。
その表情を見た時。
私の目には、確かに重なって見えたんだ。
「……。ヴァロン」
私の口から、自然と出た名前。
この、一瞬だけ。
私は彼を、ヴァロンだと思った。
………。
そして、いよいよ。
決着の瞬間が訪れた。
バロンが15杯目を空けた後。
15杯目のグラスを持つ大男の手が、止まった。
大男は正面のテーブルに腕をついていて、震える手でなんとか飲もうとするが……。
グラスを持つ手は、一向に口に届く気配はない。
ここまでくると賑やかだった観客達も静かになり、勝負の結末をじっと見ていた。
するとーー。
「……。
白金バッジが欲しい?」
フッと笑みを含んだ意地悪そうな声を響かせたバロンが、大男の震える手からグラスを取り上げて、そのお酒に自らが口をつける。
ゴクンッと喉を鳴らし、先に16杯目を、空けた。
「寝言は寝て言え。
お前じゃ、相手になんねぇよ?」
テーブルにグラスを置いたのと同時に、顔を少し傾けて、目を細めて色っぽい表情で笑うバロン。
その表情を見た時。
私の目には、確かに重なって見えたんだ。
「……。ヴァロン」
私の口から、自然と出た名前。
この、一瞬だけ。
私は彼を、ヴァロンだと思った。
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