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第8章 (4)たくさんのありがとう
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しおりを挟む私は一旦自分の部屋に戻ると、バロンへのプレゼントが入った紙袋を持って部屋を飛び出した。
渡せないと思いながら、編むのを止める事は出来なかった。
ひと針ひと針、口に出せない想いを紡いでた。
諦め切れないバロンへの想いをーー。
『今を手放したら、この先私達に自由なんて永遠に来ない』
その通りだ。
永遠なんて夢は、奇跡が起こらない限りない。
……でも。
でも、ね……。
奇跡は、もう起きてるから。
この世界の、限られた時間の中で、私とバロンは出逢う事が出来た。
だから私は、その奇跡に感謝しなきゃ。
生んでくれて、ありがとう。
生まれてきてくれて、ありがとう。って……。
……
…………。
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