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第20章(2)マリィside
20-2-2
しおりを挟む内緒でお金を貯めて、何処でどう生きて行こうか調べて、計画と生計を練って……。
その結果、守護神の救護班の研修生として働ける事が決まった。
家出同然で、黙って故郷を出た。
守護神の本部に来てからは過去の名前も捨てて、見た目も服装も自分の思うままに自由。
過去の自分を知らない人ばかりの新しい世界で、ありのままの自分で生きよう、って、決めてた。
……だから、驚いたわ。
本部に来て暫くして、新人の隊員の中に和希を見付けた時は信じられなかった。
しかも……。
「大海原 マリィ、か。
いいじゃん、可愛い!改めて、ここでもよろしくな、マリィ!」
今のアタシの事も、彼はすんなりと受け入れてくれた。
変わらない態度と笑顔が、とても嬉しかった。
きっと……。
アタシは、ずっとずっと、和希の事が好きだった。
友達としてではなく、一人の人として、特別に想っていたわ。
だから、そんな彼がアタシを受け入れてくれて、恋人になれた時はとても嬉しかった。
夢のようで、幸せで……。ありきたりな言葉だけど、生まれてきて良かった、って心から思った。
……
…………でも、付き合えば付き合う程。
一緒に時を刻んで月日を重ねれば重ねる程、その想いは苦しくなってきていた。
そんな中で迎えた、今日。
和希の、誕生日祝いーー。
「ケーキ、食べましょうか?今、紅茶淹れて……」
「ーーマリィ」
っ、……え?
カクンッ、と傾く身体。
立ち上がろうとしたら、和希に身体を引き寄せられて……。その直後に唇に触れる、柔らかい感触。
アタシと、和希の唇が重なっていた。
それは、普通の恋人同士ならどうって事ない当たり前の事だろう。
好きな者同士が付き合い、恋人として一年以上付き合って、静かな二人きりの空間。
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