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番外編①紫夕side
①-1-4
しおりを挟む護りたい、大切な存在ーー。
紫愛が居るから……。家族が居るから、俺は雪を失っても笑顔で生きる事が出来たんだ。
それに、目の前から居なくなってしまっても。
触れ合う事も、声が聴けなくなっても、忘れる事なんて出来ないんだ。
雪、愛してる。
雪、逢いてぇよ……。
そんな想いが募るばっかりで、俺によりいっそう雪の存在の大きさを痛感させるばっかりなんだ。
……
…………。
「じゃ、行ってくるな!」
「行ってらっしゃい、父さん」
「おう!明後日は久々に1日休みが取れそうだから、ゆっくり訓練してやるからな!」
「本当っ?楽しみにしてる!!」
玄関で声を掛けると、仕事に行く俺をお見送りしてくれる弥夜は嬉しそうに声を弾ませて微笑った。
まだ8歳だが、さすが人型魔物である響夜を父親に持つ弥夜の能力と才能は計り知れない。身体能力、頭のキレ、何より双剣を扱う腕は神級だ。
追い抜かれるのも、あっという間かもな……。
そう思い、内心ヒヤヒヤしながらも、その成長は楽しみでもある。
将来は守護神の隊員として、俺の力になるのが夢らしい。嬉しい、頼もしい存在だ。
「紫夕ちゃん、行ってらっしゃい」
「おう!マリィ、子供達と家の事頼むな」
マリィも紫愛を抱きながら玄関まで来てくれて、一緒にお見送りをしてくれる。
雪の味付けによく似た料理を毎日のように拵えてくれて、朝は笑顔で俺を送り出して、夜は暖かく迎えてくれるんだ。
「ふふっ、任せて頂戴。
ホラ、紫愛ちゃんもパパに「行ってらっしゃ~い」は?」
「いてらっちゃーい!」
「っ、紫愛~!ほんっとお前は可愛……」
「ーーはい!紫夕ちゃん、いってらっしゃい!遅刻するわよ~?」
そして、毎度毎度紫愛の可愛さに負けそうになり遅刻しかける俺を制御してくれる。
こんな風に、大切な家族に暖かく見送られて仕事に行く。
この日もいつもと変わらない朝だった。
……
…………。
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