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第7章
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しおりを挟む大きな地震が起こったように、砦全体が激しく揺れた。
何事かと戸惑っていると、伝令に来た水の兵士から信じられない言葉。
『炎の国の軍勢が、攻めて来た!』……と。
ーー俺は、知らなかった。
何も、聞いていなかったーー。
頭の中が真っ白になって……。俺と一緒に砦内に来ていた炎の兵士達が、内側から水の軍を崩そうとしているのを止める事が出来なかった。
父上の作戦。
俺が率いる交渉組を砦内に浸入させ、別部隊が砦の外から水の軍を囲むタイミングを見計らって、同時に攻めてかかる。
相手の逃げ場を無くして、挟み撃ち。
それに、俺を利用した。
俺とノクテ様の仲を知っていて……。相手を油断させた、完全な騙し討ちだった。
止めたかった。
ノクテ様と、ちゃんと話をしたかった。
……でも。
もう、遅かった。
俺がノクテ様を見つけた時。
彼は炎の軍によって奪われた、最愛の人の亡骸を抱き締めていた。
驚き、戸惑い、信じられない現実に……。声も掛けられない俺に、ノクテ様は言った。
「結局お前も、あの国王の息子だったな」
"違う"なんて、言えなかった。
あんな人でも、俺の父親。結局俺は、父上を裏切る事が出来ないのだから……。
ノクテ様は愛おしい人を地面に寝かせると、立ち尽くす俺に向かって剣を抜いた。
”この人に切られよう”と、俺は思った。
それが、知らなかったとはいえ俺が招いたこの事件を……。彼から最愛の人を奪ってしまった俺が償える、代償。
けど、人間はなんて汚いんだろう?
ノクテ様の剣が、俺の左肩を貫いた瞬間。
”死にたくないッ!!”
って、俺の心が叫んだんだ。
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