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第7章
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しおりを挟むそしたら心の底がカッと沸騰したように熱くなって、その熱は炎と変わり俺を護るように包んだかと思うと……。あっという間にノクテ様に燃え移っていった。
殺したくなかったーー。
殺すつもりじゃなかったーー!!
でも、俺が奪った。
俺が全てを、奪ってしまった。
自分のしてしまった現実に動けないでいる俺の目の前で、真っ黒になってしまった影のようなノクテ様。
風が吹き、その灰がチリとなってヒラヒラと舞っていく……。その、時。
「っ……とうさまぁ~ッ!!」
背後から聞こえた、悲鳴ような叫び声。
顔だけ振り返って、見つめると……。
水色の髪と瞳をした小さな少女が、少し離れた場所からこちらを見ていた。
目にいっぱい涙を溜めて、驚いたような表情で、震えていた。
ノクテ様の正室、ミラによく似た少女。
ノクテ様は、ミラと幼い娘をこの砦に連れて来ていたのだ。
以前から、自慢の可愛い姫を俺に見せたいと……。いつか、俺が王になって和平を結べる日が来たら嫁にもらってくれ、と……。
冗談交じりに、言ってくれていた。
危険な場所に、ノクテ様は大切な人を連れて来たりはしない。
俺の事を、ノクテ様は心から信頼してくれていたのに……。
俺は、何も護れなかったーー。
自らの無力に失望し、グラリッと膝から崩れ落ちそうになった瞬間。
幼い姫は頭を抱えて大きく泣き叫んだと思うと、フッと意識を失ってその場に倒れた。
俺はハッと我に返り、慌てて駆け寄って抱き上げると、彼女の髪は真っ白に変わっていた。
幼い心に、目の前で突然両親を奪われた現実は受け止めきれなかったのだろう。
……この子だけは、護らなくてはーー!!
何も出来なかった俺に出来る、唯一の事だった。
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