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第9章(2)ディアスside
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「戻ったらすぐにお風呂に致しましょう。
……その前に、マオ様。ポケ電をお預かりします」
帰りの車内。
私の言葉に、隣に座られているマオ様の身体がビクッと跳ねた。
アカリ様のお言葉のおかげで、あの後マオ様は素直に私と共に帰宅する事を受け入れてくれた。
けれど、それで一件落着ではない。
マオ様とアカリ様、今後も二人を繋ぐであろう危険なものは消去しなければ。
港街の広場で、ポケ電の番号交換をしていたお二人を私は知っていた。
アカリ様とお子様達と遊び、楽しそうに微笑っていた事も……。
お可哀想なのは、解っている。
ずっと我慢ばかりしてきたこの方から、幸せを奪いたくはない。
ーーでも。
だからこそ、今を見過ごす訳にはいかない。
この事がシャルマ様の耳に入れば、マオ様も、その大切なものもどうなるか分からないのだから……。
ミネア様との婚姻が無事に済み、その関係が確かなものになれば、マオ様はきっと幸せになれる。
いずれお子も設けられ、ご自分の家族と笑い合える日が来る。
その為にも、これ以上過去に触れるような事。
特にアカリ様との接触は何としても避けさせねばならない。
他のお願いや我が儘ならば、私は喜んで聞こう。
しかし、これだけは譲れない。
「……マオ様。
私とて、貴方様相手に力づくで奪いたくはありません」
「っ……」
「シャルマ様に、ご報告しますよ?」
「!ッ……待って!ディアス!
分かった!っ……分かったからッ!!」
”シャルマ様に”という強調した言葉と、電話をかけるフリをした私を見て血相を変えると、マオ様はようやく自分のポケ電を差し出した。
震える手から受け取り、確認するとポケ電の中には確かにアカリ様の番号が登録されている。
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