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第11章(1)アカリside
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しおりを挟むアラン様の事は嫌いではない。
仮にもマオさんの異母兄弟だし、根っから悪い人ではない事は三年前に知っている。
けど、今だってアラン様はシャルマ様の下で働いてる訳だし……。今マオさんをどんな風に想っていて、どう過ごしているのかも分からない。
気を許しては、いけない。
そんな風に思って目を合わせないでいると、アラン様は一方的に話しかけてきた。
「ここ、なかなか良い店だろう?」
「……」
「実は、うちの会社と関係している店なんだ」
「……」
「また来たければ、私を通せばいつでもすぐに入店出来るぞ?
良かったら次は……」
ーー自慢話が、したかったのかな?
上機嫌で自分の事を次々と語るアラン様の様子から嫌な感じはしなかったけれど、彼の話にあまり興味の湧かない私には少々退屈だった。
それに……。
チラッと店内から窓の外を見ると、そこにはまだ入店出来ずに並んでいるたくさんのお客さん。
アラン様に連れられるまま席に着いてしまったけど、あそこに並んでいる人達の中には私達よりも前から待っているお客さんがいる訳で……。
みんなここのパンケーキが食べたくて長時間並んでいるのに、お店の関係者的な顔パスでさっさと入店してしまった事に罪悪感を感じる。
そしてつい、これが”ヴァロンとだった”ら……。と考えてしまう。
ヴァロンはきっと私が「来たい!」って言ったら、夢の配達人白金バッジの力なんて使わずに長時間でも一緒に並んでくれる。
「お仕事で疲れてるのにごめんね」「たまの休みなのにごめんね」って謝る私に、きっと「いいじゃん。待ち時間もデートのうち!」って言ってくれて、手を繋いで、他愛もない話でも笑い合って待てる、楽しい時間になるの。
そんな幸せな想像をして心がホワッと暖かくなる。が、同時に会いたい気持ちが溢れて、でも会いに行けない現実に寂しくなる。
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