夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】

☆リサーナ☆

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第12章(1)ギャランside

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ッーー……な、何だ?!

詰め寄られて思わずドキッとする。

ーー女だ。ふわっと肩まで伸びた茶色い髪に、大きな茶色い瞳の女が、キッとした表情で顔を近づけてくるではないか。

「っ……な、なんだよッ」

見知らぬ女。パッと見たところ17、18歳位だろうか?
怒りを含んだような視線を向けられる意味が分からないワシは、柄にもなく圧倒された。

ヤル気なのか?
垂れ目の見かけによらず、相当腕に自信のある女なのか?

しかし。
そう思って身構えた次の瞬間ーー。

「起きたー!!起きたんだね~!?」

「?ッ……はぁ?」

女はパッと表情を変えて微笑むと、「やった~!」と声を弾ませてその場でぴょんぴょん飛び跳ねた。そして、くるりんっと一回転して、「あっ!そうだ!」と言うと、今度はパタパタと部屋を駆け出していく……。

「先生~!先生~!起きたよ~~!!」

廊下に響く足音と、ワシの目から見た年齢とは全く合わない子供のような声ーー。

これが、シュウの母親ユメとの出会いじゃった。


これは全て、診療所の医師から聞いた話。
ユメはこの田舎町の孤児院で育った孤児。ある日、ポツンと一人で孤児院の建物の前に座っていたそうだ。
その理由を、孤児院の先生はユメに声をかけた瞬間に理解した。

ーー知的障害。

ユメはその時7歳位の見た目だったらしいが、言葉は拙く、物事の理解も遅い。
正式な年齢も、誕生日も、何処から来たのかも、両親の名前すらも言えない子じゃった。

唯一言えたのが、ユメ、と言う自分の名前。

当然里親も現れなかったユメは孤児院で育ち、そこで何とか自分で出来る手伝い……。掃除や自分より幼い子供達の遊び相手をして、生きていた。

しかし、彼女は決して不幸ではなかったと思う。
明るい性格と、いつもニコニコして屈託無い人柄のユメは町の人から愛され、大切にされていたから……。


ーーだが。
生まれてこの方、今までヤローばかりに囲まれた生活しかしておらず、女と言えば遊女くらいしか知らなかったワシにとって、彼女は未知の存在。
ワシは、ユメが苦手じゃった。
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